カナダ政府の対応は的確で素早くて、多くの人が救われたんじゃないでしょうか | J Athletics Canada 海上 誠さん(前編)|Hiroの部屋
COVID-19によってしばらくの間お休みとなっていた好評連載企画がついに復活。少しずつ経済再開が進み自粛規制なども緩和されて来た7月、久しぶりの対談相手はトロントの古い友人である海上誠さん。ヒロさん同様にワーホリ時代からトロントで過ごし、現在はサッカースクール「J Athletics Canada」を運営している。
ヒロ: このページもCOVID-19によって中断を余儀なくされ、再開後の初対談です。長い付き合いの誠さんとこうやって話をするのはとても新鮮です。だいぶ規制も緩和されてきたけど、この数ヶ月はどうでした?
誠: 運営しているサッカースクールは、緊急事態宣言が出されるすこし前から消毒を用意したり飲み物をシェアしないようになど、可能な限り前もって気をつかいながら運営していました。でもだんだんとTDSB管轄の学校が使えなくなったり、インドア施設が使用不可になると同時に、親御さんからも問い合わせやキャンセルの相談などが増えて、子どもとその家族に関わることなので逐一状況を報告しながら最善の方法を模索しましたが、結果途中でプログラムを全てキャンセルすることになりました。
私生活の方は5歳の子供がいるのですが、学校も休校になり、マーチブレイクのキャンプも無くなって、全て家に引きこもって面倒を見なければならないということに正直苦戦しましたね。うちは妻も私も在宅勤務になり、子どもも小さいということで、つきっきりで学校の課題なども付き添わなければならず、仕事をやりながら子どもも構ってあげなければならないという生活に慣れるのは大変でした。構ってあげれないとそれはそれで罪悪感が出てきてしまうし。なかなか外にも行けずずっと家にいなければならないというのも苦労したなと思います。
ヒロさんもサロンを閉めなければいけなかったと思いますが、どんな状況だったんですか?
ヒロ: 非常事態宣言が出て突然、日常がガラッと変わり、うちのサロンは宣言直後に臨時休業を決めました。美容業界の中では早い方だったけど、その決定の速さは共同経営者のカナダ人女性たちの意思が強く反映された英断だったと思います。当時は今現在あるカナダ政府支援プログラムの発表前で、経営のことを考えれば、僕一人では決断に時間がかかったと思うし、あの段階で英断をさせた頼もしい共同経営仲間の彼女達に、改めて尊敬と感謝です。
誠さんは現代ビジネスの寄稿の中でもカナダの緊急支援金CERBについて触れていたと思うけど、カナダ政府は多方面で給付金などの施策を打ったけど、コロナ禍における政府対応などはどのように思いました?
誠: ビジネスの方は最初条件に満たない部分もあったのですが、その後条件が緩和されたので、対象になる可能性が出てきました。そういうフレキシブルさも良いですよね。月2000ドルの緊急支援金もそうですが、今回のカナダ政府の対応は的確で素早くて、多くの人が救われたんじゃないでしょうか。
知人や友達を見渡しても、もう本当にダメだという人はいないし、聞いていない。子どもがいる家庭への給付金も連邦政府そして州政府の両方からあり、多くの人が安心して生活できたのではないでしょうか。
ヒロ: ほんとその通りですね。政府の対応は100点満点だと思う。僕も生活面ではCERB、ビジネスでは、CEBAや家賃補助のCECRAが活用でき、大変助かっている。日本やアメリカの状況を聞いて、比較すると特にそう思います。日本の状況は誠さんの目にどう映った?
誠: 兄が日本で暮らしているんですけど、話を聞くたびにコロナで不安な中だけど満員電車で通勤しなければならない。そんな状況を聞くたびに新型ウイルスに対する受け止め方が違うなと感じましたね。親も仕事を続けているし心配ですよね。ビジネスをしている友人に聞いても補償なき自粛要請には困惑を隠せない感じでした。
ヒロ: 日本のことは大好きだけど、今回は本当に考えたよね。友人が事業継続のためにクラウドファンディングを行なった時は、とても複雑な気持ちになったかな。それだけ、政府の援助も少なく大変なんだなと…。
誠: でも日本って追い込まれた時から力を出していろいろなことをやるじゃないですか。これをやってみよう、こうしようみたいな粘りというか。カナダは国策としては良かったと思うんですけど、サポートがありすぎることで、何かをまた始めるきっかけや、挑戦するタイミングにブレーキをかからないといいなと感じました。今だからこそ、サポートがあるうちに、例えば誰かの役に立てたり、挑戦したりする人、応援されがいのある人が増えると個人的には嬉しいです。
(聞き手・文章構成TORJA編集部)
海上 誠さん Makoto Unagami
2004年、22歳の時に、ワーキングホリデーでカナダに。2009年、現地アパレル会社勤務を経て、スポーツブランド会社に転職。2013年、カナダ移民権取得。2018年、スポーツブランド会社勤務の傍ら、キッズスポーツ事業J Athletics Canadaを立ち上げる。
ワールドカップサッカー日本代表パブリックビューイング、Hockey:Furies、MLS:Toronto FC、NBA:Raptors など応援イベントなど日系コミュニティーにおけるキッズがスポーツで夢を見る事に携わる。『スポーツは武器になる』をモットーに活動中。
コロナの影響で休止していた活動を、少人数グループのレッスンから再開。売り上げの一部をJCCCに寄付する活動中。新学期からサッカースクールが再開できるように準備中。
J Athletics Canada
j-athletics.com
Instagram: j_athlet1cs
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。
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