復興庁Revive Japan Cup
芸術家・武谷大介さん、
復興庁Revive Japan Cup アート部門グランプリ受賞
弊誌コラムニストでもある芸術家武谷大介さんが2013年に宮城県女川町で約3週間の滞在を通して制作した、パーフォーマンスインスタレーション作品『明日に架ける橋/ Bridge Over Troubled Water』が2014年度復興庁Revive Japan Cup アート部門グランプリを受賞。
エコジャパン官民連携協働推進協議会が主催でEco Japan CupとRevive Japan Cupの二つのコンテストが同時に行われた。Eco Japan Cupでは「エコビジネスの芽を見つけ、育てるコンテスト」、Revive Japan Cupでは「”新しい東北”を創る卵を見つけ、育てるコンテスト」テーマとして様々な作品を集めた。
武谷さんの作品は女川町の離島にあたる出島に橋を架けることで以前の自然豊かな生活を取り戻すという島民の悲願を可視化して応援するために創られた。町内の復興へのモチベーションを底上げし、未来へ向けた前向きな姿勢を支援することを目的に制作された。制作に使用した流木は町内沿岸地帯へ流れ着いた物を使用し、震災にて亡くなられた方々や失われた街への鎮魂、自然や大地に対する感謝を表す事もまた大きな目的である。
作品は町のシンボルだった、元マリンパル跡地近くに創られた。しかし、武谷さんは「これは完成した橋を見てもらうためではなく、誰かが橋を造りはじめた、毎日こつこつと作っているというプロセスを約3週間に渡って見せるというパフォーマンス作品。」だと語る。観客は0人だろうと思いながらも、落語家やカミーラ・シングさんにもパフォーマンスを頼んだ。だが、交通の要所だったことも功を奏し、次第に復興のトラックや漁業関係者、町の人たちなどと数百人の人々に作品を見てもらえる機会があった。3週間の制作期間中は差し入れを持って来たり、話に来たりする町人と交流しながら進められた。期間の終わった今は元の更地に戻り、武谷さんは自身の作品が復興へのモチベーションとなったことを祈る。
表彰レセプションは2月13日に開催予定。国際的に多岐に渡る活動を続ける武谷さんの更なる活躍に期待したい。