TORJA独占インタビュー ONE OK ROCK
5月14日にトロントでカナダ初公演!7月に2度目のトロント公演が決定!
世界中から若い世代を中心に圧倒的な支持を集めるバンド・ONE OK ROCK
ボーカル・Taka、終演後独占インタビュー
2005年結成。エモ、ロック、メタルの要素を詰め込んだサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスでとくに若い世代から絶大な支持を受けているONE OK ROCK。無料動画配信サイトなどを通し、日本のみならず、世界中に熱狂的なファンを持つ彼ら。昨年のヨーロッパ・アジアツアーを経て、ついに5月14日、Phoenix Concert Theatreでカナダ初公演を行った。
当日はあいにくの雨模様にも関わらず、会場前には傘を手に興奮した面持ちで開場を待ちわびる多くの人。行列の中には多くの現地人の姿も見られ、モントリオールからなどと遠方から駆けつけたという人もいた。
そして迎えたライブは『Ending Story??』でスタート。嵐の前の静けさともいうような囁きのイントロに、空気を切り裂くような鋭いシャウトで、吹き荒れるようにステージが始まる。Taka(Vocal)、Toru(Guitar)、Ryota(Bass)が3人揃いのヘッドバンキング、返し(モニタリング用スピーカー)に飛び乗ったりと所狭しとステージを駆け回り、その後ろではTomoya(Drums)が時折眩しい笑顔を見せる。「You guys ready? Clap your hands!」など、Takaの煽りで会場はさらに一体となり、観客のジャンプに会場が揺れる。『Be the light』や『Clock Strikes』『完全感覚Dreamer』などが次々と演奏され、『The Beginning 』でステージは一旦幕を下ろすが、観客の「ONE OK ROCK! ONE OK ROCK」の声に応え、アンコールで『Wherever you are』『NO SCARED』を披露。全12曲、1時間強の嵐のようなステージが観客を熱狂させた。
TORJAでは今回、終演後にボーカルのTakaに独占インタビュー!ライブの熱気冷めやらぬなか、カナダ初ステージを終えての感想や7月に行われる2度目の公演についてなどを伺った。
ー公演おつかれさまでした。早速ですが、カナダ、そしてトロントでの初公演を終えていかがですか?
思ったよりお客さんがすごくウェルカムでいてくれたので、すごく楽しかったですね。
ー北米ではニューヨークやロサンゼルスでも公演を行っていらっしゃいますが、今回のトロントの公演はほかと比べ雰囲気など、違う部分はありましたか?
ノリ自体はニューヨークやロスに比べるとパワー感がすごくあったので、ライブハウスでライブをやっているという感覚がすごく強かったですね。
ー今回のトロント公演は、どのような経緯で開催されることとなったのでしょうか?
僕たちは昨年、ヨーロッパとアジアでツアーをやらせていただいていて、今回は実はその延長線上というか。「行ったことのない場所に、もっとどんどん行ってみよう」という、ONE OK ROCKの新しいモチベーションが形になったものです。日本だけでなく、ちゃんと自分たちのことを待ってくれている人たちのいる場所に行けて、そこでツアーを回るというのが、僕たちのツアーのスタンスなので、そういう意味では最近になってやっとそこに目を向けることができてくるようになったという感じですね。
ヨーロッパやアジアでのツアーはドキュメンタリー映画にもなっていて、一応あれで終わったようには見えているのですけど、あれはあそこで完結というわけではなく、ずっと延長線上にあるもので。映画が一つの区切りとなって、今はまた自分たちがバンドを組んでやりだしたときと同じような感覚になっていて、これが繰り返していくのかなという感じがします。
ー続いて、トロントの街の印象をお伺いしたいのですが、街を歩く時間などはあったのでしょうか?
昨日と今日、時間を見つけてずっと回っていて。昨日は夜に着いたのですけど、ご飯を食べて、夜中の街をホテルからも結構遠いところまでずーっと歩いて。カナダってアメリカの隣だし、アメリカに近い感覚なのかなと思ったのですけど、ヨーロッパに近い感じが僕自身はすごくしていて。結構新鮮でしたね。
ーフランス語も公用語ですしね。
そうなんですよね。以前にシンプル・プラン(※カナダ出身のロックバンド)とコラボしたときに、彼らが全部フランス語で喋っていて「あ、そうなんだ」とそのとき初めて知りました。
ーそのときはTakaさんもフランス語でお話しを?
僕は無理ですよ。彼らがたまにフランス語で喋っていて。聞かれたくないような気まずいことは全部フランス語なんですかね(笑)
ーてっきりTakaさんもフランス語で彼らと話していらっしゃったのかと思いました(笑)さて、言語に関してですが、Takaさんはどのようにしてその英語の発音の良さを身につけられたのですか?
