どうなる?!今後の就活戦線|就活に打ち勝つ!ワーホリ・留学生のための「帰国キャリア」【第31回】|特集 過去から振り返るカナダ2020「予想と展望」
2020年の幕開けですが、今年は日本経済としても節目の年となるでしょう。今回はワーホリや留学で海外にいる方々からもよくご相談いただく、これからの就職戦線がどう変化していくのかについてお話ができればと思います。
売り手市場は終焉へ
就活・転職において売り手市場はオリンピック開催前をピークに、徐々に買い手市場に変わっていくというのは皆さんも耳にしたことはあるのではないでしょうか。
東京オリンピック以降は業界によっては大きく景気が傾く可能性があり、就活市場でも影響を及ぼすことが示唆されています。
一方で、転職市場は今後さらに活発になると言われています。中途採用においても買い手市場になりつつありますが、終身雇用制度の破綻とともに年々転職者の数は増えており、結果的に中途採用枠も増えていくと考えられます。
これから新卒で就活をされる方も中途で就活をされる方も、「この会社に入って転職できるスキルが身につくか」を意識して会社選びを行うとよいでしょう。
日本独自の採用スタイルから欧米型の採用へ
買い手市場に変わっていくとともに、「新卒一括採用」など日本独自の採用スタイルから欧米型の採用にシフトチェンジする企業が増えていくことが予測されます。
2018年に経団連が発表した就活ルールの廃止でも分かるように、海外へ進学する学生の増加や就職期直前の留学、休学などをする学生の増加により、一括採用では企業にとって欲しい人材の確保が難しいとされていました。
一括採用がなくなることによって、大手・有名企業や人気のベンチャー企業はより時間をかけて本当に取りたい人材のみを採用していく形へ変化していきます。今後は新卒・中途関係なく、より実績を重視した採用になっていくでしょう。
ボスキャリでの就活にも変化?!
近年、ボスキャリに参加している日系企業の二極化が進んでいます。「英語人材を採用したいベンチャー企業」と「語学力問わず優秀な人材を採用したい大手企業」です。
大手の場合ボスキャリ中にビジネスレベルで英語が話せる人を採用できれば海外と関わる部門に配属し、もしそれ以外で優秀な人が採用できたらそれはそれで活かしたいということでしょう。
一方ベンチャー企業の方は確実に英語力×行動力や即戦力となりうる経験のある人を狙って採用しにきているようです。
「英語×〇〇」の〇〇がポイント
注目すべき点は、「英語力」単体では評価されなくなっているということです。
英語力はネジがなければ意味をなさない「ねじ回し」のようなもので、何と掛け合わせるかがポイントとなります。
2019年のボスキャリでも複数社から内定を獲得した人の中で目立ったのは「会計・税理・財務」×「英語」もしくは「機械・IT系エンジニア」×「英語」の分野でした。
「会計・税理・財務」の分野でバイリンガルを採用する理由としては、企業のグローバル化により、国をまたいでの企業買収など、海外展開に乗り出す企業が増えた背景があります。
「機械・IT系エンジニア」の分野で英語人材を採用する理由は、扱っているモノが海外メーカーのものであったり、IT系の場合オフショア開発等海外の人材をディレクションする際に英語を使う機会がある+新しい言語やそれに関する最新情報は英語の方が情報量も多く早く手に入るからです。
上記の分野はまだまだ売り手市場が続くと予想されます。
ただし、未経験でチャレンジさせてもらえるのも上記分野の人材が足りていない今のうち。
「光陰矢の如し」で留学期間もあっという間に終わります。海外にいる間に×〇〇を身につけ、自信を持って就活に挑みましょう!
帰国キャリアドットコム
篠山 美季(Miki Sasayama) Facebook: @kikokuconsulting
新卒で入社した会社ではコワーキングスペースの運営責任者として、スタートアップのビジネスマッチングや次世代の働き方のセミナーなどのイベントを数多く実施。その後、ITベンチャーの人事として入社し、採用と組織改革を行い、現在はその経験を活かし帰国者の就活の支援を行っている。