後継者不足×世代交代、日本経済の新しい夜明け|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第79回
昨年の暮れから年明けまで休暇をとり、日本のお正月を満喫してきました。カナダに移住しておよそ15年、年末年始を日本で迎えたのは初めてだったのですが、やはり日本はどこで何を食べてもおいしいし、サービスは丁寧で細やかだし、しみじみと日本の良さを実感することができました。
個人的な話になりますが、もう少し子どもが大きくなって親の手をはなれたら、居住地を日本に移そうと思っています。そうなると、いまの仕事はどうするか、そして日本でどんなことをするか、ということを考えなければなりません。
日本ではいま、中小企業の後継者不足が深刻な問題となっています。しかし問題のうらには、常にチャンスが潜んでいます。今回はそんなお話です。
2024年、後継者難による倒産件数は540件にのぼりました。前年から若干減少はしたものの、2年連続で500件を超えて右肩上がりの傾向にあります。また、倒産ではないものの、コロナ以降、休廃業や解散を選択する企業の数は増加傾向にあり、驚くべきことに、黒字でありながらビジネスをたたむケースが全体の半数も存在するそうです。
こうした企業の存続を支えることは、日本経済の持続可能性に直結する重要な課題です。

では、日本がこの状況に手をこまねいているかと言うと、決してそんなことはありません。承継する側とされる側のマッチングや支援をおこなう、事業承継・引継ぎ支援センターという公的な相談窓口が、全国47都道府県に設置され、積極的にこの問題の解消に取り組んでいます。また、日本政策金融公庫による事業承継に対する金銭面のサポートもあり、商工会議所や金融機関なども含めた手厚い支援体制が整っています。
M&A支援機関や、事業承継のマッチングをサービスとして行う民間企業も数多く存在し、かなり土壌は整いつつあるので、今後、日本全体で古き良きビジネスが新たに生まれ変わり、日本経済をけん引していくことを、私たちは目の当たりにすることでしょう。
大げさに聞こえるかもしれませんが、この後継者不足という問題を機に、日本は低迷期を脱却する糸口を手にしているのかもしれません。
というのも、コロナ禍で企業が強制的にデジタル化を進めなければならなかったように、今の後継者不足も、企業が新しい世代へとバトンを渡し、時代に適応する契機となる可能性があるのです。
長らく、日本はどうしてこの30年間、経済発展をとげられなかったのか、ということが議論されてきました。その理由の一つとして、かつて機能した年功序列型の社会構造が、変革の遅れ、若手の挑戦の機会損失、ひいてはグローバル競争力の低下をもたらしたというのは、広く知られています。
しかし、今まさに変革のチャンスが訪れています。
新しい経営者が事業を継ぐことで、デジタル化やグローバル展開、新規事業の創出が加速し、それが結果として企業の競争力向上につながり、日本経済の活性化をもたらすことでしょう。
冒頭に話を戻すと、日本で何をするか、という問いの答えとして、こんな可能性のある話に乗らない手はありません。日本に生活ベースを移すのはもう少し先の話なので、業種や業態などはこれからゆっくり考えたいと思います。
そしてもう一つ、ラーメン雷神の事業を誰にどのように継承するのか、ということも考えなければならないのですが、それはまたの機会にいたします。






