トロント留学経験のある大学生に聞いた留学と就活
2016年卒の就活から、選考期間が大きく後倒しになった。これは、経団連(日本経済団体連合会)が「採用選考に関する指針」を発表し、採用期間の大幅な変更を行ったためである。2016年卒の就職活動から、会社説明会などの採用広報活動の解禁は、以前の12月から翌年3月に。面接などの選考開始は、同4月から8月へと変更になった。このおかげで、帰国後に就活を行う学生が通常後期が終わる2月初旬から留学した場合でも、1年間丸々留学することが可能に。
就職活動と言えば、2007年頃から、世界的金融危機や急速な円高が要因となり、「就職氷河期」と呼ばれる時代があった。しかし、徐々に日本経済は回復の兆しを見せ始め、2015年現在では、2020年に開催される東京オリンピック効果も相俟って景気も就職市場も上向きに。それを示すかのように、採用数を増加する企業も多くみられ、2016年卒の就職活動は、「売り手市場」と謳われている。そんな中で現役大学生は、将来にどのような意識を向けているのか、そして国際化が進むこの社会で留学は就活に活きるのか、2014年から現在にかけて留学していた/している方々に話を聞いた。
Q1. 留学期間は? A.平均11〜12ヶ月
1年丸々休学して、留学する大学生が大半!大学卒業には、基本的に4年間通わなければならないため、1年間留学する人が多いのでしょうね。
Q2. 留学にきた時の学年は?
2年次と3年次が圧倒的。3・4年次でのゼミが始まる前に留学した人やサークル引退に合わせてなど、それぞれ大学の予定に合わせて、渡航する学年を決めるそう。
Q3. 留学の理由・目的は?
回答の多くは、英語力の向上!その他の回答は…
■ 大学生活の中で、何か一生懸命取り組んだことを残したかったから。(C大学・3年)
■ 日本とは違うもの<<文化、習慣など>>を見てみたかった。(H大学・3年)
■ 外国で働く経験をしたいから。(K大学・3年)
■ 国際経済を実際的に体験したい。(R大学・2年)
Q4. 語学学校は通った? A. 100%
留学に来たら、まずは語学学校!語学力向上という留学目的に示されるように、最初は学校で英語を勉強するのが大学生の留学の定番。
Q7. 日本の就活に英語力は必要?
YESと答えた人のコメント
■ 英語力があれば、仕事の幅が何倍も広がるから。(C大学・3年)
■ TOEICが1番の必要な資格として捉えられているから。(R大学・2年)
就活を意識したコメントが多い中、こんな意見も。
■ 人間として生きていく上で英語力が必要。就活うんぬんじゃない(M大学・4年)
NOと答えた人のコメント
■ 英語力というより、SPIやTOEICで高得点を取れるような、言われたことをすぐ覚えられる記憶力を日本社会では求められている気がする。(H大学・3年)
Q8. 就活にTOEICのスコアは必要?
どの会社もESでTOEICのスコアを聞かれますもんね。外資系の企業では、TOEICのスコアが一定以上ないと本エントリーできないところも(汗)
Q9. TOEICのスコアは 何点ほしい?
日本でTOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)によると、2013年度の日本人のTOEIC平均スコアは512点。このスコアと比べると、留学している大学生の目標スコアは700点以上で、英語に対する意識が高いことが伺えます。
Q10. 留学は就活でメリットになる?
YESと答えた人のコメント
■ 普通の大学生活では体験できないようなことが体験でき、それが将来の仕事に役に立つから(R大学・1年)
NOと答えた人のコメント
■ メリットになるならみんな行っていると思う。最近じゃ留学もメジャーなことだから。(J大学・3年)
どちらでもないと答えた人のコメント
■ 留学で何を得たかが重要だと思う。(R大学・2年)
Q11. 就活のために何かしていることはある?
■ 英語
■ インターンシップ
■ TOEICの勉強
■ 資格取得
■ 将来働きたいところで、アルバイト
■ 就職希望先に関連している専攻やゼミを履修している
日本企業だと1日や1週間といった短期のインターンシップが多いが、カナダだとインターンシップ制度が多くの企業に浸透しているため、1ヶ月や半年といった長期勤務ができる。海外のビジネス文化を体験できるいい機会なので、就きたい職業が決まっている人は特定の企業に、まだ模索中の人は短期で様々な企業で経験を積んで、自分の興味が惹かれるものを見つけるのもいいのでは?
Q16. 外資系企業に興味がある?
YESと答えた人のコメント
■ 国際ビジネスに興味があるから。(R大学・2年)
■ 聞くと金銭的にいいと聞くため。(K大学・3年)
外資系企業で働けば、国内であろうとも、海外企業の文化の元で働けますね。外資系企業の大きな特徴として、実力主義による高収入が挙げられますが、それが魅力だと感じると回答する学生も多く見られました!
Q17. 企業選びで重視する点は?
Q18. 大学生や就活生にとって、トロントが留学先として好ましい点は?
■ 聞き取りやすい英語を身につけられること。聞き取りやすいという点で英語圏のアナウンサーはカナダ出身が多いというのを聞いたことがある。(H大学・3年)
■ 経済が発展していて、適度に都会。(R大学・2年)
中にはこんな意見も・・・
■ あんまり好ましくない。遊んじゃうから。(M大学・4年)
Q19. 就活に向けて、今後、留学中または留学後に挑戦したいことを教えてください。
■ 目先の目標は海外に行った記録として、TOEICで700点を取る。その後は、心理士等の資格を取ってみたいと考えている。(H大学・3年)
■ インターンシップ(S大学・3年)
■ 大学で色々な団体で活動をする(R大学・1年)
■ インターンシップをして、実践的にビジネスを経験したい。(R大学・2年)
■ 留学中はインターンシップを、帰国後は自分の経験を活かしたアルバイトを続けたい。(C大学・3年)
様々な目標があるものの、やはり皆さん留学経験を活かしたものや、留学を通して得たスキルを上げたいといった内容ですね。留学だけで満足するのではなく、そこから次のステップに活かそうとしていることから、留学している大学生の向上心の高さが伺えますね。