【第55回】株式を自動売買するプログラムを生成AIで作る話|みらいのカナダ株式投資大作戦
こんにちは!みらいあせっとです!今回は「株式を自動売買したい」というお話を紹介しますね。カナダの代表的な株と言えば「金鉱株(金鉱山を持つ企業の株式)」。世界の主要な金鉱株に投資できる米国上場の金鉱株ETF(VanEck Gold Miners ETF)を見ると、ポートフォリオの約半分がカナダ企業。世界的に見てかなり存在感があります。しかも、金鉱株はゴールドの価格と連動しており、ここ数年高騰が続くゴールドに対して、値上がりの弱い金鉱株はまだまだ割安なのでは?と注目が集まっています。
しかし、現実的なところで、金鉱株は荒っぽい値動きの割には儲からない(ボラティリティが大きすぎる)デメリットがあります。実際、GDXの過去の成績を見ると、2025年1月の株価はいまだに2011年の水準を超えていません。そこで、「上がったら売って、下がったら買えばいいんじゃない?」という素人発想したのが今回のお話。せっかくならAIにスプレッドシートとGoogle Apps Scriptを使った自動売買プログラムを作らせてみよう、という方針でやってみました。
どうやってプログラムを書くか
自動売買プログラムを作ろうと思ったとき、最初の壁が「プログラミング経験が無くても作れるか」。実はChatGPTなどのAIを活用すれば、個人が使うレベルのツールを簡単に作れます。
- 「xxができるプログラムを書いて」と指示を出す
- 書いてもらったものを動作確認する
- 問題があれば、「xxの問題を直して」と依頼し、問題が無ければ実用する
今回の話はすべてこの手順で進めているんですよ。
売買の判断基準をどうするか
次は「いつ買って、いつ売るか」。今回は金鉱株界隈で使われているBPGDM(Bullish Percent Gold Miners Index)を活用した中長期のスイングトレードを目指そうと思いました。
BPGDMとはなにか
BPGDMは、金鉱株銘柄のうち、現在買いシグナルを示している銘柄の割合を表す指標です。例えば、100銘柄中30銘柄が買いシグナルを示せば、BPGDMは30%、逆に70銘柄が買いシグナルを示せば、BPGDMは70%です。
売りの基準:70~80を上回る
つまり、BPGDMが低いとき、金鉱株の大半が弱気下にあり、逆にBPGDMが高いとき、金鉱株の大半が強気下にある可能性が高い。その指標に対して逆張りをすれば、利益のチャンスが生まれるかも?
BPGDMを求めるには、金鉱株の各銘柄に対して、ポイント&フィギュア(Point & Figure)と呼ばれる伝統的なチャート分析手法を使います。
実際プログラムでは、Yahoo Finance APIを用いて各銘柄の株価データを取得し、銘柄ごとにポイント&フィギュアチャートを計算しBPGDMを求めます。
なお、今回AIに作ってもらって得られた値をネット上のBPGDM(https://stockcharts.com/freecharts/gallery.html?$bpgdm)と比較したところ、割と大差ない結果が得られました。
バックテストしてみた
作成したプログラムについて、過去5年の相場を使い、スタート時点10,000USDとして、バックテストしてみました。すると、2022年5月にGDXを買って、2024年4月に売り。売却後のキャッシュは11,212USD(利回りは5.9%)と得られました。
しかし、S&P500は割高と叫ばれる中で、市場と相関性の低い金鉱株の投資手法も知っておけば、利回りの上乗せを狙えるかもしれない、とは個人的に思うところです。
なお、BPGDMの売買基準をどう設定するかで、運用結果は大きく変わりそうでした。
まとめ
AIを活用することで、今までできなかったことが案外楽にできるようになる、というのは今回の気づきでした。
ポイント&フィギュアの詳細を知らなかったため、AIに教えてもらえたのも大きいです。ほんとすごい時代になりましたよね。
あなたもAIを活用して新たな可能性を探ってみてはどうでしょう?意外な投資の可能性が見えてくるかもしれません。ぜひ試してみてね!