1ミリオン以下のマーケットは活発で競合オファーによる価格上昇も見られる|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。
売り手の多くはまずは状況待ち
2020年4月のTREB全域の取引総数は2975件となり、2019年同月の9005件からマイナス67.0%の大幅減少となりました。COVID-19の影響が如実に現れていますね。新規リスティング数はマイナス64.1%、有効リスティング数はマイナス41.4%と軒並み減少です。売り手の多くは無理をせず状況待ちであるのが見て取れます。
<全物件タイプの平均価格>
全物件タイプの平均価格は82万1392ドルで昨年同月比プラス0.1%とフラットに。平均売却日数は24日間とマイナス7.7%で動いています。物件タイプ別の平均価格を見ますと、
マーケットの下方圧力は半年〜1年程度は継続か!?
市内のデタッチとコンドアパートの落ち込みが目立ちますが、コンドアパートは短期回しの投資物件の落ち込み、デタッチは特に高価格帯物件のスローダウンの影響と思われます。
逆に1ミリオン以下の低価格帯でのマーケットは、物件数は限られていますが、活発で競合オファーによる価格上昇なども見られます。
COVID-19による経済活動の規制がいつまでどの程度続くか現時点では明確ではなく、今後のマーケット予測が極めて難しい状態です。現状況下でもエリアや物件タイプ、そして価格帯により反応が大きく違っていますが、COVID-19に起因するマーケットへの下方圧力は今後半年から1年程度は継続する可能性も指摘されています。失業や収入源がなくなる消費者も多い中、不動産購入への余裕が無くなるのは当然と言えましょう。今後のマーケット動向が気になるところです。
D.H. Toko Liu(劉 東滉)
オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。