トロント日本商工会 60周年記念・2017年度新年懇親会が盛大に開催
260名以上の参加者が新年の挨拶の場、親睦の場として活用。
キャサリン・ウィン オンタリオ州政府首相も来場し、祝辞を贈る。
1月20日@Toronto Don Valley Hotel & Suites
トロント日本商工会は毎年恒例となる新年懇親会を開催、今年は同会60周年ということで数多くの来賓が出席し、マーカム市のFrank Scarpitti市長やミシサガ市市会議員のPatricia Saito氏が祝辞を述べた。また、昨年末に初訪日を遂げ、訪日経済ミッションとして日本の団体と1億2千万カナダドルを上回る15の協定に締結という成果を果たしたキャサリン・ウィン オンタリオ州政府首相も来場し、冒頭に祝辞を贈った。
州首相は、「みなさんと一緒にトロント日本商工会60周年記念、また、2017年、カナダにとって建国150周年となる記念すべき新年を共に祝うことができるのがとても嬉しいです。カナダ建国150周年というのは日本に比べると、まだ子供のような若さですが、我々にとって大切なマイルストーンですので一緒に祝っていただきたいと思います。トロント日本商工会は1957年に設立されてから現在に至るまでに様々な分野で日本とオンタリオ州の関係性をより良く、強固なものに築き上げてくれました。これまでにも本日出席している多くの方に感謝を述べてきましたが、今日は改めてみなさんにこれまでのサポートやオンタリオ州の経済発展に尽力してくれておりますことに対して感謝を伝えたいと思っています。
さらに、オンタリオ州に拠点を置く多くの日系企業の発展の背景にはオンタリオ州出身の高い教育水準を持った労働力やローカルビジネスの影響もあったと信じており、お互いに経済を共有し、様々な研究やイノベーションを元に成長し続けてきたと思っております。オンタリオ州と日本は良きパートナーとして互いに切磋琢磨できる関係であり、共に今後もより良い発展を目指していきましょう。オンタリオ州は2006年に、東京に初めて貿易・投資を振興するオフィスを設立し、今では日本はオンタリオ州にとって世界弟5位にあたる重要な貿易パートナーにもなっており、我々の関係はより深いものへと成長しています。
多くの方がご存知だと思うのですが、昨年11月に私はオンタリオ州首相として初めての経済ミッションで日本を訪れました。私個人にとっても初めての訪日でしたので、ここにいる多くの方が様々な面でアドバイスをくれ、また準備を手伝ってくれて本当に感謝しています。訪日期間中は残念なことに日本全国の様々な場所を見て回る時間や、やりたいと思っていたショッピングの時間はあまりありませんでしたが、たくさんの人からどのようなものかしっかり見て体験してきた方が良いと言われた日本の“おもてなし”を実際に体験することができたのは、とても貴重な経験となりました。訪日期間中に私が訪れた全ての場所でそれぞれの“おもてなし”を体験し、細部に至るまでのきめ細やかな配慮や尊敬に胸を打たれました。訪日前に“おもてなし”について教えてくださった皆さんには本当に感謝しております。」と祝意を表した。
また、昨年末の訪日経済ミッションに関しては、事業合意によってオンタリオ州と日本の関係性がより強固なものになるだけでなく、商工会のメンバーである日系企業のおかげもあり、オンタリオ州の経済は今後も発展していくだろうと述べ、さらに、「皆さんのビジネスがあるからこそ見込まれる経済発展を理由に、他州からさらに優秀な人材がオンタリオ州に移住してきており、人口増加に合わせて様々な面でオンタリオ州の発展に繋がっていくことでしょう。また、今回締結に至った協定以外にも今後より多くのパートナーシップを持てるように、ビジネスリーダーやイノベーター、投資家、政治家など多くの方と会談を行いました。
さらに2足歩行ロボットASIMO君に会うことができ、一緒にダンスをしたりもしました。世界的にも有名な人間型自律機械のASHIMO君の動きは本当に人間らしく、中に人が入っているのでは、と思ってしまうほどでした。その事実は今後のロボット関連技術の発展や新たなイノベーションの可能性を大いに示していることと思います。
訪日期間中にはオンタリオ州が抱える熟練した労働力に関する話しをさせていただき、多くの労働者はICTや自動車関連、航空関連、製造関連で活躍できる知識と技術を持っています。彼らが日本のこれまで世界を牽引してきた技術力や仕事に取り組む姿勢などを学び、お互いに協力することで我々は時代を引っ張る技術革新を行うことができるでしょう。このようなオンタリオ州と日本のパートナーシップ、お互いを理解し、協力し合う姿勢は世界中で必要とされていることです。それでも未だに世界を見回した時、保守的な方が多く、あまり外の人を歓迎しない傾向にあります。我々はそんな時代を逆行するような考えに影響されることのないように、今あるパートナーシップをより幅広い分野に広げていきましょう。」と語った。
州首相は、最後に、「商工会の60周年となった今年が素敵な一年になること、さらに今後60年もより良い年となるとこを強く願っています。我々オンタリオ州と日本のパートナーシップで共に新しい時代を切り開いていきましょう。オンタリオ州は今後も自動運転に積極的に取り組み、世界的に有名な航空関連会社の招致や気候の変化に対応できる新しい技術の開発などに努めていきます。それらはカナダのためでもありますが、世界にも役立つ技術になるだろうと自負しています。そしてより多くの雇用を生み出し、より明るい未来を築いていきたいと思います。オンタリオ州と日本はただのビジネスパートナーとしてだけではなく、官民一体となり良き友好国としてもお互いを高めあえる、そんな関係を築いていきましょう。」と挨拶を締めくくり、大きな拍手が鳴り響くなか会場を後にした。
懇親会では、同会会長の丸岡利彰 カナダ三井物産社長による60周年の商工会の歩みについてのプレゼンテーションのほか、同会名誉会長を務めるトロント日本総領事館の中山泰則総領事から乾杯の音頭が執られ、豪華なディナーコースとともに日本行き航空券など豪華プレゼントが当たる毎年恒例のくじ引きが行われ、会場は終始賑やかに幕を閉じた。
また、トロント日本商工会では60周年を記念し、同会のロゴを公募する。採用されたロゴは、商工会配布物、チラシ、名刺などに幅広く使用されるとのこと。詳細は、商工会ホームページを参照。
www.torontoshokokai.org