マッサージ・セラピストが教える身体と健康 #24
ソチ五輪 金メダリスト羽生選手元専属のマッサージ・セラピストが教える身体と健康 #24
青嶋 正
RMT:カナダ公認マッサージセラピスト
ソチ五輪シーズン日本オリンピック委員会 日本スケート連盟の強化スタッフ
第24回 「決断。」
数週間前の夜に、体操選手のママより「これから行ってもいい?」という電話がありました。ママは相当動揺している様子。「とりあえず来て下さい。」という事で、緊急対応の始まりです。
到着後にまず話を聞いて、コンディションを確認させてもらいました。
①レントゲンでの異常は見られないという医師の診断済み。
②右足の小指が痛くて、足を地面につける事が出来ない。
③患部はひどく腫れて内出血が広範囲に見られる。
④本人は特にインパクトを受けたり痛めた覚えはない。
⑤明日の午後4時にカナダナショナルチーム入りを決定する試合出場権を得る為の最終選考を受けなくてはならない。
さて、ここでマッサージセラピストのすべき事は?
❶安全を確保する事。(動作確認や痛みの種類などによりダメージのレベルを推測して、自分で対応出来るか否かを判断する。)
❷安心させる事。(都合の良い事を言うのではなく、現在の怪我の状態を正確に説明する。)
❸今後の方針の決断。(最悪/最良のシナリオを想定して、本人、ご両親、セラピストの意見をまとめて、試合出場か棄権判断のお手伝いをする。)
ここが一番難しい所です
何故かというと、この時点では痛みも強く、本人も弱気になっている為、ポジティブな判断がしにくいのです。無理に出場を勧める事は絶対あってはいけませんが、怪我のレベルを説明する事により、より正確な悔いの残らない決断をするのは重要です。
厳しい言い方ですが、「最終決断はアスリート自身がするしかない」と考えています。このケースの様に医師の診断により、ある程度安全性は確認されているが、痛みが強い場合。最終的には本人が我慢出来るかどうかが決断の大部分を占めるからです。
私がアスリートを担当させて貰う場合、この様なアクシデントを事前に想定し、アクシデント時に最小限のダメージで済む様に施術プランを立てる事を心がけます。この様な施術コンセプトは、肩凝り腰痛といった一般の患者さんにも、反映させております。
すなわち、「痛みなどの症状」と共に、その原因となる「箇所」や「生活習慣」の改善を目的とした施術やアドバイスを心がけているという事です。
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