TORJA読者旅行記#45
#045 ラオス
今月のレポーター MAYUMIさん
ラオス。正直、旅行に出かけるまでは、どこにあるのかも、どんな国なのかも曖昧だった。ラオスの左にはタイ、右にはベトナム、上は中国とミャンマー、下はカンボジア、と5ヵ国に囲まれ、海には面していない。細長くヤシの木みたいな形をした国土にはメコン川が流れている。
3.世界遺産の街「ルアンパバーン」
6.エメラルド色のタート・クワンシー
まずは、トロントからバンコクに向かい、安くて美味しいタイ料理を堪能。屋台で売っている、サツマイモとタピオカパウダーなどを使った丸い揚げ菓子がオススメ。「カノムカイノックガター(うずらの卵のお菓子)」というらしいが、何度見ても書いても覚えられないので諦めた。その丸いヤツは、甘くてモチモチした食感がヤミツキになり、日課のように買い食いした。
タイで数日過ごした後、夜行列車に約12時間揺られ、ラオスの首都ヴィエンチャンへ(サラッと書いているが、出入国時のバスやトゥクトゥクの乗り継ぎが、かなり面倒だった…)。ラオスではタイ・バーツも使えるが、レートが良くないため、ラオスの通貨「キップ」に両替する。10,000キップでやっと140円くらいなので、1万円分両替した後は、キップの桁が多すぎて、数えるのに苦労する。そういった旅行者に付け込んで、両替所の人も騙す気満々だ。渡された分厚い札束を根気強く数えると、案の定、2千円分も少なく渡された。「足りない!」と言うと、2千円分サッと出てきたことに驚いた。まだ、いくら足りないか言ってないんだけど??
と、なんとか無事に両替を済ませ、メコン川沿いをブラブラ。地元の人で賑わう「イブニング・マーケット」をのぞいてみた。「ナイト・マーケット」はよく聞くが、「イブニング・マーケット」は初耳だ。その名の通り、夕方頃開店し、夜9時になると店じまいをし始める。そう、ラオスの夜はとても静かだ。
翌日は謎の「ブッダ・パーク」に行ってみる。インドの神様もいれば、中国やタイのブッダなど、ありとあらゆる仏像が置かれている。いろいろ突っ込みどころが多すぎて面白い。その他にも、ラオスを象徴する寺院「タートルアン」やパリの凱旋門を模して作られた「パトゥーサイ」などを見て回った。昔、フランス領だったラオスには、今でも面影が少し残っている。その一つが「サンドイッチ」。しかし中身は全くフランスっぽくない。甘辛い味付けの豚ミンチに、ワタアメのようにフワフワしたドライな豚肉、ハム、錦糸卵、千切り野菜とたっぷりのスイートチリソースなどがムッチムチに入っている。すっかりハマって、また旅行中の新たな日課ができた。ただ、フランスパンは、むき出しで屋台に置かれているので、衛生面は……都合の悪いことは見なかったことにしよう。
そしてヴィエンチャンから、さらに夜行バスで10時間ほど北に向かい、街全体が世界遺産のルアンパバーンへ。プーシーという丘からは、その美しい街を一望できる。この街の朝はメコン川に霧がかかり幻想的だが、昼過ぎにはカラッと晴れて青空になる。そんな風景を眺めながらコンデンスミルク入りの濃いラオ・コーヒーを飲み、一息ついた後は「タート・クワンシー」という滝へ。エメラルド色の水がとても綺麗だ。泳ぐこともできるが、水はかなり冷たい。街に戻り、またカフェでのんびり。この街のルールなのか、木製の看板をよく見かける。カフェ店内の看板をよくよく読んでみると「窃盗犯はメコン川に投げ込みます」と書かれていた。ラオス人、恐るべし…。でも、そんなラオスにまた行きたいと思わせるほど、予想以上に奥が深く、魅力的な国だった。
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