Eye Capture #002

今回紹介するストリートアートは思わず目を奪われたグラフィティ、赤い魚とそれを持つ少年の絵です。高さ3メートルはある建物の横幅いっぱいに描かれた魚は恐怖も迫力も満点でした。同時に作者はこの魚を描きたくて仕方なかったともいえます。少年は顔をしかめているしこの不気味な魚の正体は何なんだろう。私なりに分析してみます。

まず2つの主体の上には図形がたくさん使われています。台形、三角、うず巻き・・それぞれは意味を持つかのように際立っています。魚は色と形からベニザケ(Sockeye Salmon)と仮定。ベニザケはカナダ北西部に広がるブリテッシュコロンビア州で捕れることで知られています。その風景を裏付けるヒントが背景部分にありました。淡いブルーは空と海。晴れの日にできるすじ雲。山の形をした少年のギザギザ柄のシャツ。空と山に囲まれた自然あふれる風景が思い浮かびます。しかしこの魚のギラギラした目やうず巻き柄からは”普通のベニザケ”とは違いそうです。
次に少年。この少年がファースト・ネーションズ(先住民族インディアン)だという仮定を立てました。昔、カナダにやってきたファースト・ネーションズはカナダ北西部の恵まれた環境と豊富な資源が気に入り定住したとされています。北太平洋沿岸で捕れる魚も多くベニザケも貴重な資源だったでしょう。少年の目の周りや手のゆびに刻まれた図形も彼らのボディーアートの様に見えます。そうだとしたらなぜ少年は悲しそうなのでしょう。
出した結論はこうです。「ファースト・ネーションズの少年が古くから命の源としてきたベニザケに異変が現れてることを伝えたかったのではないか」
ベニザケの生態を変えてしまうほどの何かが北太平洋沿岸で起こっているのかもしれません。
Shihori 東京生まれ。 横浜美術短期大学グラフィックデザイン学部卒業後、グループ展やコラボレーション等で活動する。海外で長期滞在したいという理由からワーキングホリデービザで渡加。自然が多く色んな文化が共存し自由でゆるい雰囲気が気に入りカナダ3年目を迎える。ユーモアのあるアートを日々探索中。フリーのイラストレーターとして活動をする一方、TORJAでは経済コラムの挿絵を中心に描いている。
WEB SITE : shihoriokiai.com













