ダンサー・バレエ講師・Gyrotonic®認定トレーナー 亀田晴美さん（後編）｜Hiroの部屋

ヒロ： 晴美さんにとってカナダやトロントはどんな場所？

晴美： カナダの人は本当に親切だと思います。人間味を感じるというか。ドアを開けていてくれたり、気さくに声をかけてくれたり、ちょっとした優しさを東京よりも実感しますね。東京だと肩がぶつかった時に舌打ちされることとかあるけど、カナダではSorryって謝ってくれる（笑）。

ヒロ： 僕にとって、トロントは地元の感覚ですね。この街は未来が明るく見えるし、実際カナダは幸福度ランキングでも常に上位。若いうちにこの街に根を張って、色々な活動ができるのは素敵だと思う。

自分の熱量の大切さ

晴美： なるほど。カナダで日本人がステップアップするために大事なことってなんだと思いますか？

ヒロ： 時間の使い方かなあ。自分の設けたゴール達成のために「定期検診」するのも大切だと思う。定期的に一歩引いて自分の立ち位置を確認すると、今やるべきことが見えてくるはず。あとはゴールに対する欲望かな。自分がどれだけその目標を達成したいかっていう熱量もやっぱり大事。

晴美： 確かに自分の熱量って大切ですよね。バレエをずっとやり続ける時にも、それに対する情熱は絶対に必要。

　ひとつのことを継続していく中で培われる精神力は、その分野だけじゃなくて将来何をするにも必ず助けになるものだと思います。あとはつまずいた時にその障壁の原因を明らかにして解消することも大切ですよね。

晴美： ヒロさんは今までハサミを置きたくなったことはありますか？

ヒロ： 一度もないなあ。小さい頃、オモチャを買ってもらえず、物心ついたときにはいつもハサミを使って段ボール、紙、布を切って図画工作で遊んでいたから、ハサミにはずっと愛着があるのかも（笑）。
　晴美さんにとってバレエとはどんな存在？

晴美： そうですね…厳しくて辛いものですね。だけどその先にある舞台に立った時にしか見られない素敵な世界があります。それを見るために厳しい練習も頑張ることができるのだと思います。

２０２０年の展望

ヒロ： なるほど。２０２０年の展望はありますか？

晴美： まだ確定ではないですけど、２０２０年は活動の拠点が東京からトロントになる可能性はあります。数年前には想像できなかったような将来の選択肢が見えてきたというか。バレエもジャイロトニックも活動の範囲が開けていくような気がしています。これまで日本でやってきたことが繋がって形になり始めていますね。

ヒロ： 実は出会った頃から、勝手にこの連載の対談相手に晴美さんを考えてました。ポテンシャルをすごく感じていたから、花が咲き始める頃に晴美さんを紹介したいなと。最近、晴美さんの色んな引き出しが、より生かされてきたと感じる。ダンサーとしての自分から、次世代を育てる役に転換したところにも、僕の活動と似たところを感じて今まで以上に応援したい気持ちですね。

周りの人たちに導かれてここまで来ることができた

晴美： でも自分ではゴールに向かって走ってきたというよりも、むしろ周りの人たちに導かれてここまで来ることができたという感じです。

ヒロ： もちろん周囲の人の影響も大きいけれど、ひとつひとつを足がかりに進んできたのは晴美さん自身。バレエ業界でもトロントとの架け橋になっているし、周囲に対しても良い影響を与えていると思う。晴美さんが形にしてきたものは、自分が蒔いた種にしっかり水をやり続け、大切に育ててきた結果で誇りに思えますね。

晴美： ありがとうございます。ヒロさんと話すたびに、異業種ながらも常に刺激を受けています。今回の対談を通して、自分の立ち位置を改めて確認できた感じです。

ヒロ： そのように言っていただけて嬉しい限りです。晴美さんの可能性はまだまだこれから。今後は、協力してくれる仲間がもっと現れると、バレエを通して日本とカナダ間の将来がより良くなるんでしょうね。これからも期待しています！

（聞き手・文章構成TORJA編集部）