トロントで最高の朝食を
特集 こだわりのコーヒーを嗜しむ
シアトル系のコーヒーショップのブームから始まった北米のコーヒーカルチャー。今ではすっかりトロントでも定着し最近では地域に密着したカフェが増えてきています。たまの休日にのんびり朝食とコーヒーを楽しめる、編集部オススメのカフェをご紹介いたします
NEO COFFEE BAR
161 Frederick St
neocoffeebar.com
セントローレンスマーケット近くに先月オープンしたカフェ。キングストリートを少し南へ、比較的に静かなエリアにある。コンクリートを貴重としたモダンな造りの店内。ショーケースには店自慢のロールケーキやサンドイッチが綺麗に陳列してあり、魅力的な選択肢についついオーダーに時間がかかってしまう。
コーヒー豆は常に2種類提供している。エグリントンストリートにあるde Mello Palheta Coffee Roastersをハウスブレンドとして使用。チョコレートの風味を感じられるエスプレッソはミルクとの相性も抜群。さらに月替わりで世界各地のロースターの豆を提供しており、今月はサンフランシスコのFour Barrel Coffeeのエスプレッソに挑戦することができる。月に1回程度、色々なコーヒー豆を一度に試すことのできる、カッピングセッションを行う予定があるそうなので、コーヒーを学びたい方は要チェック。
朝食の人気チョイスはスモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチ。常時5種類(ハム&ブリー、チキン&メープル、ベジタリアンなど)のサンドイッチが用意されている。
このカフェのもう1つの魅力は、全て店で作られているスイーツ類。特に、オーガニックのオンタリオ産の玉子と小麦粉を使用したロールケーキは格別。日替わりで5種類のセレクションがあり、店内ではケーキを作る作業を見ることができる。和風テイストの2種類(抹茶&餡味、きな粉ベースの“Shingen”)が人気。
広々としたスペースがゆるやかな時間をもたらしてくれる、そんな贅沢なひとときを過ごせるカフェ。
RSQUARED CAFE
668 Queen St.W
facebook.com/rsquaredcafe
ショッピングストリート・クィーンウエストに5年前にオープン。店内へ入るとすぐに清潔感のある白い壁に飾られた写真やアートを見ることができる。広々とした作りで、長時間滞在し仕事や勉強をしている人々も。通りに面して大きな窓があり、とても開放的な雰囲気である。
入ってすぐにあるカウンターでコーヒーを注文。少し悩んでいると、フレンドリーなバリスタが好みのコーヒーを親切丁寧にとカウンセリングしてくれ、いろいろなオプションを提案してくれる。
Richmond HillにあるSocial Coffee & Tea Companyのコーヒー豆を使用しており、ブラジル・コロンビア・メキシコと3つの国の豆をブレンドしたもの提供している。苦味がありつつも、香ばしさを感じることのできることのできる味わいのエスプレッソ。シンプルなエスプレッソ系のドリンク以外にもカイエンペッパーとコンデンスミルクを使用し、ほんのりとスパイシー&甘めに仕上げた“Spanish Latte”や、アーモンドミルク、シナモンとココナッツミルクをフィーチャーした独特な風味を味わえるアイスアメリカーノ“M2”などという、スペシャルのドリンクも取り揃えている。
朝食のセレクションも多く取り揃えており定番のマフィンやスコーン、クロワッサンを提供している他、おすすめは“Potato Bacon Frittata”という玉ねぎとベーコンを使ったイタリアン・オムレツ。小さめの食べやすいサイズなので朝食にピッタリ。
心地よい音楽の流れる店内で、バリスタのお勧めする自慢のコーヒーとブレックファストを楽しむことのできるカフェ。
Tandem Coffee
368 King St.E
tandemcoffee.ca
ディスティラリー地区から北へ5分ほど進むとブランチレストランやスイーツショップが立ち並ぶエリアがあり、その一角にある。店へ入るとオーナーご夫婦がいつも笑顔で迎えてくれる。店内は木目調のインテリアに囲まれ、とても居心地が良い。店内の一角にはジュークボックスも設置してあり、クォーターでレトロな曲を流すことが可能。
コーヒー豆はローテションで地元のロースターを提供している(Pig Iron、Cut Coffee、Detour Coffee Roasters など) 。そして入手するコーヒー豆の種類もその都度異なるので、訪れる度に違うエスプレッソに挑戦することができる。他のカフェとは違いコーヒーの名前でのオーダーではなく、どれくらいのミルクの量が欲しいか、というユニークなスタイルでのオーダーすることができ、自分好みのコーヒーを見つけることができる。コーヒー以外にもティーも多種取り揃えている。トロントではなかなか味わえない日本産の抹茶もあるので、甘すぎない抹茶ラテを飲むことができる。
朝食にはサンドイッチを販売しており、和菓子ファンにはたまらない、餡を使ったサンドイッチを食べることもできる。クッキーはオーナーさん手作りで、招き猫型の可愛らしいクッキーも販売している。グルテンやナッツフリーのペイストリーも多種揃えている。オーナーさんが日本人ということもあり、ランチにはなんと玄米とお味噌汁を楽しむこともできるというサプライズも!
