国際機関で働く 第1回
~あなたも国際機関を目指してみませんか?~
本文=外務省国際機関人事センター 伊藤賢穂
第1回目「国際機関で働くためには」
外務省国際機関人事センターは、多くの日本人に国際機関で活躍していただくことを目標に、国際機関で働きたいと思っている日本人の方のお手伝いをする部署です。既に国際機関を目指しておられる方に対して具体的に支援をするというのも重要な職務の一つですが、まだ国際機関で働くことを意識されていない方に、国際機関で働くという選択肢もあるということを知っていただき、実際にめざしていただくために、高校生、大学生、社会人の方々向けの広報業務も行っております。
その広報業務の一環として、この2月末から3月始めに、バンクーバーとトロントで「国際機関で働くためには」というテーマでお話をさせていただきました。それがご縁でこの「TORJA」に連載をさせていただく機会を得ました。これから数回にわたり、国際機関ではどのような人材が求められているのか、国際機関に応募し、採用されるためにはどのような準備が必要か、どのようにして国際機関に関する情報を収集すればよいのか、など、国際機関を目指す上で必要と思われることを紹介して参りたいと思います。
これからお話をする上で、皆様にご理解いただきたいことがあります。それは、国際機関の職員になるための準備には時間がかかるということです。その理由は、国際機関で働くためには、仕事ができるレベルの語学力、目指している分野に関連する学歴、目指している分野に関連する職歴が必要だからです。後ほど説明しますが、学歴については基本的には修士号以上の学位が求められますし、職歴については少なくとも3年は必要です。例えば、国際機関で環境に関する仕事をしたいという人が、環境に関連する学位を持っていなかったり、それまで環境に関連する仕事したことがなければ、まず採用されません。また、新卒者も職歴がありませんから、大学を出てすぐに国際機関に採用される人はほとんどいません。大学院に進んだり、仕事をしたりして、専門的な知識や経験を深め、準備をする必要があるので、時間がかかるというわけです。高校生や大学生の方であれば、30歳前後で国際機関に入るということを目指し、そのために必要な経験をどうやって積んでいくかということを考えるとよいと思います。大学院に在学中の方や既に働いている方は、それまでの経験を生かすことができれば望ましいですが、新たな分野に挑戦したいということであれば、その分野の学歴・職歴を積む必要があります。35歳以下の方であれば、外務省が実施しておりますJPO派遣制度を活用して、国際機関に入るという方法もあります。JPOにつきましても、後ほど触れます。
代表的な国際機関と言えば国際連合ですし、UNICEF、UNESCO、UNDP、UNHCRといった国際機関は有名ですが、世界には多くの国際機関があります。皆様には、次回までに、どのような国際機関があるのか、それぞれの国際機関ではどのようなことを任務としているのか、ということ調べること、いわば国際機関の研究をお願いしたいと思います。外務省国際機関人事センターのウェブサイトには国際機関のリストと概要を掲載しております(www.mofa-irc.go.jp:ホームページ→リンク→国際機関)。参考にしていただければと思いますし、そこからそれぞれの国際機関のウェブサイトに入ることができますので、リストや概要を読んだ後に、関心のある国際機関やそれまで知らなかった国際機関が実際にどのような仕事をしているのかについて、理解しておいていただきたいと思います。どの国際機関を目指すのかということは皆様が決めることですし、それよりもまず、どういう分野で働きたいのかということは皆様自身が考えることです。そのための基礎にあることだと思いますので、調べてみてください。ちなみに、カナダに本部がある国際機関もありますので、次回までにどの国際機関かを調べてみてください。





