吉田 大八監督 インタビュー
なんと、この度のTJFFに合わせて「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督の来加が決定!上映日の6月28日には吉田監督による舞台挨拶とO&Aが行われる予定だ。吉田監督はCMディレクターを経て2007年に初の長編映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を制作、カンヌ国際映画祭の批評家週間で評価され注目を集める。「クヒオ大佐」「パーマネント野ばら」につづき、「桐島、部活やめるってよ」が4作目となり、今作で第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞している。
今回TORJAでは来加前の吉田監督に事前インタビューを行い、映画の見どころや初来加への思いを伺った。
吉田監督の作品は、昨年の「パーマネント野ばら」に続いて、二度目のトロント日本映画祭での上映となります。ご自分の作品が今映画祭で上映されるお気持ちはいかがですか?
自分が監督した映画と一緒に初めてトロントを訪れることができて、とても嬉しく、光栄です。
2004年にTJSFF トロント日本短編映画祭への作品出品など、以前よりトロントに所縁のある吉田監督ですが、トロントにどのような印象をお持ちですか?
住み易く、洗練された街。David Cronenberg(ホラーで有名な映画監督・脚本家)のふるさと。
今作品を製作するに至った経緯を教えてください。
高齢化が進んで若い世代に困難な日本の状況の中で、それでも一生懸命に日常を生きる若者たちを繊細に描いた原作に共感した。
今作品は小説原作ですが、原作に忠実に描きたいという部分、反対に原作とは違った演出方法で描きたいというシーンは特別あったのでしょうか?
たくさんあるが、大きかったことは、複数の登場人物のモノローグで構成されている原作であったにもかかわらず、映画ではモノローグを一切使わないと決めたこと。
競争率100倍を超えるオーディションを経てキャスト決定に至ったそうですが、キャスティングの決め手となったのは、各役者の方々のどのような部分だったのでしょうか?
まず軸となる前田役に、子役時代から経験豊富な神木隆之介君をキャスティングした上で、彼を軸に各キャラクターの組み合わせが魅力的になるように一人一人できるだけ丁寧に決めて行った。
撮影現場の雰囲気はどのようなものでしたか?
また、どのような現場の雰囲気をつくるよう心がけていらっしゃったのですか?
若い俳優たちが、大人たちに押し付けられた「若者像」ではなく、できるだけ普段の自分たちの佇まいを自然に出せるような、緊張感がありつつもオープンな雰囲気を目指した。
今作品では、最優秀作品賞を含む日本アカデミー賞3部門を受賞しましたが、受賞を知った際のお気持ちはどのようなものでしたか?
スタッフ、キャスト、関わった人すべての努力が正当に評価されて安心した。
今作品の見どころ、また注目してもらいたい部分などを教えてください。
俳優たちの表情や視線のやりとりをじっくり観てください。