「どう育児や仕事と向き合い両立していくのかを考えるようにしたい」帰国キャリアドットコム キャリアコンサルタント篠山美季さん(中編)|Hiroの部屋


ヒロさん(左)と篠山さん(右)
今年最後となる対談は、ワーキングホリデーや留学生の帰国就職支援を手がけている帰国キャリアドットコムの創業メンバーでキャリアプロデューサーを務める美季さん。前編では共同経営者が全員カナダ人女性というヒロさんと、カナダでワーホリ経験時に美季さんが体験し影響を受けた欧米らしいワークライフバランスの話を中心に話が進んだ。中編となる今回は、ワーホリや留学生に数多くの接点を持つ二人に就職や働き方について感じていることを語り合ってもらった。
美季: 私の場合はとくに女性だからマイナスに捉えられていると感じたことはなかったですね。新卒で入社した一社目では早い時期にコワーキングスペースのマネージャーを担当させてもらい、さらにマスコミからたくさんの取材を受けることもありました。でも今思うとそれが男性だったら同じようだったかは疑問です。新卒で若い女性が頑張っているというフィルターにかけられていたのかもしれません。
ヒロ: 最近ではだいぶ日本の働き方改革も進んでいるみたいですね。まだまだ中小・零細企業は難しいのかもしれませんが、男性が育休を取れたり、時短制度などを含めて育児に参加する機会が増えてきているように感じます。
先日も製菓大手「カルビー」が、オフィス勤務者の出社率約30%を目安に在宅勤務の原則や、業務に支障がないと会社が認めた場合には、単身赴任をやめて家族と同居可能にするなどポストコロナ時代に新たな働き方を導入したというニュースも見ました。
美季: 本当にそうですね。女性にはガラスの天井があると言われますが、実際の肌感覚ではちょっと違うと思いました。昇進に関しても女性が育休から復帰したからという理由だけでは逆差別もうまれます。男女関係なく、途中時間がずれても同じように働き同じように頑張りをみせた人どうしが同等の評価を受けることができる環境が大切ですよね。
あと、女性の社会復帰を考えたときに、バリバリ自分ひとりで稼ぐというのもいいと思いますが、
ヒロ: 日本で採用を担当されていて、若い人たちはその辺りをどのくらい深く考えているのですか?
美季: 正直、面接にくる若い人たちのほとんどが面接のための面接、就職のための就職活動をしていることを目の当たりにし、質問をすればするほど自分の人生をきちんと決めていないことが多いことに気づき、もったいないなと常々思っていました。
女性の立場で働き方を考えたときに、「子どもが生まれた時にこれからどうしよう?」では、もう遅いんですよね。もしその時が来て自由な選択をしたいのであれば、新卒時もしくはその前から考えておかなければいけません。日本の就職活動にはそのあたりが欠如しているように感じます。
ヒロ: 話を聞いているとキャリアプロデューサーにはなるべくしてなったという感じですね。
美季: はい!人事という仕事を通してずっとモヤモヤしていたわけですが、
日本にいると日本の当たり前やルール、友達や親の意見にも左右されてしまいます。海外にいると嫌でも自分で考えて向き合わないといけないんですよね。なので夫の起業に携わったのはビジネスモデルではなく、ユーザーとなるワーホリさんや留学生の人たちに「こうなってほしい」という思いからでした。
ヒロ: ゼロからイチを作り出したお二人らしいビジネスですよね。しかも若い人たちの可能性を広げるという意味でも社会やコミュニティーに貢献していて素晴らしいと思います。
(聞き手・文章構成TORJA編集部)
篠山美季さん Miki Sasayama
新卒で入社した会社ではコワーキングスペースの運営責任者として、スタートアップのビジネスマッチングや次世代の働き方のセミナーなどのイベントを数多く実施。その後、ITベンチャーの人事として入社し、採用と組織改革を行い、現在はその経験を活かし帰国者の就活の支援を行っている。
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