個人移民申請の難しさ|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
カナダ政府は、2024年11月時点で「2025年、2026年、2027年は移民の受け入れを大幅に削減すると発表しました。その理由は「カナダ人の失業率悪化が加速していること、インフラの整備が追いついていないこと、住宅不足が問題視されている」こと等を挙げていました。
カナダの前首相であるトルドー氏は、「移民を受け入れすぎて、カナダという国がバランスを崩している」ことを遂に自身が投稿した動画で国民に向けて認めました。但しその動画の中で、「パンデミック終了と共に、様々なビジネスが動き出した。そのタイミングで、残念ながらカナダの移民プログラムを悪い人たちがお金儲けに利用した」とも述べました。
Study Permitを取得するために違法に入学許可書を「売る」行為や、就労する予定が無いにも関わらず偽りのLMIA申請をしてWork Permitを取得する助けを「売る」行為など、様々な違法活動が政府に報告されるうちに、このような行為を阻止しなければならないという結論に至り、その1番シンプルな方法は移民の受け入れを制限することであった、と述べていました。
それから数ヶ月が経過した今、個人移民申請をすることが大変困難になったと感じている方々も多いのではないでしょうか。連日、政府から移民申請やビザに関する様々な変更が発表されており、困惑している方もいらっしゃるかもしれません。今月号では、Express Entryに関する今後の動向についてお話します。
2025年度の選考
カナダ移民局の大臣は、2025年度は次の条件に基づいてExpress Entryの選考を行うと述べています。
- カナダにおいてスキルを要する就労経験がある者(Canadian Experience Class)
- 高レベルのフランス語の言語能力を備えている者
- 違法行為を行っていないか
- 直近3年間において特定の分野で職務経験がある者:
●医療・福祉分野(ファミリードクター、ナース、歯科医、薬剤師、心理学者、カイロプラクターなど)
●技術職(大工、配管工、建設業者など)
●教育分野(教師、保育士、障がい者を支援する指導員など)
この内容を見てお分かりになるかと思いますが、2025年から2027年にかけて個人移民申請を目標としているのであれば、断然「フランス語の習得」、或いは「特定分野における就労」が必須となります。(24/7フランス語のみの環境に身を置かなければ中々マスターできないと言われているように)フランス語の言語テストで高得点出すことは容易では無いため、日本人の方々は必然的に「特定の分野における就労経験を積む」ことを目標にされるかもしれません。
ここで気をつけて頂きたいのが、移民局が指定した2025年における特定の職種(NOC番号)は2024年度とは異なります。従って2024年度は移民申請できた方でも、同じ職種で2025年は移民申請が難しくなる可能性もでてきています。自分が就労している職種はどのNOC番号に該当するかということをしっかりと見極める力も大切です。
大前提
数年前までの様に、「Study Permitを取得し、Collegeにおいて2年間のプログラムを履修し、Post-graduation Work Permitを取得して、1年間スキルを要する仕事で就労し、IELTSを受験して、Express EntryのProfileを登録してInvitation to Applyを受領し、60日以内にPR申請をして6ヶ月以内にPRを取得する」、という王道の道は残念ながら無くなりました。
この考えを持っている方々、或いはこの古いアドバイスを得ている方々は現実に目を向け、今現在カナダ政府がどのような人々を個人移民として受け入れたいと考えているか、ということに焦点を宛てて移民申請のPlanningを立てて下さい。特にこれからカナダのCollegeやUniversityで就学し、最終的には移民したいと考えている方々は卒業時(2年後、4年後など)にカナダ政府がどのような条件で移民申請を受け入れているか、ということを推測するのは大変難しいので注意が必要です。もはや移民申請を最終ゴールとするのではなく、あくまでもカナダには留学生として来ることとし、卒業しPGWPで就労した後に日本へ帰国するという可能性が生じるかもしれない、という事実もしっかりと視野に入れて渡加されることをお勧め致します。
PNPプログラム(州推薦プログラム)
今月号では、連邦政府のExpress Entryに焦点を絞って述べましたが、PNPプログラムも引き続き存在しています。但し大多数の州において、(カナダ政府の意向により)州が発行できるNomination Certificate(州推薦状)の数が2025年は2024年に比べて半分に削減されています。従ってPNPプログラムの受け入れも一時的にストップしているか、申請条件が変更となった州も多いため、注意してリサーチをし、タイミングよく申請することが大切と言えます。