今年こそお金儲け、する?|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明
2024年も早ひと月が過ぎた頃だが、皆さんは年初に誓った抱負の実行に向けて驀進されているだろうか?三日坊主ならぬ松が明けたら抱負を忘れ去る人も多く、ある調査によれば抱負の1年後の達成率は2割ともされる。その抱負の多くにおカネ絡みが多いのもまた事実。ビジネスで金持ちになりたい、貯金をしたい、更には株で当てるぞ、といった一発勝負型の人も多いだろう。ならばズバリお金儲けについて持論を展開してみよう。
お金儲けでも長期、短期、安定、博打型、ビジネスと非ビジネスなどさまざまな区分けができる。日本で宝くじを買っていた方は短期博打型だ。カナダでRRSPやTFSAでコツコツ配当株で積み上げるのが長期安定型だろう。
また、ビジネスと非ビジネスではお金に対する考え方が全く違う。私のように多くのビジネスを同時に展開し、今年も2、3の新規案件を抱えている立場からするとビジネスとお金は別物だと考えて良い。
カナダで事業を営んでいる人は多いと思う。その中でコンサル系やエージェント系の様なビジネスでもいいが、むしろ自分で一定額を投資し、借り入れをし、自分の根城をベースに一定規模のビジネスをやり、ある程度成功した方は概ねお金をそれほど意識していない。その仕事を通じて人々に幸せを提供したいと思っているのだ。
「利他の心」という言葉は日本人は大好きだが、まさにお客さんが喜んでいる顔を見たい、これに尽きる。もしも100人の笑顔が1000人の笑顔になればビジネスは大きく羽ばたいたということになる。
現金に色はつかない。
ビジネスをする人は銭勘定をしてはいけない。お金は後からついてくるものだ、とされる。但し、
北米流ビジネスマネージメント的に言うと週に一度は必ず、銀行口座をチェックすべきだ。それも丹念にお金の動きを見る。
そして今後、1週間、1カ月、半年先のキャッシュフローを予見し、最善のキャッシュマネージメントを行うことに尽きる。
例えば会社の口座に使わないお金が寝ているとする。多くの人は放置しているであろう。あるいは、銀行口座を3つも4つも作って口座があちらこちらにある人もいるだろう。これは最悪だ。現金に色はつかない。A銀行の預金でもB銀行でも現金は現金。
そして管理は簡単な方が良いに決まっている。それぞれの口座に少しずつある預金をかき集めるとそれなりの金額になる。それをGICに預ける。今なら5%の金利がつくぞ。こういうこまめな作業をすることでお金が貯まるのだ。
では個人のお金の貯め方を考えてみよう。
近年のお金の使い方は「メリハリ消費」だ。私が若い頃は友人の消費につられて「俺も買っちゃった」というケースがあった。「付き合い消費」とか「お隣さんとの張り合い消費」だ。「お父さん、お隣さん、新車を買ったわよ。うちも買いましょうよ」というのはまさに昭和の会話だ。今は他人が何を使おうが、自分は自分の世界だ。
これはバブル崩壊後に明確になったトレンドチェンジで、消費の個性化である。友人はヴィトンを買っても私はユニクロで全然平気、その代わり、私は〇〇にこだわる、という自己主張がそこにある。よって、お金を貯めたいならこのメリハリ消費を徹底的に追及すべきだろう。
では、貯めたお金はどうすればいいのか、これも比較的簡単な原理だ。
「お金君」にはたっぷり働いてもらえばよい。24時間休みなく文句も言わず働くぞ。
今ならGICの様な定期性の安全な貯蓄の利率は良い。ただ、早ければ初夏、遅くとも年央から利率は下がるはずだ。よって今貯金するなら期日の長い2年物あたりが一番お得だろう。
次に株式などの投資だが、2024年は悪くない。一部の専門家は悲観的トーンだが、アメリカ大統領選がある年は現職の大統領がそれまでに大盤振る舞いをするのが恒例で株価を刺激させる。
更にアメリカの中央銀行に当たるFRBやカナダ中央銀行がインフレ鎮静化に伴い利下げをすれば株価にはプラス材料だ。業種的にはかなり広範囲にプラスに展開するだろう。
業種的には生成AI関連、EV関連が引き続き注目されやすいが、むしろ消費回復と不動産市況の回復を先取りする方が面白いと思う。
これは全ての専門家が違う意見を言うので最終的には自分でじっくり考えて決めることが大事だ。どれが良いかわからない場合はインデックスと言って全体が内包された指数を買う方法もある。
「Youはなぜ貯金をするのか?」
さて、お金を貯める手段を話をしてきたが、最終的には「Youはなぜ貯金をするのか?」という目的意識を明白にしてほしい。私の知り合いに「1億円を貯める!」と頑張っている人がいるが何のための1億円か聞くと「なんとなく」という。家が欲しいのか、単なる達成感や優越感かで全然違う。それでも1億円という目標があるのはまだよい方だ。具体的にいつまでにどうやってそれを達成するか、達成した暁には〇〇をする、というストーリーを作ると分かりやすい。
よく「老後のため」という方がいる。「独り身だからお金が全て」という方もいる。だが、そういう方に限ってお金は貯まらないだろう。理由は目的額も期間も不明瞭だからだ。老後のために1億円を60歳までに貯める、とか家を購入する頭金で3000万円を35歳までに貯めるというシナリオを是非とも作って欲しい。
私はカナダにいる多くの日本人に裕福で幸せな生活をしてもらいたいと思う。そのためにはお金とはしっかり向き合う姿勢が大事だということだろう。
了