【第20回】カナダ婚活事情:ミスター・ビザを探して|私、国際結婚します!! でもちょっとその前に知っておきたいお話
そして、そんな女性たちのカナダ滞在目的の一つが、「婚活」だと耳にしました。そこで、実際に婚活していると話す二十代後半の女性たちにお話を伺いました。
結婚へのプレッシャー
日本の社会では、女性が二十代後半にさしかかると、結婚に対する重圧を感じ始めるのだそうです。特に親の心配がエスカレートするようです。こんなお話が聞けました。
「うちの母親ったら、『昔はクリスマスケーキって言ったものだ』って。24までは飛ぶように売れるけど、25過ぎたら誰も見向きもしないって。確かに出会いが減って親のグチが増えた(笑)。」
「うちの親、口を開けば、『会社にいい人はいないの』って、挙げ句の果てに『何のために会社行ってんだ』って(笑)。『会社には仕事しに行ってます』って言ったら、女の幸せは結婚だ…みたいな昭和っぽい説教されました。」
結婚へのプレッシャーは、家族からだけではない、誰も面と向かって口にすることはないが、結婚に対する目に見えないプレッシャーほど、キツイものはないと言います。
「SNSで、同級生の結婚式や新婚旅行、それに子供の写真見るのっていやですね。職場では、もちろん誰も、『まだ、結婚しないの?』とか聞いてきません。セクハラになっちゃいますから。でもね。後輩の寿退社は、シンドイです。」
なるほど、カナダにはない結婚適齢期、日本では今も幅を利かせている様子ですね。
日本女性はモテモテ?
カナダ生まれの男性にとって、日本女性はとても魅力的であるようです。女性たちの話、続けてお聞きください。
「カナダでは日本女性は人気があるって聞いたから… 今、カナディアンのカフェで働いてます。もちろん、カナディアンとのパーティとか、誘われたら必ず行きます。」
「カナダ人の男性、やさしいですね。大切にしてくれます。日本じゃ売れ残り扱いされるけど、ここじゃ、けっこうチヤホヤされるって喜んでる子もいますよ。」
「日本女性は、すっごいモテるって聞いてます。 ええ、もちろん国際結婚目指してます。出会い求めてます。ミスタービザ、探してます。誰か紹介してください。」
ご紹介は丁重にお断りしたものの、この女性が冗談で言っているわけではないことは伝わってきました。なるほど、ミスタービザ、ですか…こうして国際結婚が増えてゆくのですね。
プロポーズ大作戦!
ビザが切れる前にプロポーズされることは、こうした婚活女性にとってのゴールだそうです。
「彼氏います。でももうすぐ帰んなきゃならないんで、焦ってます。とりあえずビジタービザに切り替えて、もうしばらくいる予定です。今はまだ帰れない。」
あえて帰国することを選ぶという女性もいました。婚活にはテクニックも必要なようです。
「私は帰りますよ。遠距離恋愛になると、追っかけてくれるかもって期待してます。国際結婚の先輩が、『プロポーズされるには、盛り上がりが大切、勢いが必要だ』って言ってました。一旦日本に帰って、少し経ってカナダに戻ったタイミングでプロポーズされたって。」
みなさん、真剣に婚活なさっているのですね。それにしても「プロポーズされることがゴールである」と言い切る女性たちの熱意には圧倒されます。
「国際結婚においてプロポーズはゴールでなくスタートラインに着く前のエントリーにすぎない」などという老婆心を吹き飛ばす勢いですね。これほど結婚に対して前向きなら、結婚後に訪れるかもしれないチャレンジにも、きっと積極的に取り組んで行くに違いありませんね。
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野口洋美 心理学名誉学士(HBA)、コミュニケーション学修士(MA)
オンタリオ州公認パラリーガル、国際離婚経験者のピアサポートグループAPJW(NPO)理事
別居や離婚を経験することになった日本女性の相互支援(ピアサポート)団体(web:apjw.info)の代表として、自立に向けての様々なテーマで勉強会を毎月開催。国際離婚関連の執筆多数。離婚駆け込み寺(日加タイムス)、ひとり親のつぶやき(mamma、日系ボイス)など連載。2014年、国際離婚とハーグ条約をテーマにヨーク大学にて修士論文を発表。法律通訳としても活躍中。