第9回 史上初のビットコインETF「Purpose Bitcoin ETF」に興味津々!|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は2021年2月にトロント証券取引所に上場したビットコインETF「Purpose Bitcoin ETF」を紹介します。ETFとしてビットコイン関連の金融商品が販売されるのは本ETFが初めてです。
ところで、あなたはビットコインをお持ちですか?2017年~2018年のバブルの前後でビットコインに投資を始めた方もいらっしゃるかと思います。
2020年の秋以降、株式市場の値上がりと同時にビットコインも大きく値上がりしました。市場の牽引役となった米国の電気自動車大手のTeslaがビットコインに投資したことも話題になりました。
そして、2021年3月時点でビットコインは約7万カナダドルに達しています。今後さらに値上がりするかはわかりませんが、「ビットコインにも少しぐらいは投資しておこうかな」と思った時に役立つのが「Purpose Bitcoin ETF」です。
「Purpose Bitcoin ETF」の特徴
「Purpose Bitcoin ETF」はトロントに拠点を置く「Purpose Investment」が組成したETFです。取引できる通貨や為替ヘッジの有無で特徴の異なる3つの商品に分けられます。
●FX Hedged(BTCC)
カナダドル建てで購入するもの。カナダドルと米ドルの為替の影響を軽減したもの(為替ヘッジしたもの)
●Non-FX Hedged(BTCC.B)
カナダドル建てで購入するもの。カナダドルと米ドルの為替の影響を軽減しないもの(為替ヘッジしないもの)
●USD(BTCC.U)
米ドル建てで購入するもの
米ドルとカナダドルの影響がありますので、3つの商品でわずかに値動きの特徴が異なります。
Purpose Bitcoin ETFの経費率(運用で生じるコスト)は1.50%より低いと公式サイトにて述べられています。この経費率は一般的なETFに比べると高い部類になりますが、後述するビットコインの管理を考えると仕方ないのかもしれませんね。
公式サイトではPurpose Bitcoin ETFを買うメリットとして「税制(RRSPやTFSAで購入可能)」、「手軽さ」、「セキュリティ」、「取引所ごとの価格差に影響されない最適な価格設定」の4つを挙げています。ここではセキュリティについてもう少し掘り下げてみます。
盗難への備え
ビットコインを含む暗号通貨には盗難リスクが付きまといます。というのも、インターネットと接続されたPCやサーバーにビットコインや他の暗号通貨を保管すると盗難の恐れがあるのです。
2018年に日本のコインチェックで発生したNEM盗難事件(NEMはアルトコインと呼ばれ、ビットコインと少し異なる暗号通貨です)では、外部からクラッキング(ハッキング)されて、ネットワーク上に保管されたNEMが不正に送金されました。
Purpose Bitcoin ETFも裏付け資産としてビットコインを持ちますので、盗難リスクがあります。ですが、公式サイトにてビットコインはインターネットとは切断された「コールドストレージ」に保存されていると紹介されています(逆にオンラインに接続された暗号資産の保管場所を「ホットストレージ」と呼びます)。
それでも、何らかの事情で盗難が発生する恐れはあります。公式サイトではそのような事態に備えて、最大2億米ドルの保険が掛けられているとも紹介されています。
個人がビットコインを含む暗号資産を保管する際にも、ネットワークから切り離された保管場所を利用すると安全です。ですが、特に不慣れなうちは難しく感じると思います。
まとめ
今回は「Purpose Bitcoin ETF」をテーマに解説しました。
ちなみにわたしはビットコインが5万円の時から相場を「見ていました」。そう、見ていただけで積極的に買ったわけではないのです(笑)。そんなわけで、ビットコインには苦い思い出が付きまとうのですが、今後の相場の行方も見ていこうと思っています。
もし、あなたがこれからビットコインへの投資を検討していたら、Purpose Bitcoin ETFのこともチェックしてみてください。
余談ですが、似たような商品が増えてくると経費率も下がってくる可能性があります。将来的には今より低コストになっていたらいいですね。