痴話喧嘩、それとも?|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
先日、「もうスポンサーを辞めたいので申請をキャンセルしてほしい」という一本のメールを受け取りました。家族移民申請が、あと一歩で完了するというタイミングでした。
今月号はケースの背景、この出来事の経緯と結末、そして家族移民申請(配偶者)を考えていらっしゃる方々に宛てた、様々な注意事項も含めてお話します。
申請内容と背景
このお二人はCommon-lawカップルとして、Aさん(日本人)の移民申請をしたいとご相談がありました。当初二人でBritish Columbia州に住んでいましたが、Bさん(カナダ人)の出身地である、Quebec州に一緒に引っ越し、Bさんの持ち家で同居生活を続けるということになっていました。西から東へのお引越しは大変ですね、と言うとAさんは「そうですね、フランス語を話せないので心配です。でも彼のために頑張って英語と同時に勉強します。」と笑顔で仰っていました。
その後二人はQuebec州に引っ越し、移民申請も無事提出が完了しました。ただQuebec州における移民申請は特殊であり、通常の審査に追加として、CSQ(Quebec Selection Certificate)をQuebec州の移民局(MIFI)に申請し、承認されるというステップがあるため、審査期間も通常の家族移民の倍程度の時間を要するケースである旨、予めお二人に伝えていました。
事前のコンサルテーションにて、Bさんがこの申請のスポンサーとして遂行しなければならない義務(Aさんの移民申請が承認され、晴れてPRとなった日から3年間は経済的援助が必須となる旨)も伝えていました。
Aさんはとても活発な方で、フランス語の語学学校に通いながらパートタイムの仕事を3つも掛け持ちしてQuebecで暮らしているということを聞き、非常に驚きました。ついこの間までフランス語を話せなかった方が、接客業を3つも掛け持ちしているということが信じ難く、凄いと弊社内でも話題になっていた程でした。
突然のキャンセル申し出
移民申請から2年半程度が経過し、その間無事CSQ取得、健康診断パス、犯罪経歴もパス、申請条件の審査もAさん、Bさん共にパスし、後はLanding(移民局の審査官と共にConfirmation of PRに署名をし、晴れてカナダのPRになること)のみという状況でした。
突然、Bさんから3通のメールが来ました。1通目は「僕はもう彼女のスポンサーになりたくない。」という一行のメールでした。2番目は「スポンサーとしての経済援助の義務期間はもう始まっているのか」という内容、そして最後は長文で「僕のパートナーは僕の持ち家に住めて、宝くじに当たったのと同じだ。タダで住めるのだから。PRを取得するために僕を利用しているのだ」等、文句を綴るメールでした。
大変驚きましたが、この仕事を長年していると往々にしてこのようなことが何年かに数回は起こるため、このようなことは決して珍しいものではありません。
そして2通目のメールの質問に対して「AさんがPRになった日から3年間の期間です」ということを伝えると、「そんなまさか!彼女にも経済的な責任を負わせるべきだ。やっぱりこの申請は取り下げたい。」という返信が即時に来ました。
Bさんが感情的になっていることは明らかだったため、「Bさんお一人のリクエストで、この大きな決断を前に進めることはできません。本当に申請を取り下げたいのであれば、お二人で落ち着いて話し合った後、双方より申請を取り下げる意思を示すメールを下さい。」と伝えました。
その直後、「Bさんが申請を取り下げたいと仰っているので、お二人でしっかりとお話し合いをして下さい」とAさんに連絡をしました。
結末
Aさんからは「分かりました。連絡ありがとうございます。」という返信があり、数時間してまずはBさんから「やっぱり取り消しは辞める。スポンサーとしてサインするから最後まで進めて欲しい」と連絡がありました。Aさんからも「最近色々とあって揉めていたのですが、もう大丈夫です。すみませんがこのまま進めて下さい。」と連絡がありました。
お二人は現在も、IRCCからのConfirmation of PR発行待ちです。
注意事項
結局のところ、「なんだ、痴話喧嘩か」と思われた方もいると思います。この出来事を今月号で書くことにしたのは、これまで17年間様々なカップルの移民申請のお手伝いをしてきた中で、スポンサー(カナダ人)が申請者(日本人)をコントロールしたり、威圧したり、日本ではモラハラではないかと言われるような発言をされるのを目の当たりにして、この二人は果たしてPR取得後もカップルとして大丈夫なのだろうかと感じたことが多々あった、ということをお伝えしたかったからです。特にCommon-lawのカップルに多い出来事と感じています。
自分の心と身体を守るためにも、同居時点から相手が真摯な方か見極めることは移民手続きよりも何よりも重要と心に留めて頂ければと思います。






