【新連載】日本の在留管理制度について Japan’s immigration control system|ACROSEED|知って安心!海外と日本をつなぐ法務サポート【第1回】
1.自己紹介
皆さま、はじめまして。今回から外国籍の方を対象とした日本の在留管理制度について情報を提供させて頂きます。行政書士法人ACROSEED(アクロシード)の代表を務めております佐野と申します。どうぞよろしくお願い致します。
私どもの事務所は東京の永田町(国会議事堂や自民党本部のすぐそばです)にあり、父親から2代に渡り外国人の在留資格手続きを専門で扱い、今年で39年目を迎える行政書士法人です。従業員は16名ですが、その半分は外国籍の方でイタリア、フランス、オーストリア、イギリス、香港など、それに日本の行政書士の方々と共に、各国語が飛び交う不思議な空間でお仕事をさせて頂いております。
お客様としては、外国人エンジニアを積極的に採用するネットサービス企業、江戸時代から続く総合商社、世界中に展開するグローバル企業の顧問などを努めさせて頂いております。しかし、弊社の基盤となるのはやはり個人のお客様です。父親が創業した80年代は在日韓国人や中国人の子供の呼び寄せ、それに永住権の取得がメイン業務でした。そこから派生して横浜の中華街で「コックさんを香港から呼び寄せたい」、新橋の中小企業が「アメリカ人の貿易担当者を雇用したい」といったニーズに広がり、現在に至っております。いまでも売上比率は、法人顧客と個人顧客で約50%ずつとなっており、日本国内はもちろんのこと、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、アフリカなどの個人のお客様よりご依頼を頂いております。
2.よくある個人のお客様からのお問合せ
最近、個人のお客様から頂くご相談で多いのは、長年海外に居住されていた日本国籍の方や外国籍に変更された方が、生活の拠点を日本に戻すケースです。日本に戻る理由は人それぞれです。国際結婚された高齢のご夫婦では「やはり日本の医療制度が一番安心できる」、「年老いた日本に住む親と最後は一緒に暮らしたい」といったケースもありますし、比較的若いご夫婦では「この国では仕事を見つけるのが大変だけど、日本の外資系企業ならすぐに就職できた」、「生まれてくる子供を日本の環境で育てたい」というようにお客様の状況によって様々です。
しかし、そこで課題となるのが外国籍配偶者やお子さんの在留資格です。ご家族全員が日本国籍であれば、もちろん何の心配もありません。日本人が日本に住むは当たり前のことだからです。とはいえ、多くの方は配偶者が外国籍である場合が多く、お子さんに関しては外国籍か二重国籍であることほとんどです。この場合には日本の「入管法」で定める在留資格を取得しなければ長期的な日本での滞在はできません(二重国籍の方で日本籍がある場合には日本人として入国すれば当面の間は問題ありませんが、20歳になるまでに国籍選択をしなければならず、今後の人生設計等も含めて対処しなければなりません)。
また、婚姻等により外国籍を取得された元日本国籍の方からは、「私、もともと日本人だから日本の在留資格が拒否されるなんてことないですよね?」と聞かれることがありますが、残念ながら法的な要件を満たしていなければ不許可になるのが現状です。というのは、日本の在留資格制度は「法務省」とその外局である「出入国在留管理庁」が管轄していますが、日本の法律を請け負う役所です。善く言えば「誰でも公平な扱い」、悪く言えば「融通が利かない」…つまり、元日本国籍者であっても初めて日本に入国する外国人と全く同じ扱いとなり、予想外の課題への対処を余儀なくされることも少なくありません。
3.最後に
以上のように外国籍や元日本国籍の方が日本で生活する際には、思ってもみない課題が発生することがあります。行政書士法人ACROSEEDでは個人のお客様だけで年間500件以上のご依頼を頂いており、その経験とノウハウを活かして次号からは日本の在留管理制度を中心に、カナダで生活する日本の方やそのご家族に役立つ情報をお届けしたいと思います。
代表社員 行政書士 佐野 誠
行政書士法人ACROSEED(アクロシード)行政書士法人 ACROSEEDは1986年より約40年に渡り、「社会の調和と活力のあるグローバル化」に貢献するため、“外国人に特化した日本の法務サービス”を提供しています。外国籍配偶者やお子さんの日本滞在、永住権や日本国籍の取得、外国人の相続手続きなどを専門に扱っています。Website: https://www.acroseed.co.jp/Email: info@acroseed.co.jp
Phone: 03-6905-6370(代表)