トロント国際映画祭 Japan Film Night 2016 レポート
ジャパンファウンデーション・トロント&UNIJAPAN主催 9月12日@Centre for Social Innovation
街中がトロント国際映画祭で賑わう中、同映画祭に出品された日本映画の関係者などを招いた「Japan Film Night 2016」をジャパンファウンデーション・トロントとUNIJAPANがレセプションを主催・開催した。
当日は「海よりもまだ深く」の是枝裕和監督、「ダゲレオタイプの女」の黒沢清監督、「淵に立つ」の深田晃司監督が参加した。ジャパンファウンデーション・トロントの岩永絵美所長の挨拶の後、中山泰則トロント総領事が、日本映画への注目度がトロントで年々大きくなっていることへの喜びと歓迎の挨拶を述べた。
その後、今回出品された日本映画の紹介が行われ、参加した監督たちの挨拶が行われた。
是枝監督は「この映画祭では、上映前にすでに会場があたたまっていて、お客さんが『おかえり』という風に迎えてくれる。こんなことは日本でも多くありません。僕の映画を待ってくれている人がいるというのは本当に幸せなことだなと、トロントに来る度に思います。」と映画祭への思いを語るとともに、日本映画を愛する人たちが集まれる交流会の開催に感謝を述べた。
黒沢監督は「僕の作品が海外の人にも見てもらえるようになった1998年から4年連続でこの映画祭に呼んでいただき、僕の海外でのキャリアを決定づけた、それがトロント国際映画祭だと思っています。そして今年は、生まれて初めて海外(フランス)で作品を撮ることが出来ました。その作品のワールドプレミアがここトロントで行われるということで、なにか僕にとって節目のように感じています。またトロントから新しいキャリアが始まるのだなと強く感銘を受けています。」とトロントへの思いを熱く語った。
この日の夕方にトロントに到着したばかりの深田監督は「いつもこの時期になると日本にもトロント映画祭の熱気が伝わってきて、いつか行ってみたいなぁとずっと思っていたので、今回ついにこうして来ることができてとても嬉しく思っています。」と、喜びを述べた。
是枝監督に映画祭について少しお話しを伺うと、「僕は今回で10回目のトロント国際映画祭となります。昨日の上映の時にも思ったのですが、やはり1作ごとに、より熱く迎えてくださっているなと感じますし、続けてきた甲斐があるなという気がしています。」と喜びを語ってくれた。また、作品について「今回の『海よりもまだ深く』は今までの作品以上に、非常に身近な、自分たちの人生が描かれているという感覚で見ていただけると思います。」とコメントをいただいた。
多くの現地メディアや日本の映画関係者の素晴らしい交流の場となったJapan Film Night。今後とも、世界中から評価され続ける日本映画界の盛り上がりに注目したい。