Japan Film Night @ジャパンファウンデーション
日時:9月8日@ジャパンファウンデーション
9月4日から14日に渡って開催されていた「トロント国際映画祭」に出品された日本映画と日本人映画製作者の支援・交流会としてジャパンファウンデーションにて「Japan Film Night」が開催された。今回の映画祭では10本以上の日本映画、日本人出演映画が出品され、多くの映画監督が来加していた。この日は「野火」の塚本晋也監督、「さよなら歌舞伎町」の廣木隆一監督、「Oh Lucy!」の平柳敦子監督が参加。そして交流会の最後には「夢と狂気の王国」北米プレミアでの舞台挨拶を終えたばかりの砂田麻美監督も駆け付けた。 石田隆司所長が歓迎の挨拶をし、多くの日本映画がトロント国際映画祭に出品されていることを喜び、来加している監督たちを紹介した。また、トロント国際映画祭プログラマーの選出作品のレベルの高さを称え、多くのカナダ人または他の国々が日本映画を見る機会になれば良いと語った。そしてこの映画祭を支える多くのボランティアに感謝を述べ、最後にこの日トロントに着いたばかりの新トロント総領事、中山泰則総領事を歓迎した。
中山総領事はこの「Japan Film Night」が初めての公の場であることを嬉しく思うと同時に多くの人に暖かく迎えてもらったことで、これからのトロントでの仕事が非常に楽しみであると述べた。また、自身を映画好きだと述べる中山総領事は今まで観てきたクラシック日本映画ではなく、多くのコンテンポラリー日本映画を観る機会に恵まれ光栄であると語った。当日参加していた監督たちへの激励の言葉と共にトロント国際映画祭プログラマーたちにこれらの日本映画を選出したことについて感謝した。
その後は各日本映画の紹介、予告編の鑑賞と共に参加している各監督から挨拶があった。
「Oh Lucy!」平柳敦子監督はニューヨーク大学ティッシュ・アジア校にて映画製作を勉強。今年のカンヌ国際映画祭では同作がシネフォンダシヨン部門で2位に入賞している。それに引き続き、トロント国際映画祭に参加できたことを光栄であると述べ、映画製作、上映に関わってきた関係者各位に感謝を伝えた。 「野火」塚本晋也監督は過去にも何度かトロント国際映画祭に参加しており、戻って来られてよかったと述べると共に今までの観光経験で会場の笑いを誘う一面も見られた。今作品はインディペンデント映画として20年以上の構想を経て作られ、日本での配給はまだ決まってはいないがベネチア国際映画祭に続き、トロント国際映画祭に参加することが出来て良かったと述べている。内容やその映像から観ていて疲れる映画ではあるが多くの方に観てもらいたいとコメントしている。
「さよなら歌舞伎町」廣木隆一監督は過去の「ヴァイブレータ」出品の時にはトロントに来ることが出来なかったが、今回は映画祭に参加することが出来て非常に嬉しいと述べると共に、トロントでのワールドプレミアを終えた感想を「非常に日本らしい映画にも関わらず、多くの方に笑ってもらい、感動したという方もいてすごく嬉しかったです」と語っている。 Japan Film Nightは終始賑やかに進み、多くの現地メディアや他国の映画祭委員、バイヤーなど映画関係者の良い交流の場となった。終盤には北米プレミアを終え、砂田麻美監督も会場に駆け付け、会は最後まで盛り上がっていた。今後とも日本映画が世界で認められ広く上映される機会を得られることに期待したい。