マーケットの動きが急激に鈍くなったとはいえ、価格が落ちたわけではない|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
78万8133ドル→90万2680ドル
新規リスティング数はプラス3.0%、有効リスティング数はマイナス31.5%となっています。全物件タイプの平均価格は90万2680ドルとなり、昨年3月の78万8133ドルからプラス14.5%の伸びを記録しています。
平均売却日数は17日間でマイナス43.3%と比較的速く動いています。
物件タイプ別に平均価格を見ますと、
コンドアパートがプラス17.7%(市内プラス18.1、市外プラス15.4%)、
デタッチ(戸建て)がプラス12.5%(市内プラス15.4%、市外プラス10.6%)、
セミデタッチ(準戸建て)がプラス12.3%(市内プラス13.2%、市外プラス13.3%)、
タウンハウスがプラス11.6%(市内プラス12.7%、市外プラス11.9%)
の順に並んでいます。
こうした数字からはCOVID-19のマーケットへの大きな影響を読み取るのは難しいですが、オンタリオ州が緊急事態宣言を出したのは3月中旬であり、それ以降の推移を細かく検証せずに現実は見えません。
トロントマーケット史上最大の減少幅
2020年と2019年の3月各週を比べてみますと、前半2週は前年比50%程度と取引数は大きく伸びていましたが、3週目にはプラス18%、4週目にはマイナス37%と一気に急ブレーキがかかったのが見てとれます。
3/30-4/5の週で比較するとなんとマイナス76%もの減少となります。これはトロントマーケット史上最大の減少幅と言っても過言ではありません。
ただしマーケットの動きが急激に鈍くなったとはいえ、価格が落ちたわけではありません。現時点では状況がいつ終息するかの予測さえ難しいところですが、この状態が長引くほどマーケットへの下方圧力が強まるのは間違いありません。4月のマーケット動向に注目が集まります。
D.H. Toko Liu(劉 東滉)
オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。