帰国キャリアドットコム キャリアコンサルタント篠山美季さん(前編)|Hiroの部屋
今月から3回に渡って登場いただくのは、ワーキングホリデーや留学生の帰国就職支援を手がける帰国キャリアドットコムの創業メンバーでキャリアコンサルタントを担う篠山さん。トロントでワーホリを経験し日本で就職、転職を経験した後に起業してトロントに戻ってきた篠山さんと、女性の共同経営者を持つヒロさんに女性の働き方やカナダ社会の寛容さを語り合ってもらった。
ヒロ: 美季さんのワーホリ時代には接点がなかったと思いますが、そもそも当時トロントに来られた理由は何ですか?
美季: ワーホリでトロントにいた2013年は、ヒロさんのことは有名な美容師として知っていましたが、お話する機会がなかったですね。
私がトロントに来た理由は、大学三年生のときで就職活動をする前に、海外の女性たちがどんな働き方・ライフスタイル・ワークバランスをとっているのかを見たかったのです。当時、日本で働いている人がそんなに幸せそうじゃないと感じていて、海外でいろんな働き方をしている人を見たいと思い、思い切ってこちらに来ました。
ヒロ: それで実際、こちらに来てみてどうでしたか?
美季: 衝撃的だったのは公園でパパ友グループに遭遇した際、会話がうちの奥さんが今こういうプロジェクトをやっていてとか、話の中心が奥さんの自慢話だったんです。旦那さんたちが育児をしながら公園で奥さんの自慢話をする姿をみて、「日本ではこういう光景なかったなぁ」「こんな風な生き方もありなんだなぁ」と衝撃を受けたことは未だに忘れられません。
そんな積み重ねを経て、自分の進む道は働く人たちが自分の選択枠を広げる生き方ができる手伝いをしたいと思い始めることができました。
ヒロ: その気づきが、まさに「Welcome to Canada!」ですね。
美季: ヒロさんとって2013年はどんな年でしたか?
ヒロ: 僕だと独立直後に巻き込まれたサロンの不動産詐欺被害が未解決で、まだ大変だった頃ですね(苦笑)。この経験を、これから起業する人や他のスモールビジネスの人たちにもお役立ちできればと思い、TORJAで連載コラムとして赤裸々に語ったのが懐かしいです。
ヒロ: そして、日本に帰国して就職をされたのですね?
美季: はい。日本に帰国後、大学を卒業してキッズルーム付きのコワーキングスペースの運営会社に就職しました。この会社はたまたま参加した起業家と投資家のイベントに登壇していた社長に声をかけて、働きたいですと志願して採用してもらいました。日本でも少しずつ働き方の意識改革などが進められており、当時のケネディ駐日米国大使が視察に訪れるなど、パパママの連れ子起業や子供と一緒に働くというスタイルが新たな選択肢として広まっていくサポートを間近で経験することができました。
その後、より働く人たちの環境をサポートする側になりたいとITベンチャーの人事として転職しました。これらの経験がより多くの人の就職・キャリアの一歩をお手伝いしていく現在の仕事に結びついています。
美季: ヒロさんは一緒に起業した仲間が3人の女性なんですよね?
ヒロ: はい。僕が起業したのは2011年で、当時働いていたサロンの同僚たちと共同経営者になりました。全員がカナダ人女性なので、僕だけ男だしさらに唯一、僕だけが外国人。女性の社会進出が進むのと同じように、ここカナダでは女性が起業することも普通だと思います。そして僕のような移民でも起業できる。性別や国籍の違いはあれど、社会的な機会が平等に与えられることが、カナダの素晴らしいところだと改めて認識できますね。
今日に至るまでのストーリーを聞いていて、今の美季さんを7年前のご自身に見せてあげることができたら、その頃に憧れた女性像や働き方を実行している感じで、きっとご自身のことを誇らしく思えるでしょうね。
美季: ありがとうございます。ヒロさんは事業の共同経営者だったり、一緒に働く人の性別などはこれまで意識されてきたことはあるのですか?
ヒロ: 美容業界は、女性も大活躍する世界ですよね。僕が最初に働いたサロンもオーナー以外は女性の先輩だけでしたし、カナダに来てからもやはり先輩は女性ばかりでした。育った環境でも兄弟は姉だけで、父親と同等に母親も家計の柱だったので、女性も社会の主役であるという、欧米的な考え方が自然に身についていたと思います。
(聞き手・文章構成TORJA編集部)
篠山美季さん Miki Sasayama
新卒で入社した会社ではコワーキングスペースの運営責任者として、スタートアップのビジネスマッチングや次世代の働き方のセミナーなどのイベントを数多く実施。その後、ITベンチャーの人事として入社し、採用と組織改革を行い、現在はその経験を活かし帰国者の就活の支援を行っている。
帰国キャリアドットコム
kikokucareer.com
Facebook・Instagram: @kikokucareer
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。salon bespoke
130 Cumberland St 2F647-346-8468 / salonbespoke.ca
Instagram: HAYASHI.HIRO
PV: "Hiro salon bespoke"と動画検索