独自の芸術を追い求め弛まぬ努力を重ね続ける DRUM TAOパフォーマー原崎太郎さん インタビュー
1月末よりカナダ・モントリオールで幕を開ける「DRUM TAO」の最新北米ツアー。ツアー目前となる現在、チームの皆さんを代表して、パフォーマーの一人である原崎太郎さんに特別にインタビューを行った。今回の最新作『TAO:DRUM HEART』のテーマや見どころ、本公演の意気込みに至るまでたっぷりと語っていただいた。
Q 今回の北米ツアーはカナダで幕を開けます。四度目となるカナダ公演ということですが、楽しみにされていることはありますか?
A 初めてカナダで公演を行ったのは2010年のカルガリー公演でした。TAOとして初めての、3ヶ月間の長期北米ツアーの記念すべき初日。そして1800席超満員のお客さんの前でのカナダ初公演。嫌が応にも僕たちのテンションもMAXまで上がっていましたが、それを圧倒的に上回るテンションだったのがお客さんの反応!アンコールを求める拍手と足踏みは、まさに言葉通り、「劇場を揺さぶるほど」だったのを今でも鮮明すぎるほど覚えています。
TAOのメンバーの間でもあの体験は今でも語り草です。他のどの国に行ってもあれほどの拍手はあれ以来もらったことがありませんね。そんなカナダの皆さんの、熱く純粋で熱狂的な反応が一番の楽しみですね!
それとは対照的なカナダ特有の極寒な冬も密かに楽しみにしています(笑)。あと、すごく個人的ですが僕自身、以前モントリオールに住んでいたことがありトロントにも何度も行ったことがあるので、昔いた場所にまたこうして帰って来られるというのも大きな楽しみですね。
Q 『TAO:DRUM HEART』は過去にオフ・ブロードウェイデビューを果たした際の作品ですね。
A 確かにツアータイトルはオフ・ブロードウェイデビュー時の作品と同じ名前です。ただ、内容はそこからかなり進化させたもの、むしろ全く新しいものになっています。TAOは毎年、新しい作品を作りツアーを行います。1年に1つの新作です。2016年にオフ・ブロードウェイに初挑戦し、たくさんの方に観に来ていただいて、手前味噌ですが「大成功」と呼べる結果を残せたと感じています。
そしてそこで得た経験を活かし、その後世界中でツアーをする中で毎年舞台に磨きをかけ、また新しい作品を作ってきました。オフ・ブロードウェイ公演にはトロントからも、カナダの他の街からもたくさんのお客さんに観に来ていただきましたが、今回トロントで上演する作品は、間違いなくオフ・ブロードウェイを超える内容になっています。同じ作品だと思って観に来たら、よりブラッシュアップされ迫力を数倍増した別作品にトロントの皆さんもびっくりされるかもしれませんね!(笑)
日本から来た「新と旧」「楽しさとかっこよさ」を併せ持った最高のエンターテイメント・ショーを五感をフル活用して感じてもらいたい
Q 今回の『TAO:DRUM HEART』のテーマや見どころを教えてください。
A 今回の作品の大きなテーマは「ハチャメチャに楽しい」です。とにかくお客さんを巻き込んで一緒に楽しめる内容になっていますし、もちろん外国の方が好きな日本の伝統的な要素もちりばめられています。日本から来た「新と旧」「楽しさとかっこよさ」を併せ持った最高のエンターテイメント・ショーを、五感をフル活用して感じてもらいたいですね!
Q 今年は25周年を迎えられ、独自の圧倒的パフォーマンスで世界中の人々を虜にしている「DRUM TAO」の皆様ですが、和太鼓をはじめとした和楽器たちに、どんな魅力や可能性を感じられていますか?
A 正直に言うと、なぜこれほどまでに和楽器、特に和太鼓に魅力があるのか自分でもはっきりとは分りません。分かっているのは、全ての演目が終わって幕が降りるとき、TAOの舞台を通じて何かを感じ、涙を流して喜んでいるお客さんがいつも目に止まり、それは日本だけでなく和太鼓文化を根底に持たない海外でも同じようにある、ということです。これだけは本当に不思議です。
言葉を使わないノンバーバルなショーであるにも関わらず、詩とメロディーで人を惹きつけ感動させる歌手と同じように、またはそれ以上に人々を感動させることが出来るというのが和太鼓の最大の魅力であり、それだけに和太鼓の持つ可能性というのは無限大です。そしてその魅力を最大限引き出すために僕たちTAOのメンバーは日々の稽古やトレーニングを行なっているんだと思います。
Q 今後挑戦してみたいことや一緒にコラボレーションをしてみたいと思われている分野・人物がいらっしゃれば教えてください。
A これはあくまで僕個人の考えですが…TAOの本拠地は九州の大分県竹田市という所です。
その竹田市にある岡城という城址で、メンバーが甲冑を着て城下町を練り歩き演舞するという機会がありましたが、そういう風に、日本を代表する城郭に壮大なプロジェクション・マッピングを施し、それとTAOの演奏・パフォーマンスがコラボするというのも面白いと思います。どんな分野、どんな方とコラボレーションするにしても、今まで誰も見たことがないような斬新なものを一緒に創り上げていきたいですね。
Q 世界23か国で上演、観客動員700万人を突破するなど、常に「世界」を舞台に活躍され続けていますが、世界でパフォーマンスを行う中で大切にされていることは何ですか?
