おおかみの赤ちゃん|楓の森の歩き方 第49歩
春長い冬が終わり、植物たちが一斉に芽吹くこの季節。森の動物たちにも新たな生命がもたらされます。
トロントから約2時間半の場所に位置するハリバートン・フォレストは、アルゴンキン公園の南西部に広がる高地です。ここでは自然と林業の専門家が一緒になりユニークなプログラムを一年通して実施しています。そのひとつのウルフセンターは、シンリンオオカミと呼ばれる五大湖地域の北東側に生息する狼を自然に近い形で飼育しています。ウルフセンターは、オンタリオ州各地の野生動物保護区と連携して、20年以上にわたる運営を続けています。
昨年5月上旬に、ルナ(アルファ雌の狼、群れの中の最上位に位置する繁殖のペア)は7匹の赤ちゃんを出産しました。この赤ちゃんの出産の様子は、ディスカバリーチャンネルのデイリープラネットで紹介され、赤ちゃんの健康診断や性別をチェックするために、15エーカーの敷地内に野生動物専門の生物学者と他のスタッフが入り、撮影されました。
ウルフセンターでは現在、8匹の成狼(Fang, Luna, Onyx, Polly, Pepper, Piper,Quinn,Quest)を飼育中で、今回の7匹の赤ちゃんのうちの3匹を寄付することに決めました。その3匹はオンタリオ州の野生動物保護区、Safari Niagara (Stevensville)、Speaking of Wildlife (Orillia)、Aspen Valley Wildlife Sanctuary (Rosseau)に引き取られました。
そして、6月末の週末に、ウルフセンターのメインフロアから見える特別な観察エリアにて、一般公開されました。それ以来、残った赤ちゃんは、ほぼ毎日群れの仲間たちと一緒に遊んだり、ミルクを飲んだり、追いかけ回ったりと楽しそうな毎日を過ごしています。
赤ちゃんたちの名前は、アルファベット順に命名して行くという伝統に従って命名されました。順番に従って頭文字の「R」で始まる名前が与えられ、それぞれRune, River, Raven と名付けられました。
ウルフセンターでは、生体展示の他にシンリンオオカミたちが暮らす森の紹介や、生活体系、保護活動の取り組みなどを図解した資料や写真等も多数展示されています。
夏から秋にかけては、狼の遠吠えを真似るイベントなども行なっていますので、是非体験しに訪れてみてください!!
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Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
Special Thanks, Cameron T Powell 写真 / アートワーク / レイアウト:尾西知樹 翻訳:瀧川貴子