TORJA読者旅行記#33
#033 季節は夏!『チリ共和国』
今月のレポーター 松本 真梨子さん
寒いトロントとは裏腹に、季節は夏!『チリ共和国』に 行ってきました。何を隠そうトロントで知り合った彼がチリ人で昨年の7月に帰国してしまったので、半年ぶりに会いに行ってきたのです。ひとえにチリと言っても南北約4300㎞の国。日本の北海道と沖縄のように、場所によって風土が全く異なります。14の州に分かれている中で、今回は北から2番目のアントファガスタ州に三週間滞在しました。
私は旅行が大好きで、趣味がスキューバーダイビングという事もあり、日本にいる時から一人で色々な国に行きましたが、なぜか毎度面白い(特にお酒にまつわる)事が起こるもので…行きの飛行機の中、寝酒とチリ入国の景気づけがてらワインを頼むと、横にいたおじさんが「いやー飲みっぷりがいいね!」と話しかけてきました。「昔日本でワインを売る仕事をしていて資格も持ってるんですよ。チリワイン大好き!」こんな一言から、フライトアテンダントのお兄さんも会話に入ってきて、3人でワイン談義がスタート。暇さえあれば、これも飲んでみて!あれも飲んでみて!と裏からじゃんじゃんワインを持ってくるではありませんか。チリに着く頃には計6杯のワインをたしなむ、という陽気で素晴らしいスタートでチリ旅行が始まったのです。
雲を抜けるとそこは砂漠だった、と言っても過言ではないほど、チリの北部は砂漠が広がっていました。左は太平洋、右は砂漠という、ブルーとブラウンのコントラストが美しく、空がとても広い、というのが第一印象でした。
色々連れて行ってもらった中で一番印象に残っているのは、アタカマ高地です。世界で最も乾燥している“アタカマ砂漠”がある場所でもあり、晴天率が高さから世界の天文台が集中しています。また標高4000ⅿ付近には湖や間欠泉があり、広大な自然が広がっています。
まず、小さな街「サンペドロデアタカマ」は、1540年に作られたチリで最も古い街で、標高2400ⅿにある日干し煉瓦造りの素敵な場所です。チリのクラフトビール(美味しいのはワインだけじゃありません)「クンストマン」と「アウストラル」でとりあえず乾杯!高度が高いのですぐほろ酔い気分に…満天の星空の中、陽気にサルサとバチャータ(ラテンソング)を歌いながらホテルまで帰ったのを覚えています。
街の近くには、「月の谷」や「死の谷」と呼ばれる砂漠が広がっています。これが何とも言えずすごく、同じ地球とは思えないほど!行ったことはありませんが、火星のような、他の惑星に降り立った気分にさせてくれる場所でした。
早朝4時に起き、高度4500mにある「タティオ間欠泉」にも行きました。なんと温泉もあり、まさか日本の地球の反対側で入れるとは思ってもみませんでした。湖近くにはアルパカやビクーニャという高地の動物たちがのんびり生息しており、自然の雄大さを堪能することができました。
他にも色々な場所に行きました。砂漠の中にどかんとあるオブジェ「ビッグハンド」、廃墟の町「チャカブコ」探検、ビーチで寝そべりながらリラックスしたり…
そして、もちろん欠かせないのは「食」!!!言うまでもなく、チリワインは安くて美味しく毎日飲んでも足りない、足りない。ブドウの蒸留酒ピスコはそのままいっても良し、カクテルのピスコサワーにしても良し!日本から持ってきた日本酒で、ランゲージエクスチェンジならぬアルコールエクスチェンジをし、日本の味も紹介しました。
チリ料理といえばまず「BBQ」!一家に一台窯があるほど!肉をさばくのと火をおこして焼くのは男性の仕事のようで、これが出来なきゃ男ではないそうです。芳醇な赤ワインとお肉のマリアージュはほっぺたが落ちるほど美味しく、いくらでもいけちゃいます。魚貝のBBQもあり、中でもムール貝のBBQと白ワインの相性はも~ぅバッチリ!
チリの主食はなんとお米。また、アントファガスタは魚介類が有名な町で、グリルやフライした魚もたくさんあり、知られていませんがチリは農業大国でもあるので、食に困ることは全くありませんでした。
まさか行くとは想像だにしていなかった国チリ。大満足でトロントに真夏の格好で帰国した先に待っていたのはロストバゲッジ…ここでオチが来たか、と。最後は-10℃の中薄いジーンズとパーカー1枚で帰宅した、他人に話すのに充実な旅行となりました。
※旧帝国ホテルの設計で知られるフランク・L・ライトが設計したカウフマン邸(1939年完成)のことで、アメリカ建築最高傑作のひとつ。ピッツバーグ郊外にある。
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