【TORJA読者旅行記】#021 タイで笑顔を釣る in バンコク
タイで笑顔を釣る in バンコク
今月のレポーター Jerez Solisさん
3 タイでもLINEの人気は急上昇。4 ワット・プラケオの涅槃仏。5 王宮の近くにあるマーケット。
6 タイでお馴染みのtuk tuk.7 お坊さん優先席。
2014年、1月。極寒のトロントから逃れたくて、日光と暖かさを求めて微笑みの国タイへ旅立つことにした。4泊5日の旅で、日焼けするのにちょうどいい。最初の関門は、福岡に住んでいる彼女と成田空港で「成田→バンコク」の搭乗ゲートでちゃんと合流できるかどうかだ。あろうことか、僕の成田行きの便の出発は2時間ほど遅れ、成田に到着すると、死に物狂いで待ち合わせのゲートに猛ダッシュ。冷や汗を拭きながら、挨拶のキスをして2人は念願のバンコクへ。
トロントからバンコクまでは18時間かかった。夜中前にバンコクに着いて飛行機を降りたとき、まず感じたのはトロントとの気候の差。40度くらいの差に気分上昇。予約したホステルは空港から電車で20分のところに位置し、繁華街にも近く、そして清潔感が溢れていた。翌日の朝、2人は具体的な計画もないままホステルを出て、街に繰り出し、現地の人しかいないマーケットで朝食。僕は東南アジア国によくあるカリカリのバナナフライを注文し、彼女は自分が思っていたより辛かった鶏肉の野菜炒めを辛抱強く食べた。お腹が満たされると、マーケットを後にしタイによくあるピンクのタクシーを拾い、王宮へ。反対デモが行われていた影響もあって、通常より2倍もの時間がかかった。陽気な運転手は、ツーリストポリスいわゆる「観光警察」の仕事も掛け持ちしていて、役立つ様々な情報を教えてくれた。言語の壁がもちろんあったけど、僕はふざけて話に何の脈略もなく何回もレディボーイの話題を出すことで、なんとか笑いでコミュ ニケーションを取ろうとしていた。王宮まで1時間半掛かったけど、2人のタクシー代が15ドルで済んだということでタイの物価の安さに驚きを隠すことができなかった。
王宮は団体観光客で賑わっていて、筋向かいには屋台がぎっしりと並び、道端でアンティークな雑貨を売っている人たちは炎天下でぐったり。入場料は、2人のタクシー代より高かったので、王宮は断念。街をブラブラ歩くと、蛙を焼いていた屋台に辿り着いて、「買ってあげるから食べてよ」と彼女にお勧めしたところ、断られた。面白い写真を取る絶好の機会を取り逃してしまった(笑)。次どこに行こうかと地図を広げると、若いタイ人の男 性が“Where do you want to go?”と流暢な英語で声を掛けてきた。“Wat po”と答えると、“I’m a student at the university nearby. If you want to go to Wat po, you can take a boat.”と彼は一旦立ち去る素振りを見せ、肩越しで親切に教えてくれた。“But unfortunately, it gets really busy during lunch time. I can take you somewhere else.”と彼がスラスラと口にした後、僕はインターネットで読んだ“道で会った知らない人に付いて行ったら宝石を買わされた羽目になった”事例と酷似していると思ったので、僕たちはお礼を言ってその場を離れた。
次に近くの船乗り場に向かい、1日のパスを買い、船に乗って遺産巡りをスタート。最初のストップはワットプラケオ。巨大な黄金色の涅槃仏が横たわっているバンコクのもっとも人気な観光名所だ。タイの歴史の何たるかも知らない僕は、「確かにでかいな」としか感想がなかった。外に出ると、人だかりができていて、1人のお坊さんが椅子に座っている一般人の男の頭の毛と眉毛をつるつるに剃っているところだった。彼女は、“You should do it too.”と冗談めかして言ったけど、たぶん焼蛙をお勧めされたことに対しての報復だった。この時、真っ昼間だったので、肌を刺すような暑さで暑気払いとして屋台に積んである甘そうなココナッツを切ってもらい、ストローで一気に飲み干した。
遺産巡りをしているだけで一日を思う存分に満喫することができるが、2人は疲労のピークに達していたので、どこかで休もうという話になった。バンコクで休める場所と言えば、言うまでもなくマッサージ屋だ。街の至るところに看板が見られるので、店の選択はよりどりみどり。バンコクの基準にしては少し高めの1時間15ドルのところに決めて、2人は全身の疲れを吹き飛ばせる快適なアロマオイルマッサージを選んだ。後の2日間もこんな豊かな方法で過ごした。バンコクの街中を彷徨い、手当たり次第に美味しいものに手をつけ、 ココナッツで水分を補充し、疲れきったらマッサージに行くのがもっとも正当な過ごし方だと思えてきた。
微笑みの国と呼ばれているタイ。訪れてくる人は笑顔で帰ってくることは間違いなし。
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