安らぎのある空間で、洗練されたコーヒーと一緒に朝食を楽しめる。
Cafe Pamenar
307 Augusta Ave
cafepamenar.ca
オーガニック雑貨やフードショップが有名なエリア、ケンジントンマーケットにあるカフェ。細長い店内をくぐり抜けると中には気持ちの良いパティオスペースがある。
このカフェでは、Discovery CoffeeというBC州のロースターを使用しており、トロントでこのコーヒー豆を味わえるのはこのお店だけ。南アフリカ産のブレンドロースト。ほんのりとした甘みとともに、はちみつのフレーバーを感じることのできるエスプレッソ。自慢のカフェラテは、ふんわりとしつつもしっとりとしたミルクの口当たりがとても良いコンビネーションとなっている。
朝食には、定番系のものやチョコレート入りクロワッサンもある他、パニーニも提供している。また、ビールやカクテルも販売しているので、パティオでコーヒーを飲んだあとに、ビールを1杯、などという長時間滞在も可能。今後はフードの種類も増やしていく予定とのこと。
天気の良い1日、落ち着いた雰囲気のカフェでカフェラテとパニーニで始める1日なんていうのもたまには良いのかもしれない。
Lit Espress Bar
221 Roncesvalles Ave
litespressobar.com
トロントのお洒落エリア、Roncesvallesの人気店で、店内はいつも人々で賑わっている。店の内装は木目調で、柔らかい雰囲気。パソコン片手に作業をしている人もいれば、家族連れでコーヒーを楽しんでいる人々も。落ち着いた雰囲気でついつい長居してしまうカフェ。
コーヒー豆はMississaugaにあるロースター、Pig Iron Coffeeを使用。エスプレッソはショット毎にきちんと軽量され味にばらつきが出ないようにするという、丁寧な仕事が垣間見れる。エスプレッソの味は、香ばしさを感じつつも、ふんわりとオレンジなどの柑橘類の甘さも感じることができる。丁寧に注がれたカフェラテは味はもちろんのこと、素敵なラテアートが目も楽しませてくれる。またドリップコーヒーへのこだわりもあり、フレッシュでインパクトのあるフレーバーのあるコーヒーを味わうことができる。その他には、ティーやジュースも多種揃えており、コーヒーが飲めない方でもカフェでの時間を楽しむことが可能。
朝食のセレクションは、バナナローフ、クロワッサンやスコーンなどのペイストリー系とサンドイッチ。ちょっと変わったものでは、エスプレッソ・フレーバーのスコーンなどもある。
気のおけない友人と一緒に、こだわりのコーヒー&朝食をいただきながら過ごすのにはピッタリのカフェ。
(右)コーヒー豆の他にも色々なコーヒー器具を購入することもできる
Istanbul Cafe
174 Eglinton Ave.E
info@istanbulcafe.ca
ミッドタウン、エグリントンエリアに昨年オープンした、トルココーヒーを飲むことのできるカフェ。一歩足を踏み入れると、目に入るのは色とりどりのインテリア。天井から吊るされているカボチャのランプや、カラフルな食器類は全てオーナーがトルコから直接仕入れたものばかり。また、店内には大おきなソファがあり長時間くつろぐことができる。
