“Taste of Japan” 開催
農林水産省・在トロント日本国総領事館主催
日本食の魅力を伝える “Taste of Japan” 開催
2月26日@Fairmont Royal York Hotel
和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、世界中で続く日本食ブーム。トロントでも近年は寿司以外にも居酒屋、ラーメンといった様々な業態の日本食レストランが急増している。
そのトロントで2月26日、農林水産省は在トロント日本国総領事館と共催で“寿司”、“和牛”、“日本酒”に関するセミナーと、日本食の魅力をさらに広め、深めるレセプション“Taste of Japan”をFairmont Royal York Hotelで開催した。
三部構成のセミナーでは、農水省の日本食普及推進専門官の仲森一博氏が今回のイベントの主旨と日本食の魅力と伝統を伝え、次に一般社団法人国際すし知識認証協会で理事を務めている小川洋利氏が、「寿司に関する調理衛生と技術講習」と題して、衛生管理に関する知識や寿司調理の技術について、米の磨ぎ方などの実演も交えながら講演を行った。
続いて全農アメリカで食肉・農産物販売部で部長を務める山口瑶介氏が日本食材とくに和牛についての魅力や特徴について詳しく説明した。
最後にロサンゼルスに拠点を置き、Sake School of Americaのバイス・プレジデントでもある上野俊男氏が「お米から生まれる日本のお酒」と題して、テイスティングを行いながら日本酒の魅力についてプレゼンテーションを行った。
和牛についてセミナーを行った山口氏はイベントを振り返り、「和牛については現地産「Wagyu」の生産者もお見えになり、多方面にわたり議論が白熱しましたが、それも興味の表れかと感じています。」と語ってくれた。和牛を含めトロントで感じた日本食のポテンシャルについては、「すでに日本食レストランはトロント市内のみならずカナダ国内にも増えてきておりますので、日本食の浸透度が高く準備は整っていると思います。そのため、さらにマーケットが拡大する可能性は十分あると認識しています。日系、他国系のレストランを問わず、一部の高級レストランでは、価格的にも調理の技術的にも既に使用できるレベルだと認識していますが、他国のマーケットと同様、中級クラスや現地系のリテール(スーパーや精肉店など)にどのように入っていくかが今後の大きな課題になろうか思います。」と自身の考えを述べてくれた。
セミナー後のレセプションでは、中山泰則在トロント総領事が、和食がユネスコ無形文化遺産にも登録されたことなどについてスピーチを行い、さらに日本から取り寄せられた和牛やブリ、そしてお米などの日本産食材を用いた料理や、小川氏自らが実演しながら握る寿司に加え、日本酒や日本産のウイスキーなどが振る舞われ、招待客はそれぞれ歓談を楽しみながら美味しい日本食に舌鼓を打った。
日本から訪れた農水省の日本食普及推進専門官の仲森一博氏は、「今回トロントでのイベントは初めての開催ではあったが、手ごたえを感じました。現地の方々に是非、日本食のファンになって頂き、日本産品を活用してもらいたいと思っております。そのためにも、来年度は『日本産食材サポーター制度』を実施していく予定であり、日本食産を使った料理を提供してもらい、是非、現地の日本食レストランのお店の方々にはサポーター店舗になってほしいと考えております。」と今後の展開について抱負を語ってくれた。
様々な業態の日本食レストランが増えて賑わっているトロントおよびカナダで、より日本食材や食文化の理解が進むことを官民一体となりこの地でも盛り上げていければと思う。