よく訊かれるのですけど、僕は未だに英語をそんなに喋れるわけじゃないですし、耳で聴いて覚えている感じですね。今年の1月から3ヶ月くらいアメリカに行って、普通に生活できるくらいのレベルにはなってきたのですけど、まだまだ全然。
ー公演前に現地ファンにインタビューしてみたところ「発音が日本人だと思えない」というコメントも多くありました。
いやいや…(笑)嬉しいですね。歌では自分たちで作り込んで伝えにいけるのでいいのですけど、ライブでもっともっと自分たちの思いというか、やはり日本語では通じないこともあるので、もっともっと勉強して、ちゃんと細かいところまで伝えられるようにがんばりたいと思ってます。
ー歌詞の中では、どのように日本語と英語の使い分けをされているのですか?
特に気にしてはいないのですけど、僕はメロディーを先にのっけるので、そのメロディーにあった言葉を探して、このメロディには日本語が合うなと思ったら日本語にする…という感じですね。
ー以前あるインタビューの中で、「以前の自分たちの原動力になっていたのは、悔しい、負けたくない、バカにされたくないという一見ネガティブなものだったが、それが2010年の武道館公演を終えたあたりから変わってきた」というお話をされていらっしゃいましたが、現在の原動力となっているものはなんですか?
僕たちはバンドの始まり方とかいろいろなものを含めて、もともと自分たち自身があまり認められている感じがしなくて、それがなぜなのかは自分たち自身でも理解していたつもりでした。でも、そこで感じた「悔しい」という気持ちを原動力にどんどんと進んでいった結果、武道館公演を終えた頃には、ものすごく多くの人たちが自分たちのライブに集まってくれていて。僕たちは世間に対して怒りだったり、そういうもので音楽を発信してきていたのに、知らない間にその怒りを受け止めた人たちがこんなにも多くいて、チケットを買って僕たちのライブに来てくれている…、なにかそれが不思議な感じだったのですよね。僕たちが「幸せになってほしい」とか、ハッピーな気持ちを歌っているバンドであれば、すごくそれは理解ができるのですけど、自分自身すごくネガティブな歌詞を書いているつもりだったので。もはや僕たちの音楽というのは、自分たちだけの音楽ではないのだなということに、そのとき気付かされたのです。もっともっといろいろな人たちががんばれたり、幸せだなと感じるような歌も、もっと自分の中で作っていかなければならないなと思ったという感じですかね。僕たちもすごくファンたちに成長させられているから。
ー今日の公演では日本人、とくにワーキングホリデーなどで様々な夢や目的を持ってトロントに来ているという若者たちも多かったようなのですが、なにかそういった方々にメッセージをいただけますか?
彼らとは、同じ夢を追っているもの同士、ベクトルが同じなのは間違いないと思いますし、彼らと僕たちの両方がここに来ているから、その原動力がライブ会場や場所でぶつかり合って、そこから新しいパワーが生まれるのですよね。そういう原動力や姿勢、気持ちというのは、絶対に僕たちのライブに来る限りは忘れないでほしいというか、そのまま持ち続けてほしいし、逆に僕たちもそれを持ち続けていたいと思っています。
僕たち自身はせっかくトロントに来ているので日本人以外の人にできれば観ていただきたいという気持ちももちろんあります。今回の公演をスタートにして、次回、また次回と、カナダに戻ってきたいという気持ちがあるし、僕たちはバンドとしてもっともっとカナダの地元の人たちに受け入れられるような音楽を提供したいと思っています。そして、その場面を目の当たりにするようなことがひょっとしたら何公演か先にあるのかもしれない。そのときに「なんか初回とONE OK ROCKの雰囲気が全然違うな」と思ってくれて、それがまた一つの原動力になってくれれば嬉しいと思います。僕たちのライブにこうやって来てくれる以上は、その自分たちのモチベーションを下げずに、トロントでがんばってほしいなというのがありますね。
ー最後に、7月に2度目のトロント公演が予定されていますが、意気込みをお聞かせください。
7月??
(※ここでVans Warped Tour 2014で、7月4日にふたたびトロントでの公演が予定されていることを説明 )
それは(Warpedツアーにトロント公演が含まれているのは)知らなかったな(笑)もう超楽しみですね。こんなに早く戻ってくるとは…(笑)Warpedツアーは僕たちも初めてのツアーですので、右も左もわからないのですけど、本格的な言語の通じない環境に一ヶ月ちょっとぶん投げられるので、楽しくツアーが回れればいいなと思っています。汚れきってボロボロになった僕たちをトロントで待ってていただけると嬉しいなと思いますね(笑)
Photographer: Hitoshi Murakami