ケンジントンな人々|ボヘミアンタウン「ケンジントン・マーケット in トロント」特集
多国籍・多文化なヒト・モノ・コトが集うケンジントン・マ-ケット。そこで働く人々にこの場所が放つ魅力について聞いてみた。
大木啓之さん
美容室 「Chura 」オーナー
このお店はバンクーバーにある美容室の2号店なんです。2010年にトロントを訪れた時にちょうど探していた大きさにぴったりだったのがここでした。今年の11月で9年になりますね。小さなところから、目標を持ってどんどん大きくしていくのが私たちの考えです。そして日本スタイルの美容室を作るためスタッフも全て日本人ですね。日本らしいサービス、スキルを提供できていると思います。
路面店なので夏は特にお客さんはウォークインの方が多いですね。また最終日曜日に開催される「Pedestrian Sundays」ではたくさんの人が訪れるので、ここに美容室があることを知ってくれます。
最近はアジア系、メキシカン系のデザートや食べ物のお店が増えているように感じます。すぐそこに「ポケ」のお店があるのでお刺身が食べたい時に時々行きますね。ケンジントンは手軽に飲んだり食べたり遊んだりできるし、こんな風に美容室とかもある。おもしろい街ですよね。「Pedestrian Sundays」は本当にお祭りみたいに盛り上がっているのでおすすめですよ。
Potsothy Sallapaさん
「4 LIFE NATURAL FOODS 」オーナー
ケンジントンで生まれ育ったから、ここに店を作ったんだよね。実家が農家だったからね、それに食べ物が大好きだから。ケンジントンはトロントで1番だよ。他にこんなマーケットはトロントにないからね。世界中の食べ物や音楽の文化を一気に見れるんだ。
それにこの通りを歩くだけでいろんな国の方に会うことができるよ。生まれてこのかた、カレッジストリートとクイーンストリートの間のこのエリアからは出たことがないんだ。
ケンジントンの悪いところ…?ないね(笑)。お気に入りはお店の前かな。僕の出かける場所はそこだけなんだよ。本当にここが大好きだからね。
Patricia Nolanさん
研究者。カナダ・アルバータ生まれ。17歳の時、大学進学と同時にトロントへ。中国文化や中国社会の研究の傍ら、週末に4~5時間、この場所で絵を描いている
トロントに来た当時は、すでに出来上がっていた学生たちの友人の輪になかなか溶け込めなくて、あまりトロントが好きではなかったんだけど、どんどんこの街の魅力にも気づいてきたわ。
ケンジントンの魅力の1つは車を止めるのが安いから(笑)。ディスティラリー地区やトロントアイランドにも行ったけど車のパーキングが大変。それに、ケンジントンは毎日変わっていくから、面白いのよね。でも私は昔ながらのお店が続いて欲しいわ、新しいお店よりも。最近は閉まっていくお店も増えているのが悲しく思う。
描いている作品は今まで1つも売ったことがないの。作品は自分の子供たちみたいでしょう。でも立ち止まってくれる人たちが買いたいって言ってくれるのよ。息子にもSNSを始めたら…?なんて言われるから、一応アカウントは作ったのよ(笑)。だから立ち止まってくれた人が私のことをSNSにアップしてくれていることは知っているわ。
今日はインタビューしてくれてありがとう、ちょうど休憩が必要だったのよ!よくいろんな人が足を止めてくれるけれど、みんな私が集中しているかどうかはお構いなしなのよね(笑)。「邪魔してごめん!それで…」って具合でどんどん話を続けるわ(笑)。でもこの街に集まる人のそういうところも嫌いじゃないよね。
大和 沙央里さん
秋田県出身、トロント生活3年目普段はレストランのキッチンで働く
アクセサリー作りが趣味なんですが、作品を休みの日にケンジントンで売っています。おすすめは日本から持ってきた水引で作ったアクセサリーですね。ここで何か売ったりするには登録が必要です。私はこの場所のオーナーに許可をとって販売しています。ケンジントンの魅力はなんと言ってもみんなが気さくに話しかけてくれるところかな。ここにいるだけで友達ができる。ヒッピーな人も多いですけどね(笑)。
Walter Munozさん
グアマテラ生まれ。アクセサリーストア「One Heart」 を営む
7歳から糸を編んだり、アクセサリーを作っていて、15歳で初めて自分の作品を売り始めた。16歳で旅行に目覚めてからは今までに16カ国を巡ったんだ。各地で色々な材料を集めてきたから、それを使ってアクセサリーを作っているよ。
カナダに引っ越してきてもう10年が経とうとしているけど、この仕事で1番大変なのは、お客さんのことを考えたり、作品のアイデアを考えることかな。作るのは好きだから苦痛ではないけど、他の店とは違うものをと思っているからね。お気に入りはココナッツの皮を切ってくり抜いて作ったものかな。
Anthony Richardさん
トロント在住26年目14年間「 TRIBAL Eye」で働く
うちの1番人気の商品はブラックソープとシアバターだよ。基本的に店の商品はナイジェリア、ジンバブエ、ガーナ、ニューヨーク、マイアミ、キューバから取り寄せているんだ。全て人工的な物質は使っていないよ。ケンジントンは世界中の人と関われる、旅行客だけでなく、多文化共生の街だね。よくお客さんが喜んでくれるからハンドマッサージをやってあげたりもしているよ。 それ以外にも約25人のアーティストの作品を売っているから是非のぞいてもらいたいね。
Jennie Worsleyさん
「CXBO CHOCOLATES」スタッフ
ハーバーフロントあたりに住んでいて、いつも自転車でここまで通勤しているの。私が思うにここはすごくクリエイティブな街かな。すごくファンタジーで、ここにいればいろんな匂いや音がどこからともなく感じられるんだよね。
毎日何か新しいことが起こっているしね。ケンジントンの良い点は雰囲気かな!毎日が慌ただしいけれど、みんな創造的でフレンドリーだから。ここの素晴らしいコミュニティが働くモチベーションになっているよ。私のお気に入りは、Tacoレストランの「Seven Lives」だね。おすすめはチキンのTaco!ぜひ行ってみて!
Roberto Vazquezさん
メキシコ出身、Perola’s Super Marketで店員として2年間働いている
ケンジントンはすごくマルチな感じが魅力的だと思う。出身はメキシコなんだけど、ここでは世界中から集まった人々がお互いに影響しあっているから、それがここで働くモチベーションになっているね。いろんな世界を見ることができる、それに英語力も磨かれるしね。
このお店はラテンアメリカのソース「サルサ」を求めに来るお客さんが多いね。僕のお気に入りは「Bellevue Square Park」かな。すごく落ち着けるし、運動したり友達と会う時に使っているよ。