A まず、日本人としての格好良さの表現というのを国内以上に意識しますね。古くからの日本人が持つ良さ・美しさの中に、「所作の美しさ」や「立ち居振る舞いの優美さ」、言わずと知れた「わび・さび」など多くの日本人独特の、でも現代日本人が忘れがちな美しさや良さがあると思います。そういうものをしっかりと備えた上で舞台上の演奏やパフォーマンスを行う事を心がけています。
でもそれ以上に「大切にしている事」=「難しい事」=「大変な事」が『お笑い』です。TAOのステージではシルク・ドゥ・ソレイユ…とまではいきませんがクラウンの役割を持つメンバーがいます。日本ではウケても海外では全くウケない、なんてことはしょっちゅうですから、毎回海外ツアー用にユーモラスなシーンの作り替えは必須ですし、必死です。ちなみにそのメンバーというのは僕ですが(笑)。
「日本の文化って格好いい!日本人で良かった!」を感じてもらえる舞台
Q 最後に今回の北米ツアー、そしてトロント公演での意気込みをお願いいたします。
A 2年ぶりのトロント、そしてソニーセンターで公演するのは実に2012年以来6年ぶりです!カナダ人のお客さんはもちろんですが、是非、たくさんの日本人の皆さんに観に来てもらいたいですね!公演の最後には多くのカナダ人に囲まれた中で、「日本の文化ってやっぱり素晴らしくて格好いい!日本人で良かった!」絶対にそう感じてもらえるような舞台です!是非、劇場でお会いしましょう!!
鳴り響く“鼓の旋律”を全身で受け止めろ!!
日本が生んだ驚異のドラムアートがトロントの地へ
DRUM TAO 最新北米ツアー
『TAO : DRUM HEART』
1993年に愛知県で誕生し、“世界で通用するエンターテイメント”を目指して邁進してきた和太鼓演奏グループ「DRUM TAO」。これまでに世界23か国で上演、観客動員数はなんと700万人を突破している日本のプロエンターテイメント集団だ。
1月末よりカナダで北米ツアー『TAO:DRUM HEART』をスタートさせ、2月3日にはトロントのSONY CENTREにて、公演を行うことが決定している。ここで、世界を熱狂の渦に巻き込む「DRUM TAO」の魅力をおさらいしておきたい。
日本の伝統楽器と美しい肉体美によって生まれる、圧巻のパフォーマンス
「DRUM TAO」の舞台には、様々な大きさ・種類の和太鼓が奏でる力強いリズム、そして篠笛や箏による優しい音色が合わさった、日本人だからこそ生み出せる美しい音楽が響き渡る。またその中で披露される、キレのあるダンスや殺陣のパフォーマンスは「DRUM TAO」を唯一無二のパフォーマーへと昇華している要素の一つだ。「日本のかっこいい」を全て詰め込んだ舞台が、目の前に繰り広げられる衝撃を楽しもう。
クリエイターたちとのコラボレーションで磨かれる、独自の創造的世界観
2012年には、世界的ファッションデザイナーであるコシノジュンコ氏とコラボレーションを果たした「DRUM TAO」。コシノ氏により衣装デザインが手がけられ、モードとエンターテイメントを見事に融合させてみせたのだ。他にも歌舞伎とフィギュアスケート、数々の有名アーティストなどと積極的にタッグを組み、常にドラムアートの新たなる可能性を見出している。
芸術の本場NY、そして世界が認めた本物のエンターテイメント集団
2004年から2年連続で、イギリスの世界的音楽祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」に出演し、両年ともチケットセールスNO.1を達成。その後数々の世界公演・ツアーを成功させ、2016年2月には全米人気TV番組「The Late Show with Stephen Colbert」に登場。直後のNYオフ・ブロードウェイではデビュー公演にして全6公演をSOLD OUTさせたという、まさに世界が絶賛する本物のエンターテイメント集団だ。
これほどまでに世界が熱狂する「DRUM TAO」による北米ツアー、最新作品『TAO:DRUM HEART』がいよいよ、2月3日、トロントの地にやってくる。トロントでの一夜限りの公演を絶対に見逃すな!
『TAO:DRUM HEART』by DRUM TAO
日時: 2018年2月3日(土) PM8:00〜
会場: Sony Centre for the Performing Arts 1 Front St E, Toronto
チケット購入はsonycentre.caまで