アルゴンキン州立公園・タートル調査員 ローレンシャン大学院・生物学専攻 スティーブン・ケルさん インタビュー / I’m a SUBIE Chapter.9
オンタリオ州を代表する大自然、アルゴンキン州立公園の中で亀の調査と保護に活躍する知る人ぞ知る「Turtle Car」。そのプロジェクトの推進を力強くサポートしているスバル・フォレスターの貢献に迫る。
アルゴンキン州立公園で亀に関する調査員を担当し、ローレンシャン大学院で生物学を専攻しているスティーブン・ケルさん。大自然の中でプロジェクトを行うスティーブンさんが重宝している相棒は、亀のプリントで緑色にコーディネートされたフォレスターだ。このフォレスターは地元の人やアルゴンキンファンからは「Turtle Car」として親しまれていることはメディアでも取り上げらるほどだ。今回はスティーブンさんに亀のプロジェクトのこと、そしてスバル車との関わりなどについて語ってもらった。
-私たち日本人にとっても非常に身近なアルゴンキンですが、スティーブンさんが担当している亀の調査・保護プロジェクトにスバル車がサポーターとして活用されていると聞きました。
その通りです。はじめプロジェクトに必要なものがほとんど揃っていく中で、一番重要なクルマをどうしようかと色々なディーラーに相談したところ、スバル・バリーが私たちの望みに応えてくれたのです。そのマネージャーの方はよくマスコーカ地方に遊びにいくそうで、ある時道路を横断する亀を助けたこともあり、私のプロジェクトにとても興味を持っていただき、スバル車を提供してくれる話になりました。
ブランドのイメージからもアウトドアや冒険が好きな人がスバル車に携わっているイメージを持っていたので、亀のプロジェクトに共感してもらえたことは大変嬉しかったですし、調査や保護のためにはオフロードの悪路などにも強くて高性能なクルマが必要だったので、スバルの皆さんの心意気にとても感動しました。
現在私のプロジェクトではフォレスターに乗っているのですが、実はアルゴンキンで行われている他の幾つかのプロジェクトでもスバル車に貢献してもらっていて、グレイジェイという鳥のプロジェクトでもフォレスターが活用されています。
アルゴンキンを駆け巡る「Turtle Car」の正体はフォレスター
-フォレスターのパフォーマンスはいかがですか?
このプロジェクトでは普段ATV車が走るような荒野や凸凹でぬかるんだ道を走るので、力強い走破性やパフォーマンスに信頼がおけるクルマが必要でした。そういう意味ではスバルのコアテクノロジーである〝シンメトリカルAWD〟には助けられています。どんなに荒れた道でも自分が運転している感覚を失わないで済むのでドライブしていて安心感があります。プロジェクトではいつもカヌーとパドル、亀用の大きな罠、ライフジャケット等たくさんのものも楽々と積みこめるので、フォレスターはまさにアウトドア界の理想の一台ではないでしょうか。
-なぜスティーブンさんは亀の研究を行うことになったのですか?
小さい頃から爬虫類や地を這っている生き物が好きでした。大学院に進学する際、アルゴンキン州立公園で亀のリサーチプロジェクトがあることを知り携わりたいと思ったことがきっかけでした。実際に研究を始めてみると、亀たちがどれだけの危険に晒されているか知り、さらに研究に力が入りました。オンタリオ州には現在8種類の亀がいるのですが、その内の1種類が絶滅の危機に瀕しています。他の種類の亀たちも住処を失ったり、車に轢かれてしまったりと助けが必要な状態なのです。
-亀用の大きな罠を常備しているとのことですが、捕まえた亀はどうしているのですか?
少なくとも年に1度は亀を捕まえ、大きさや重さ、怪我の有無を確認しています。このプロジェクト自体が既に46年続いているので、莫大なデータが貯まっています。最近捕まえた亀は初めて捕まったのがおよそ40年前の1979年で、なんとこれまでに3回しか捕まっていませんでした。その亀が初めての測定から6㎝しか成長していなかったと知り正直驚きました。この州立公園には何千匹もの亀が生息し、その数自体はちょうどいい数に保たれていますが、近くの道路でたくさんの亀が轢かれてしまうのが現在大きな問題になっています。
-車に轢かれてしまう亀が多いのはとても悲しいことですね。もし運転中、亀を見かけたらどうすればいいのでしょうか?
まず安全な場所に車を停め、ご自身の安全を確認してから、亀を保護してあげてください。基本的には後ろから回り、横からそっと手を回してお皿を持つ要領で持ち上げます。ただ、カミツキガメの場合は気を付けてください。噛まれて指がちぎれることはありませんが、とても痛い思いをすることになります。持ち上げた亀は、元々彼らが行こうとしていた方向の安全な場所に放してあげれば大丈夫です。
自然との共生こそがカナダのドライブを楽しむ人が心がけたいキーワード
-仕事でもプライベートでもスバル車に魅せられたスティーブンさんですが、もしスバルを一言で表現すると何になるでしょうか?
難しいですが「信頼」になると思います。泥道や雪道を何があっても走り抜けられると思わせてくれる信頼や、どんなにたくさんの荷物を積み込んでも大丈夫だという安心感が強いです。プロジェクトを通して出会うスバルで働く方々もとても真摯な方ばかりで、クルマや自然についても詳しいので、とても好感を持っています。
もともとはスバルが私にクルマを提供してくれたからこそ、この研究・プロジェクトが行えて成果を出せています。毎日大荷物を積んで8箇所程度を回り、亀のリサーチを行うため、ドライブ中も安心しながら仕事ができるという事が私にとっては何よりも大切なことだと思っています。
SUBIE(スビー)
日本ではスバル車の愛好者をSUBARIST(スバリスト)と呼ぶように、カナダやアメリカなどの北米ではスバルを愛車としてドライブを楽しむ人々は、自らの愛車をSUBIE(スビー)と呼ぶ。SNSでも“#subie”として発信され、熱狂的なスバルファンの間ではファンクラブもあるほどだ。