トロント在住・主婦目線でレポート!日本とトロントの病院事情の違い
私はトロント2年目の新米オンタリアンです。
2年前、子供を連れてカナダへ移住するにあたって心配だったことは病院にどうやって行けばいいのか?ということでした。
そもそもの仕組みから日本と違うことがたくさんありました。
それ最高!ってこともあれば、
そりゃ無いよ〜ってこともありましたので、主婦目線で日本との違いをご紹介します。
目次
【1:医療制度】
【2:受診の仕組み】
【3:受診の流れ】
【4:トロントの歯科・眼科・薬】
【5:救急の場合】
【1:医療制度】
日本:健康保険で医療に関わるものは概ね3割負担。子供は自治体によっては無料や数百円程度の負担。
トロント:オンタリオ州の保険(OHIP)で医療費は無料。薬は24歳以下は無料だが25歳以上は自費。眼科の一部と歯科は自費。リハビリも自己負担。(あくまでもセルフインシュランスや会社の保険を利用しなかった場合です。)
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病院に行って、お会計を通らずに「Thank you, bye~」と言って帰るのに最初はビックリしました。ちなみに、子供の薬代も自費だと思っていて、全額払ったこともあります;;
その場合は後から申請すれば全額返金してもらえました。
【2:受診の仕組み】
日本:症状に合わせて各診療科を受診する。
例:耳が痛ければ耳鼻科、子供の病気は小児科 など。 かかりつけ医を持つこともあるが、比較的高齢者が多い。
トロント:症状に関係なくまずはファミリードクターを受診。ファミリードクターが付いていない場合は、ウォークインと呼ばれる飛び入りでも診てもらえるクリニックを受診する。すごく待たされたり、当日の予約が取れないこともしばしば(もはやウォークインじゃない笑) 我が家はファミリードクターをお願いしていますが、先日、救急外来でエマージェンシーを利用した時、ファミリードクターの情報を提供すると病院同士で直接診療情報が提供されたようで、後日ファミリードクターから「経過はどう?」と電話で確認されたこともありました。これはありがたかったですね。
【3:受診の流れ】
日本:病院に行けば、その場で検査⇨診察⇨薬処方⇨数日後再受診 の流れが 一般的。
トロント:電話かオンラインで予約(基本数日後)し、電話やテレビ電話、対面診察を選ぶ。診察時に薬を処方してもらうと、近くの薬局で受け取ることができる。必要であれば検査の指示が出るが、数日後にラボと呼ばれる検査専門のセンターで検査をすることがほとんど。検査の結果は電話で連絡をもらう。
日本はとりあえず病院に行ってしまえば概ねその日のうちに検査から薬を受け取るまで完了しますよね。
トロントは受診する時点で数日後です。とにかく時間がかかります。
予約制の場合、行った先で待たされるということはほとんどないのですが、数日単位で時間がかかるのは困ったなぁと思いました。早く治したいですもんね。
エマージェンシーに行けば日本と同じ様な受診形式ですが、こちらは数時間単位で待田なければいけないこともあります。先日、長女を小児のエマージェンシーに連れて行った時のこと。4時間半待って、診察が始まって終わるまでに2時間半かかりました。昼に行って、帰る頃には娘と二人で「お腹すいたね・・・」と呟いておりました。
【4:トロントの歯科・眼科・薬】
最初にもチラッとお伝えした通り、眼科の一部と25歳以上の薬代、歯科は全額自己負担です。
ただ、会社によっては会社の保険で賄われるところもあるので、無料だったり3割負担で受診ができることもあります。その場合、給料から引かれる形で保険料を払ってくれているので、家族全員分が補償されることもあるそうです。
もちろん、個人の歯科保険などに加入している人もいます。
そういった保険を利用していないと全額自己負担です。
以前、次女が虫歯になり2回治療をしたのですが、レントゲンと詰め物でそれぞれ約$200でした。うちは保険に入っていなかったので、全額自己負担。
会計では澄ました顔で「オーケー」とか言いながら、心の中は「ヒィ〜!」と叫びました。
その晩から、仕上げ磨き・フロスの二刀流発動です。
歯は大事にしなきゃですよ。。。
【5:救急の場合】
日本:自分で救急外来に行くか、119番通報。小児の場合は#8000に電話すれば応急処置や受診の必要性などのアドバイスをもらえる
トロント: 自分で救急外来に行くか、911通報。Telehealth.ontarioに電話すれば、日本語で応急処置や受診の必要性などのアドバイスをもらえる。すぐに電話が繋がらないことも多いが、必ずコールバックがあるので安心
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救急の場合は日本とトロントで大きく変わらないと思います。
私が、こちらに来て長女の急な体調不良の時にすごくありがたかったのがTelehealth.ontarioに電話をして看護師さんに直接相談できたことでした。とても丁寧なアドバイスをいただき、1時間くらい対応してくれました。
電話で相談した内容もファミリードクターに情報提供してくれるとアナウンスがありました。
何より、医療通訳の方を介して電話ができるのですごく安心でした。
エマージェンシーを利用するまでもないけど、ファミリードクターもウォークインも利用できない場合などはとても心強い制度だと思います。
正直言って、カナダの医療制度は具合が悪い時や薬だけでも早く欲しい時は不便だと感じることも多いです。
でも、医療費が無料な部分仕方ないのかなという気もします。
時間はかかってもしっかり調べて、治してくれるという印象です。
病院間の情報共有や伝達についてはとても安心できますね。すごくありがたいと思います。
何より、「病気にならないように自己管理が大切」ということを日本にいる時よりも痛感しています笑
これからの時期、コロナだけでなくインフルエンザなどの感染症も流行する時期ですね。みなさんもお体を大事にこの冬を乗り越えてくださいね!
Y U K A
宮崎県出身。日本で約13年間理学療法士として働いた後、2020年に家族でトロントへ移住。二人の娘を育てるママライターです。趣味は料理とネットサーフィン。日本ではなかなか手に入らない食材の宝庫であるスーパーが大好きで、新しいものを見つけては美味しく調理できないか試行錯誤している時間が楽しみの一つです。