オンタリオ・アウトドア・アドベンチャーズの楓の森の歩き方 第6歩
第6歩 森のフシギ?
朝晩の冷え込みに冬の気配までも感じられるトロントの10月。
アルゴンキンパークでは楓の森が燃えるような紅葉に彩られ、紅葉前線は徐々に南下し、トロントも美しい紅葉の季節に入ります。

10月の第2月曜日はサンクスギビングデー(感謝祭)、これからはじまる厳しい冬に向け、家族で御馳走を囲み大自然の恵み、そして収穫に感謝するカナダの伝統的な祝祭日です。忙しい日々の中で多くの人が忘れてしまいがちですが、それぞれの季節にあった暮らしと生活の大切さ、そして自然との繋がりを確認し感謝する大切な日なのです。
アルゴンキンパーク内の原野や森でも同じように、厳しい冬を越すための準備がはじまっています。
楓などの広葉樹林は光合成を止め、鮮やかな赤、橙、黄色へと葉の色を変化させ、葉に貯めた糖分や栄養素を出来るだけ多く根へと蓄える活動に入っています。。厳しい冬に耐え、春にまた芽吹くための準備です。
針葉樹にも同じように黄金色に色を変え、秋には落葉する木々があります。
落葉針葉樹として知られるカラマツ(Tamarack)は、湿原や沼地の周りにたくさんの太陽光を受けて成長します。そして、栄養価の高い針葉を落葉させることにより、良質な土壌環境を作ります。その良質な土壌の中でカラマツは外生菌根を作り、そこからヤマドリタケ属(Boletes)などのキノコが発生します。松の根はキノコへ糖分を供給し、キノコは養分を木へ供給することによって共生しています。
ルーン(アビ)やカモ、カナダガンなどの渡り鳥は、食料を求め温かい場所を目指して移動します。
ですが、アルゴンキンパークに生息するグレージェイ(カナダカケス)は湿原を好み、パーク内で越冬します。木立の隙間や岩や苔の後ろなど秘密の場所に食べ物を隠し冬に備えて食料を蓄えます。グレージェイの唾液は粘着質で、虫やベリー、キノコ類などを素早く安全なところへ隠します。
ビーバーは賢く働き者。冬を越すために必要な食料、かじり倒した若木や葉のついた木々などを湖や池の底に堆積させ、巣のそばにも用意します。このような食料の山は、雪をしのぎ、オオカミなどの天敵から身を守るための役割もはたします。
この季節、リスたちも大変忙しく、アカリスは針葉樹から落ちた球果を集め、木の幹の下や苔の下、幹の周りなどに貝塚のような貯蔵庫を作ります。
キノコ類はリス達にとっても重要な食料で、特にベニタケ科のRosy Russulasは大好物です。後で食べられるように木の幹の中に隠して乾燥させたり、枝分れした所に吊るします。
頬に袋を持つシマリスは、種やベリー、ナッツなどをたくさん頬に詰め込み地下の住みかに貯蔵します。安全な生活空間を確保するために、穴掘りやトンネル作りに精を出しています。冬の間はほぼ寝て過ごし、たまに起きて食事をします。
静かな秋の森の中の小さな営み。目を凝らしてこのような森のフシギを観察しながら歩いみてください。あなたのまわりに共存している動植物たちの習性や習慣を意識して歩いてみれば、紅葉に彩られた美しい森の世界がさらに広がります。
耳を澄ましてみてください。遠くでキツツキが木を突ついていますよ。高音の鳥の鳴き声のような特徴的なアカリスの声も聞こえてきます。
さぁ、生命感あふれる秋の森の散策へと出かけましょう。
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info@ontariooutdooradventures.com
Holly Blefgen (ホリ―・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
Photography/layout/design:尾西 知樹
Translator: 瀬川 たかこ














