TORJA読者旅行記#42
#042 サムイ島でBeach bum
今月のレポーター MAYAさん
タイ料理が大好きだ。コリンダーやカフィアライムなどのハーブ、ナンプラー(魚醤)はタイ料理の基本調味料。これにパームシュガーのまろやかな甘さと、辛い赤唐辛子が口の中で合わさると、まさにHeaven。毎日食べても飽きない。だから大好きな食べ物があるタイを嫌いになれるはずがない。また首都バンコクの発展といったら目をみはるほどで、訪れる度に高層ビルが増えているのもよくわかる。でも今回私がしたかったのは洗練された熱帯都市を満喫するのではなく、“ちょっとひなびた海岸”でのBeach bumだ。そんなわけでサムイ島。バンコクから飛行機で約45分の楽園だ。島にはメインの舗装されたアスファルトの通りがジャングルを囲んで島を一周できるように張り巡らされている。この道をバイクで走っても、せいぜい2時間程の小さな島だ。どこの国へ行ってもそうだが、空港を降り立って宿へ向かうまでの高揚感は一体なんだろう。“ちょっとひなびた海岸”でフローズンマルガリータ(ここはひなびていない) を飲む自分を想像してニヤニヤしている。が、突然目の前に飛び込んできたのは、誰もが知る日本の大手衣料チェーンの看板。ココニモ。。。この数年の間に、サムイ島はより大人気エキゾチックリゾートに成長していた。
何といっても嬉しいのは目覚まし時計がいらない朝。でも今回の滞在中はなぜだか朝早くに目覚めることが多かった。せっかくなので、まだ人のいないビーチでメディテーションをしたり、ホテルの周りをぶらぶら歩いてみたり。朝霧がかかったジャングルは幻想的な風景で、思わず足を止めて眺める。これから始まる1日がいい1日だと約束された感じ。早起きは三文の徳ということか。
時間を忘れて毎日ビーチで寝転んでいるのは至福の時だけど数日過ぎた後、何かちょっとだけ違うことを経験したくなった。冒頭の通り、私はタイ料理が大好きだ。やはり一度しっかり作り方を教えてもらおうと思い立ち、クッキングクラスへ参加した。料理を始める前に、コーディネーターの女の子が地元の人御用達の市場へ案内してくれる。人々の生活を垣間見れるのが面白く、並べられた商品がもの珍しくて、気がつけば「これは何?あれは何?」を連発している。辛そうなスパイスが絡まった揚げ魚や、ビニール袋に入れられたシチューのようなものも食べてみたい。香りの強い緑の野菜は新鮮で、絶対に美味しいはず。クッキングクラスでは、シェフとアシスタント、市場を案内してくれたコーディネーターの女の子、写真を撮ってくれていたマネージャーの方までいて、生徒は私ひとりだというのに、至れり尽くせりだった。最後には“クッキングコース終了証明書”なるものまでいただけて、何やらやりとげた感がある。その日作ったのは、グリーンカレー、トムヤンクンスープ、タイ風野菜炒め、そしてシーフードサラダの4品。キュウリの薄切りなんぞで見栄を張り、できる主婦ぶりをアピールしたりして、とにかく楽しいひと時だった。もちろん、作ったものは全て美味しゅう頂きました。
夜。ローカルバンドの演奏するレゲエを聞いたり、砂浜の上に置かれた座り心地のいいカウチで、遠くで盛り上がっているパーティーピーポーを眺める。なぜか毎晩夜が更けていくほどに元気になる感じ。赤いライトがあてられたお立ち台の上で、くねくねポールダンスを踊っているオネエチャンに声をかけながら酒を飲むのも大好き。まるでオヤジですね、私は。チップだってはずんじゃう。
ところで、旅行中は“トラベルハイ”になるせいか、普段は着ないド派手なシャツだとか土産物屋で売っている木彫りや安い大ぶりのアクセサリーに心奪われることがある。絶対にこれは自分のテイストではない!冷静になれ!と言い聞かせるものの、今、私の目の前には小さな仏像が3体。。。どうするのコレ。
追記: 最後までスムースに進んだ旅行ではなかった実は。帰りのサムイ島からバンコクへのフライトがキャンセルになり、空港からバスで港へ。港から船で本島へたどり着き、そこからまたしても、バスに揺られ、サムイ島のホテルを出発してから実に14時間かけて、大混乱の中でバンコクにたどり着いた。(冒頭の通り、通常はたった45分のフライト)おお、東南アジア。旅行の日程は余裕をもってねとは、もうひとりの自分の声。
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