就活の最終関門!?リファレンスチェックに備えよう|教えて!PASONAさん!
リファレンスチェックとは、採用候補者の前職の上司や同僚に電話等で連絡を取り、その人の働きぶりや人柄についての評価を確認する手法のことです。日本ではあまり馴染みがありませんが、カナダではほとんどの企業の採用活動で用いられています。多くの場合は面接後、候補者が数名に絞られた段階で企業からリファレンスの連絡先を要求されます。カナダでは3人に1人の候補者が、リファレンスチェックの結果により不採用になるというデータもあり、いかに重要視されているかがわかります。
リファレンスチェックにより、採用担当者は候補者のスキルや経験だけでなく、自社カルチャーに合う人物かどうかも確かめます。一般的な質問内容としては候補者の強みと弱み、前職での詳しい業務内容、勤務時期などレジュメに記載されている内容が正しいかどうかなどが挙げられます。
リファレンスを準備する際の手順とポイントを見ていきましょう。
1.何から始める?
就職活動を開始した時点で、リファレンスとして依頼したい人をあらかじめ挙げておきましょう。応募する職種で活かせる自分の能力や特性を具体的かつ好意的に伝えてくれそうなのは誰か、という観点で選びます。当然ですが、過去に対立があったり自分をよく思っていない人は避けるべきです。
採用選考で求められるリファレンスは多くて3人程度ですが、プラス数人を予備として考えておきます。リファレンス依頼を断られることもありますし、応募する仕事によって最適なリファレンス提供者を選択するのも1つの手です。
2.リファレンス選び
一番に依頼したいのは現職もしくは直近の勤め先の上司です。社内で上の立場である人ほどよいとされますが、あくまで自分の仕事ぶりをよく知っている人でなければいけません。現職の上司に転職活動中だと知られたくない場合は、その1つ前に勤めた企業の上司でもよいでしょう。最低でも過去5年以内に関わりのあった人が望ましいです。
どうしても頼める上司がいない場合、もしくは2人目以降で選ぶとよいのは
- よく知る先輩や同僚
(部下や後輩はNG) - 先生や教授
(新卒で職歴が無い場合に有効) - ボランティア活動やインターンシップでの監督者
- 顧客など関係者で自分の仕事ぶりをよく知る人
- 応募企業の社員で過去に一緒に働いたことがある人:いわゆるコネですが、社員からの推薦というのは非常に強力なのです。
- パーソナルリファレンス:個人的な付き合いのある人からのリファレンスのことで、友人・知人に依頼します。プラスアルファとして人物評価に使われることがあります。
3.選んだ人にリファレンスを依頼しよう
採用面接で好感触だった場合、または応募企業からリファレンスを要求された時点で、リファレンス候補の人たちに連絡を取ります。リファレンスになってくれるか、応募企業から連絡があっても問題ないかを確認しましょう。責任重大な役割ですので、全員が了承してくれるとは限りません。
了承をもらえたら応募企業に伝える内容を話し合いましょう。応募企業が求める能力について、他者からの客観的な評価が高いことをアピールできると効果的です。リファレンスとなってくれる人には、自分が実績を残したプロジェクトや、特に強調してほしい強みをリマインドしておきます。
もう一つ重要なのは、応募企業から自分の弱みや退職理由などネガティブなことを聞かれた場合に何と答えるかを確認しておくことです。そのような話題でも自分のポジティブな面にフォーカスしてもらえるよう念押ししておきましょう。
4.リファレンスレターは必要?
推薦状(リファレンスレター) は必須ではありませんが、例えばリファレンスとなる人が休暇や離職で不在になる場合にはレターも有効です。サイン箇所以外をあらかじめ自分で作成してしまうか、少なくともアウトラインを書いたレターは用意しておき、リファレンスとなる人の負担を減らすのがマナーです。
5.リファレンスリストを作成する
応募企業に提出するためのリストを作成します。個人情報が含まれますので、提出する前に必ずリファレンスの人たちに了承を得てください。時間差で別の企業からも提出を要求された場合には、その都度リファレンスとなってくれるかどうかを確認しましょう。
また、一度も面接していない企業や、面接後でもここで働きたいと確信が持てない企業へはリストを提供するのは控えるべきでしょう。
リストはワードまたはPDFで作成します。レジュメと同じく自分の名前と連絡先を先頭に、以下の順でリファレンスの情報を載せていきます。
- フルネーム
- 職位
- 企業名(転職していた場合、当時在籍していた企業)
- 企業の住所
- メールアドレスと電話番号
6.お礼の連絡をする
リファレンスの人たちには就職活動の状況を小まめに報告しましょう。リファレンスチェックは採用結果を左右するプロセスです。結果的に採用されたか否かに関わらず、責任のある役割を担ってくれたことに対して感謝を現すことを忘れてはいけません。
リファレンスの人たちとの「stay in touch」も重要です。転職市場の活発なカナダでは、いつまた就活を再開することになるかわからないからです。最近は「LinkedIn」といった手軽に人脈を維持できる手段がありますので、ぜひ活用してください。