第5回 TOEICのリスニングの声の主はだれ?|かおる先生のプチTOEICセミナー
TOEICのリスニングでは、より実際的な(Authentic)英語音声に近づける試みが行われています。一昔前はアメリカ英語の音声のみでしたが、2006年以降は4カ国の音声が採用されています。英語非母語話者が圧倒的に多い現代の状況を反映して、今後「日本英語」などの非英語圏の発音も採用されるかもしれません。
Q TOEICのリスニングでは、いろんなアクセントが聞こえてきます。どの国の音声が使われていますか?
ATOEICではアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア(ニュージーランドを含む)の4カ国の音声が採用されています。
4カ国発音に対応するには?
一言で言うなら「慣れ親しむ」です。国別のアクセントは日本語の方言と同じようなもので、語句・文法を知っていれば、聞いているうちに耳が慣れ、聞こえるようになります。聞くだけでなく、音声を書き起こしてみたり(Dictation)、音声に続いて一緒に音読したり(Shadowing)すればさらに効果的です。抑揚やイントネーションを含めて音声を「モノマネ」できればバッチリです。発声できる音が増えると、聞き取れる音も増えていきますよ。
個々の単語の発音よりも、まとまった語での発音を知ることが大切
リスニング学習では、個々の単語の音だけに目を向けるのではなく、単語が連なったときの抑揚やイントネーションにも注意することが大切です。自然な会話では、単語が連なると「連結」(例 an apple→アナッポー)や「脱落」(例 give him→ギヴィム)といった現象が生じます。2016年からは、「省略形」(例 going to→gonna )を含む会話もTOEICに採用されるようになりました。練習の時には、こうした現象を意識しながら音声を聞き、実際に発音をしてみると良いでしょう。
国特有の発音パターンがわかれば、より聞き取りやすくなる!
それでもなかなか慣れない!という場合は、先回りして、各国特有のパターンを学んでしまうというのも一つの手です。一例を挙げると以下のようなものがあります。
●today : (米) トゥディ vs (豪) トゥダィ
●mail : (米) メィル vs (豪) マィル
●note : (米) ノウト vs (英) ナウト
●show : (米) ショウ vs (英) シャウ
●tomato : (米) トメィトゥ vs (英) トマートゥ
●schedule : (米) スケジュール vs (英) シェジュール
英語が実際にどう発音さているかがわかると、英語学習が全般的に楽しくなるはずです。
かおる(EBLS代表・99 Institute Toronto校 TOEICコース講師)
トロント大学院で英語教授法を学び、語学学校(ESL)で英語講師の経験を経た後、英語学校EBLSを設立。日本人のための英語指導に力を注ぐ。