コーヒー豆はSocial Coffee & Tea Companyを使用。エスプレッソ系のドリンクはもちろんのこと、カフェお勧めのドリンクはもちろん“Turkish Coffee”。エスプレッソとはまた違った方法、味わいで、コーヒーの濃厚な味と風味を味わうことができる。また、飲み終えたカップにソーサーをかぶせてひっくり返し、器が冷めたらカッブの中に出来たコーヒーの粉の模様を見る、というトルコ式コーヒー占いにも是非挑戦してもらいたい。鳥のような模様=良い知らせが来る、底に粉が溜まったまま=我慢の時、などなど結果は様々。
朝食のチョイスも多種取り揃えている。クッキーやスコーンはもちろんだが、フェタチーズとほうれん草をパイで挟んだペイストリー“Spinach borek”などのトルコ定番のフードをいただくことも可能。
トロントならではのカフェで、マルチカルチャーが体験できる。
(右)トルコ在住のアーティストが作ったカボチャのランプ
コーヒー豆知識
コーヒーとアメリーカーノの違いって?カプチーノとラテは何が違うの?今さら聞けない基本的なコーヒー名とどんなものかをご紹介いたします。
エスプレッソ
エスプレッソとは、深めに焙煎したコーヒー豆を細かくひき、専用のマシンで高温のお湯の加圧によってコーヒー豆を抽出した飲み物。エスプレッソカップはとても小さく、2オンス程度。苦い、と思う人も多々いると思いますが、、味は豆の種類によってそれぞれ。濃厚な飲み物なのでカフェインが多いと勘違いするかもしれませんが、抽出時間がエスプレッソの方が短いため、1杯のエスプレッソよりも一杯のドリップコーヒーの方がカフェイン抽出量は多いのです。
マキアート
エスプレッソ+ほんの少しのスチームミルク。エスプレッソに挑戦したいけども、ちょっとまだ勇気が出ない…という方にオススメです。
アメリカーノ
エスプレッソ+熱いお湯。ドリップコーヒーが好き、エスプレッソ系の飲み物に挑戦してみたい、ミルクが好きではない、という方ににぴったりのドリンク。基本的にはダブルショットが定番ですが、お好みでお湯の量を変えたり、エスプレッソのショット数を変えらりすることができます。
コルタード
カフェによって微妙に割合が変わってきますが、基本的にはエスプレッソとスチームミルクの割合が1:1。ミルクも若干フォームが少なめに作られるため、さくっと飲めてしまう1杯。
カプチーノ
エスプレッソ系ドリンクの定番。これもまた、カフェによって微妙に割合が変わってきますが、基本的にはエスプレッソとスチームミルクの割合が1:2。レストランなどでは、ふんわりとフォームにシナモンがのってきたりしますね。適温とされるミルクの温度が約65℃とされており、普段熱々のコーヒーを飲んでいる方にはちょっとぬるいと感じられることも。でもその温度がミルクの甘みを1番感じられる温度なので、それも気に留めつつ、楽しんでみてください。
カフェラテ
エスプレッソとスチームミルクの割合が1:4が基本ですが、これも店によりけりです。朝食にクロワッサンと一緒にカフェラテを飲んで過ごす休日なんてのはとっても素敵ですね。
ポアオーバー
いわゆるハンドドリップコーヒー。丁寧に1杯1杯時間をかけて淹れられた1杯はとても豊かな味わいがします。つまり、エスプレッソ系のドリンクやドリップコーヒーと比べてやや時間のかかる1杯です。他に、Chemexというブランドがガラス製の容器で同じ原理のコーヒーを作れるデバイスを販売しており、その名前で明記されていることもあります。