日本とカナダのビジネスの可能性第15回
カナダのビジネス環境で起業し発展が期待される魅力的な企業を紹介
Automotive Parts Manufacturer’s Association



カナダ自動車部品工業会APMAは、カナダ製造業協会の自動車部品製造部門からスタートした。1902年カナダに於ける重要な経済貢献が出来る組織として政府との討議が始まった。当時はカナダに於ける米国製企画の自動車組み立て生産の事業が主であった。また主要自動車部品も米国からの輸入品で占められていたが、次第にカナダ製自動車部品の生産も増加して行った。1950年英国で締結されたGATT(関税及び貿易に関する一般協定)への順守交渉を経て、Automotive & Aircraft Parts Manufacturer’s Association (Canada) AAPMAが組織された。
1950年10月1日から約90社により事業運営が開始された。1965年代は米加自動車協定Auto Pact / Canada-US Automotive Products Agreementの締結によりカナダに雇用と経済発展をもたらした。1980年代には、カナダ総輸入車93万台の6%を日本からの自動車輸入が占め、日本車のカナダでの新車比率は15%に達した。1984年には米加による日本車輸入数量規制が施行された。
社団法人日本自動車工業会とカナダ政府の合意により、トロントにPacific Automotive Corporation Inc.(PAC)が設立され、自動車及び自動車部品に関してAPMAとの協議の同意が確立した。その経緯から、オンタリオ州インガソル町にスズキ自動車とGMの合弁事業 CAMI、ケンブリッジ市にトヨタ工場、アリストン町にホンダ工場などが建設された。日系企業の進出の結果、日本から一次、二次、三次工程の自動車部品企業がオンタリオ州に進出した。1993年代オンタリオの経済エンジンと言われる自動車産業界は77,000人の雇用を生み出し、160億ドルの経済効果をもたらした。1992年には米加メキシコを加えた北米自由貿易協定NAFTAが締結されカナダの貿易が盛んになった。近年は横浜で開催の公益財団自動車技術会Society of Automotive Engineers of Japan Inc. 「テクノロジー自動車技術展」にミッション参加している。
現在APMAはミシサガに事務所を設置し、専従職員5名にて運営され、会員は日系企業5社を含む約180社で構成されている。
2014年11月迄5年間APMA専務理事を務め、現在GS Global Solution Incの社長を務めるスティブ・ロジャース氏に依ると、『APMAの目標は、技術革新による競争力の強化により世界的に同業組織との提携を通じ、世界市場に拡大する。会員の利点は、各種の行事を通じて他のサプライヤーと技術、環境、人事の問題の共有解決、国際取引への進展や問題解決を推進し、政府や世界のOEMへアクセスできる。国際交流は、北米、欧州、アジアに及ぶ』などの点をあげる。
オンタリオ州ロンドン出身のロジャース氏は、12才の頃から部品から車の組み立てを試みる自動車オタクであった。大学の学費も自らが稼いだ自動車の修理費で補うことが出来た。自動車ビジネスへのきっかけは、ロジャース家の隣にあったカーディラーのオーナーから多くの修理や販売の知識を学んだことにある。自身が深く携わった自動車産業において、特筆すべき多くの人生の助言指導者たちの中には、World of CEOに2度も選出されたマグナ・インターナショナル社社長CEOのDon Walker氏や、トヨタ日本本社の取締役に抜擢された元マグナの取締役上級副社長Mark Hogan氏、AGS Automotive Systems社の Joe Loparco社長CEO等がいる。日本とのかかわりは、1985年からの5年間、マグナ・インターナショナル社のアジア担当副社長時代に数十回の訪日経験を通して日本の虜となってしまったことから始まる。訪問をとおして、友好的で親切な日本人との交渉や親交は強く印象に残った。また日本は地理的にも資源においても限られ国土の環境から、洗練された技術革新の追求や、常に改良を重ねる生産効率の向上、そして時間厳守のスムーズなオーガナイズが秀でている素晴らしい世界一流の工業立国である。食べ物においてもメニューの豊富さと味の良さは格別である。日本の相撲などにも興味を持ち、日本のビジネスと文化をこよなく愛する。
日加関係の未来については、『カナダ人と日本人はチームワークを重んじ、心の内面での共通性を持っている。カナダはアメリカ一辺倒のビジネス手法から脱皮し、カナダと日本の両国は長期的視野による更なる協力関係の構築をすすめることにより、両国にビジネスの発展をもたらすと確信している。』と述べる。最後に日本の若者達へのメッセージとして、『資源が少なく地理的にも限られた島国でありながら、世界三大経済力を持つ国に成長した日本は非常に希な国であると云う誇りと認識を持つこと。即ち、武士道の精神を持たなくても、日本人は料理、刀鍛冶など町工場の職人気質も常に鍛錬に鍛錬を重ね、磨きを掛けて一流を極める人たちである。どんな立場や職場に於いても、自分が持つ信念を見失わない心構え』が大事であると力強く述べる。
APMAの今後の目標は、カナダ自動車部品サプライヤーの代表として、世界の同様の組織と提携を深め、カナダが世界規模の自動車産業に拡大し続けること。常に未来志向を保ち、高い競争力をつけカナダ自動車部品サプライヤーへの支援を継続することである。
<資料:協会、ウエブサイト、S.Roger氏、文責不問>
市田 嘉彦
京都五条坂出身のビジネスコンサルタント。民芸、ラテン 音楽、合気道愛好家。座右の銘、京都大徳寺大仙院尾関宗園住職『今ここで頑張らずにいつ頑張る』JAPAN TRADE INVEST (Advisor / Consultant) 、元JETRO 投資アドバイザーInvestment Advisor













