みんなのポーテージ 2|楓の森の歩き方 第45歩
前号から紹介しています、カナダ東部の湖水地域ならではのカヌーと共に森を歩くスタイル、ポーテージ。
OOAでは、カヌーキャンプに参加されるみなさんに、ポーテージを説明し、希望される方に実際にトライしていただきます。ツアー中のポーテージトレイルは、短いもので30mほど、長いものになると2㎞や3㎞のコースもあります。このポーテージ用のトレイルを体力に合わせて、トライしていただくのですが、はじめは恐る恐るトライされる方も、ツアー最終日には立派なカナダの森のポーテージャーとなって、悠々とカヌーを運ばれる方も多いのです。
ポーテージにトライするまずはじめは、カヌーの前と後ろをカヌーガイドが支えて、カヌーの下に入り、カヌーの中央部のヨークと呼ばれる横棒(かつぎ棒)を肩にのせ、カヌーを頭上に担ぎます。この際に、カヌーの前後のバランスをとり、振り子の中心のようなバランスで立ち、前に歩いていきます。このバランスが重要で、慣れればカヌーがとても歩きやすいバランス調整で作られていることに気づきます。
カヌーの重量は30㎏前後、最初は重さとバランスをとるのに苦労しますが、何度かポーテージを繰り返すうちに、みなさん眼を見張るような進歩で、うまくバランスをとりながらひょいひょいと森の中を歩いていきます。
慣れた人は、カヌー以外のテントや食料などが入った重たいバックパックを担いで歩くよりも、ポーテージの方が楽だと言う人もいます。(笑)
そして、ポーテージトレイルの先には美しい湖面が広がって、カヌーを担いだまま湖に入り、湖面へカヌーを反転させて一気におろします。
この瞬間の達成感と開放感は、言葉では言い表せません。経験してみないとわからない種類の感覚です。
そして、みなさん清々しい笑顔で湖を眺めるのです。
ポーテージの疲労や達成感が、オンタリオの大自然の景色と相まって、掛けがえのない体験として記憶に残る瞬間です。
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Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
Special Thanks, Cameron T Powell 写真 / アートワーク / レイアウト:尾西知樹 翻訳:瀧川貴子