楓の森の歩き方 第29歩
冬のシロフクロウとの出会いほど不思議で神秘的なものはありません。彼らは黄色くぼやっと光った電灯の上や、雪が積もった電柱等の上で上手にバランスを取り休みながら、黄色く光る大きな目を眼下の白銀のフィールドへ向けています。
この厳しい冬の環境の中で生きているシロフクロウに出会えば、彼らの壮大さや大自然に適応している能力に驚き、魅了されるはずです。私が初めてシロフクロウを見たのは、南オンタリオのアルバー平野方面へ運転していた時でした。
最初、古い納屋の屋根に乗っている白いドーム型の小さな屋根だと思い、納屋の屋根の色とその白い色は対照的で珍しいなあと感じていました。その直後、わたしたちはフィールドの向こう側から大きな翼の鳥が飛んで来るのが目に入ったのです。
それはまさに一対のシロフクロウが厳しい冬を過ごしている所を、目の当たりにしていたのです!この地域で彼らを目にする事はとても珍しい事で、目を疑いました。
白フクロウ、英語ではSnowy Owl。主にアラスカやカナダの北部のツンドラ(永久凍土)地帯に生息し、5月中旬から9月中旬に繁殖、ハタネズミやイタチ、ウサギ等の小動物を中心に食べて過ごします。
しかし、シロフクロウの数に対して、食物の不足やハタネズミの個体数が減少する年などは飢えを避けるために冬の間、南方の沼地、湖岸、牧場のような広々とした野原に移動し、越冬します。
シロフクロウの特徴は、白く大きな丸い顔と明るい黄色の目、真っ白もしくは白に灰色の縦じまや水玉模様、足全体は羽毛に覆われています。メスはオスに比べて大きめで平均2.3㎏の体重をもつ一方、オスは平均1.8㎏と少し小さめです。
郊外の野原や牧場の横などをドライブ中に、電柱や電灯、納屋の屋根の上など見晴らしの良い場所を中心に目を凝らして見てください。白銀世界の中に保護色のように同化しているシロフクロウたちと出会えるかもしれません。最近では、南オンタリオで越冬するシロフクロウたちを観察する『Snowy Owl Tours』もOOAで始めました。
今日ではハリー・ポッターのヘドウィグで有名になったシロフクロウですが、成鳥となると翼は1メートル半を超え、その翼を利用して広大なフィールドの上をものすごい速さで滑空し、獲物を捕らえます。真っ白な雪の中から突然ポツンと現れ、不思議な世界にわたしたちを連れ出してくれる。まさに魔法のようなフクロウです。
今回シロフクロウたちの素晴らしい写真の提供をしてくれた友人でもある野生動物カメラマン、キャメロン・パウエル氏に心より感謝します。
キャメロン、ありがとう。
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Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。