昨年トロント国際映画祭にも招致された 濱口竜介監督作品の回顧特集をトロントとモントリオールにて開催
4月27日と5月14日から16日まで、トロントで濱口竜介監督の代表作で5時間を越える大作『ハッピーアワー』と2018年の第43回トロント国際映画祭で公開された『寝ても覚めても』の二作品が上映される。またそれに先立ち、5月9日から13日にモントリオールでも濱口監督作品の回顧特集上映会が開催される。
今回、濱口監督は5月9日~16日の日程でモントリオールとトロントをツアーする。これに合わせて、まず4月27日にトロントの国際交流基金トロント日本文化センター(以下、ジャパンファウンデーション)にて『ハッピーアワー』が全編上映され、5月9日〜13日の日程で、モントリオールのCinema Moderneにおいて監督によるQ&Aセッションを含む回顧特集が予定されている。その後、5月14日にはトロントにて日系文化会館主催のイベントとして『寝ても覚めても』の上映と監督登壇が行われる予定だ。
4月27日の『ハッピーアワー』全編上映に参加できない方も、5月10日、13日、15日にも3部に分けて『ハッピーアワー』が上映されるのでご安心を。5月15日の第3部上映後には、監督も登壇してQ&Aセッションが行われる。
カンヌで注目され、カナダで商業映画デビューを果たした濱口竜介監督
濱口竜介監督が注目を浴びることになったのは2015年8月。スイスで開催されていた第68回ロカルノ国際映画祭にて『ハッピーアワー』が最優秀女優賞を受賞した。驚くべきは受賞した四人の女性全員が全く演技経験が無かったということ。これをきっかけに濱口監督は海外からも注目を浴びるようになり、「ニューヨーク・タイムズ」や「ザ・ニューヨーカー」など多くのメディアからも賞賛を受けた。以来、『寝ても覚めても』がカンヌ国際映画祭で上映されるなど、濱口監督はみるみるうちに世界中の映画ファンに知られる人物となった。
今回上映される二作品はどちらも監督の代表作
『ハッピーアワー』は、神戸市のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)が主催して2014年に行った市民参加型イベント「即興演技ワークショップ in Kobe」の参加者から選ばれた、演技未経験者の四人の女性が主演を務める。5時間17分という超大作でありながら、その日常や日々の生活の描き方には多くの評論家から賞賛された。一方で『寝ても覚めても』は一人の女性が同じ顔をした二人の男性に時を超えて恋をするという物語で、昨年のTIFFで話題になったことも記憶に新しい。
日本映画の新時代を切り拓いている今注目の監督作品にカナダで触れ合う機会をぜひ見逃さないでほしい。
上映スケジュール【トロント】
4月27日: 『ハッピーアワー』全編(ジャパンファウンデーション)*途中休憩を挟みつつ全編上映。
5月10日: 『ハッピーアワー』第1部(ジャパンファウンデーション)
5月13日: 『ハッピーアワー』第2部(ジャパンファウンデーション)
5月14日: 『寝ても覚めても』+監督によるQ&Aセッション(日系文化会館)
5月15日: 『ハッピーアワー』第3部+監督によるQ&Aセッション(会場未定)
5月16日: 追加イベント検討中(会場未定)
■ 国際交流基金トロント日本文化センター: jftor.org
■ 日系文化会館: jccc.on.ca/en/
■ Cinema Moderne: cinemamoderne.com
共催: Cinema Moderne・日系文化会館