「鼓童ワン・アース・ツアー2019~Evolution」佐渡を拠点とする太鼓芸能集団『鼓童』のトロント公演決定!
太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる太鼓芸能集団『鼓童』。多様な文化や生き方が響き合う「ひとつの地球」をテーマとした「ワン・アース・ツアー」は世界各地で3900回を数える。
2016年8月に東京・サントリーホールで初演の「螺旋」、日本国内やヨーロッパ各地を巡り、ついに2019年北米へ初上陸となる。演出・坂東玉三郎氏のもとで、進化を続ける太鼓芸能集団『鼓童』の舞台創造を展観できるコンサートがトロントにやってくる。3月23日にはモントリール、25日はオタワでも公演を予定している。
太鼓・踊りを担当する鼓童メンバー・三浦友恵さんが語る公演「Evolution」の魅力
ー今回の公演は北米初上陸、そして演出・坂東玉三郎氏のもとで、進化を続ける太鼓芸能集団『鼓童』の舞台創造を展観できるコンサートと伺いました。コンサートの特徴、見どころ、ストーリーなどを教えてください。
「Evolution」はこれまでの鼓童とこれからの鼓童を表した作品です。玉三郎さんが演出をされる前の曲や演出されてからの曲、そしてこの作品のために作った新曲が並んでいます。
1幕では大太鼓を2人が演奏します。太鼓は演奏する人によって音が変わります。同じ大太鼓なのに違う太鼓のような音が聞こえてくるのです。そして『鼓童』を代表する曲「モノクローム」も登場します。
2幕では明けの明星や『鼓童』のオリジナル太鼓〝奏〟を使った曲「綾織」を演奏します。見どころはフィナーレの曲「螺旋」です。螺旋の中には屋台囃子・三宅・巴といった『鼓童』を代表する曲のリズムが組み込まれています。また和太鼓と洋楽器のコラボも見所のひとつです。息の合った演奏にご注目ください。
ー坂東玉三郎氏の指導や演出内容で印象に残っていることを教えてください。
印象に残っていることは小さな音を大切にするということです。私の中で大きな音を精一杯出す、ということが和太鼓だとずっと思っていました。だから音の変化はほとんどありませんでした。しかし玉三郎さんは小さな音でも、もっと小さく、もっともっと小さくとおっしゃるのです。
初めは戸惑いがありましたが、今となっては小さな音があることで大きな音が際立ち、またその逆で大きな音があるから小さな音が際立つことが分かりました。小さな音から大きな音までの間にもたくさんの音があり、同じ音を続けないということを教えていただきました。しかし音の強弱はとても難しいのです。
ー外国での公演もたくさん行われていますが、世界各都市での反応や感想はどのようなものがありますか?
それぞれの国でそれぞれの反応が返ってきます。共通していることは、皆さん笑顔で大きな拍手をしてくださること。時にはスタンディングオベーションも。毎公演アンコールの時に照明が明るくなり、お客さまの表情を見ると私も幸せな気持ちになります。
ー今まで一番印象に残っている公演や出来事、都市などを教えてください。
一番印象に残っていることは自分自身の初ツアーで「神秘」という作品でした。『鼓童』のメンバー育成の研修所を出た1週間後にはアメリカにいました。環境が違いすぎて戸惑い、たくさんの方のサポートのお陰で無事に乗り越えました。緊張しすぎて初舞台のことは覚えていません。
今でもそのツアーのメンバーの方々・スタッフの方々・佐渡から送り出してくださった鼓童村の方々の優しさを思い出すことがあります。
ー三浦さんが太鼓を始めるきっかけや鼓童に参加する経緯、これまでの歩みなどを教えてください。
太鼓を始めたのは5歳の時でした。母が隣町の太鼓チームの稽古見学に連れて行ってくれました。その時に母が「どうする?」と聞いて、私が「やってみる」と言ったようです。私が初めてすぐに姉もやりたいと言って始めたのですが、姉の方が何でもできてしまうので、負けず嫌いで泣きながら稽古ばかりしていました。
小学生の頃からプロの太鼓打ちになると決めていいたのですが、18歳の時に『鼓童』にチャレンジしようとした時に両親から反対され、測量士として働きました。23歳の時に鼓童研修所に入り、2年間の研修所生活を送り現在に至ります。
ー公演を通して、どのようなことが伝われば良いと思いますか?
鼓童は進化し続けているということが伝われば良いです。
ーカナダの印象をお聞かせください。
とても景色が綺麗ということと、とても寒い印象です。寒すぎて耳が痛かったのを覚えています。
ーカナダでやってみたいことや行きたいところはありますか?
スケートやスキーなどのウィンタースポーツをやってみたいです。まだやったことがないんです。
ー日本の伝統的な音楽芸能を通じて、世界の人たちに日本の伝統や文化がどのように伝わっていけば良いと思いますか?
一糸乱れぬ演奏や様式美、自由なようで実は全て計算されている動きなど、言い出したらきりが無いですが日本の美しさではないでしょうか。これを伝えることはとても難しいですが、きっと世界中の人の心に打つものがあると信じています。
ー今回の北米ツアーが三浦さんにとって、そして『鼓童』にとってどのようなツアーにしたいですか?
気持ち的にも技術的にも前に歩き続けられるものであればいいなと思います。日々進化し続けることが大事だと思います。
ー読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「鼓童Evolution」、言葉では言い表わせないほど楽しんでいただける内容となっています。進化し続ける『鼓童』を、そして初めての方は日本の和太鼓の音を楽しんでください。会場でお待ちしています。
鼓童
1981年、ベルリン芸術祭でデビュー。以来50の国と地域で6千回を越える公演を行なう。2001年には日本人アーティストとして初めてノーベル平和賞コンサートへ出演。「2002FIFA World Cup KOREA/JAPAN™」公式アンセム曲への参加やオフィシャル・コンサートに出演。2003年に世界各地で公開され話題となった中国映画「HERO」では全編にわたりサウンドトラックを担当。2006年、結成25周年を記念し歌舞伎俳優・坂東玉三郎氏との共演による舞台「アマテラス」を開催、2007年には歌舞伎座で再演。2012年より2016年まで坂東玉三郎氏を鼓童の芸術監督に招聘した。
劇場公演のほか、小中高校生との交流を目的とした「交流学校公演」、ワールドミュージック・クラシック・ジャズ・ロック・ダンスパフォーマンスほか異なるジャンルの優れたアーティストとの共演や、世界の主要な国際芸術祭、映画音楽等へ多数参加している。
1988年より佐渡の市町村と共に国際芸術祭「アース・セレブレーション(地球の祝祭)」を開催し、国際交流や地域振興に寄与。米国ニューヨークタイムス紙に「日本で最先端のワールドミュージックイベント」と評される。2008年には「第12回ふるさとイベント大賞」にて大賞(総務大臣表彰)を受賞、2009年には米国ティファニー財団創設「ティファニー財団賞・伝統文化大賞」を受賞。
「鼓童ワン・アース・ツアー2019 ~Evolution」 トロント公演
3月21日木曜日 20時~
Sony Centre Box Office
TEL 855-872-SONY(7669)
http://www.sonycentre.ca/calendar-event-details/?id=399