フードデリバリーアプリ「Foodora」カナダ事業が破産手続き、国内から撤退を発表
労働組合の発足と関係が・・・!?
アプリでフードデリバリーサービスを提供する「Foodora」が4月末に急遽カナダでの事業展開を停止を発表、その後まもなく破産手続きを開始、約470万ドルの負債を申告した。これは、トロントエリアの「Foodora」宅配労働者が州の労働委員会において、労働組合を組織することができる権利を認められるという、アプリベースの労働環境で初となる歴史的な勝利を収めた2ヶ月後のことである。
事業停止の手続きは2週間内で完了し、5月11日を持ってカナダ国内からの撤退を予定している。この発表後、宅配労働者を代表する予定であった組合「The Canadian Union of Postal Workers(CUPW)」は、企業は労働者が組合を結成することを防ぐために撤退を開始し始めたという疑いで、州の労働法違反として不当な労働慣行であると委員会に申し立てた。
LCBOとの独占契約やグローバルでの収入と成長は2倍と好調の印象だったが・・・
特にCOVID-19パンデミックでデリバリーの需要は急上昇しており、LCBOと独占契約を結んでいたことやベルリンに拠点を置く親会社のDelivery Heroが四半期決算においてグローバルでの収入と成長は2倍であったとしており、ビジネスがそこまで順調に進んでいなかったとは考え難いと述べている。
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組合代表者は、企業は急いで逃げるつもりなのかもしれないが自らの責任から隠れることはできないと強く否定。さらに宅配労働者はこのようなパンデミックの環境下で不確定な状態で見捨てられるべきではなく、彼らには権利がありこのような仕打ちを受けるに値しないと述べた。
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これに対して「Foodora」側は、設立進行中の組合「CUPW」との訴訟問題が原因で国内から撤退するわけではないと述べた。続けて、企業は様々な事業計画やマーケティング方法、戦略で国内ビジネスの繁栄を試みたが、望んでいた結果を生むことができなかったためであると破産手続きと撤退の理由を説明した。
債権者は破産手続きの中で一定の給付を請求する機会があるという。この債務者リストの中にはカナダ歳入庁はじめ同社の正社員も含まれている。しかし宅配労働者の中で正社員ではなく契約社員とされる人々はこのリストの中には含まれていない。
2018年に「Foodora」は負債の未払いでオーストラリアから撤退しているが、当時は宅配労働者が正社員ではなく独立請負人であった。カナダでも労働者が同様な場面に直面したが、組合の権利が認められた際このような労働者は依存請負業者であると認識されている。組合代表者は今回の決断は労働者にとって残念なニュースであるが、彼らは大切なコネクションやコミュニティーを築いてきたと述べており、労働組合は宅配労働者のために基金を設立したり、個人用保護具を集め寄付をしたりしてサポートしているという。
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