TORJA読者旅行記#31
#031 アメリカ大陸横断旅行記アムトラックで挑戦!
トロントからロスアンゼルス全19日間!
今月のレポーター Ayaさん
旅の目的はその人、その時、その予算など、まったく人それぞれですが、私の今回のいささか無謀にもとれる横断旅行は、5年ほど前から頭の片隅にありました。アメリカ大陸をこの目で見たことがなく、ニュースなどを見ても、いまひとつリアルに受け取ることができない、感情移入できないなぁ、と感じていました。アメリカの広大な国土はどのように移り変わるのだろう、と考えだしたら、決して不可能ではない旅の実現に向けて計画を立てていました。トロント留学終了後、陸路で訪ねたい場所に立寄り、アメリカ大陸をこの目で見る!これが今回の旅行の目的となりました。各地の旅行記は現在編集者ブログを連載中ですので(ご覧いただけたら嬉しいです)、旅の所感をここではまとめていきます。
アムトラックはアメリカ大陸に網の目のように路線が設定されています。最終目的地はLAに決めていたので、その他に必ず立ち寄りたいNYとピッツバーグ、シカゴをピックアップすると自ずとルートが決まってきました。最終的に、トロント→NY→ピッツバーグ→シカゴ→グランドキャニオン→LAというルートで列車を予約。後1日短縮できれば15日パスを購入する方が安かったのですが、日程的に難しく、それぞれの路線を早割価格で購入しました。アムトラックは時代に取り残されたかのようにゆっくりと進んでゆきます。時には車に追い抜かれるほど!そして、数時間の遅れは当たり前で、乗客は遅れても文句を言わないですし、現地の人々も慣れたものでした。今回、ピッツバーグ発の早朝列車が3時間も遅れてしまい、現地ハイヤーの運転手さんを待たせ、目的地の「落水荘※」で予約したツアーの変更をしなければならなかったのですが、皆快く対応してくれました。
旅行中は建築を軸に各都市を歩き廻り、自ずと街のもつ多様な表情を感じることができました。NYの街は皆忙しそうでしたが、学生時代のツアーでは休館中だったグッゲンハイム美術館でゆっくり時間をとることができ、また、セントラルパークの南半分を歩き、豊かな緑を楽しみました。シカゴはNYより全体的にスケールが大きく先進的、そして素晴らしい建築群がまさに競い合うように建ちそびえています。NYやシカゴが縦に伸びた都市ならば、LAはまさに横に伸びた都市。地図上では1枚に収まっていますが、その距離感はとてつもなく広い!バスに乗っていると、次のバス停までがとても遠く、慣れるまで何回も車掌さんに確かめ、停留所を見落とさないように最前列を陣取りました。
また、美術館も積極的に廻りました。グッゲンハイム、MOMA、ホイットニー、911記念博物館、イサムノグチ美術館、ウォーホール美術館、カーネギー自然博物館、シカゴ美術館、ゲッティセンター、ロスアンゼルス現代美術館とカウンティ美術館。いずれも素晴らしい美術館でしたが、作家個人を深く知ることのできたイサムノグチ、ウォーホール両美術館と豊かな自然の中に瀟洒に佇むLAのゲッティ、そして、思いもよらず鉱物の美しさに魅せられたピッツバーグのカーネギー自然博物館が印象に残ります。
そして、建築探訪、美術館廻りから一転して、大自然の力強さを感じたグランドキャニオン。その雄大な景色は無理にでも旅程に追加して良かったと思えるものでした。
TORJAをご覧の皆さまも、是非自分だけの素晴らしい旅行を楽しんでください!
※旧帝国ホテルの設計で知られるフランク・L・ライトが設計したカウフマン邸(1939年完成)のことで、アメリカ建築最高傑作のひとつ。ピッツバーグ郊外にある。
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