世界で飛躍する人材を育成する!トロント大学の多種多様な専攻科目をピックアップ|特集 トロント大学「U of T」
トロント大学は多種多様で幅広い学部・学科を持つ総合大学として有名だが、世界大学ランキングだけでなく、専攻科目も様々な分野で注目されている。今回は世界ランキングでトップ10入りしているプログラムや、また学生に人気な専攻やユニークな専攻をピックアップ!
「The Global Ranking of Academic Subjects 2018」において世界ランキングトップ10入りをしている7つの専攻科目
経営学(Management): 世界ランキング9位
トロント大学には「ロットマン」と呼ばれる、経営学、経済学、芸術科学の研究を組み合わせた、専門的な学部学生の経験を積むための厳格なカリキュラムがある。このプログラムでは、現代社会における商業学の役割を探りながら、分析、効果的なコミュニケーション、意思決定に対するスキルと自信を養う。ロットマンの学生は、会計、金融と経済学、経営の3つの分野から一つを選びそれを専攻する。
学生の声
授業を通してビジネスの全体像をみられるのは楽しいです!卒業後に大学院に進まずとも就職先を見つけやすい学部でもあるため、学部内を見ても一年生の時から就職用の履歴書を準備している人がほとんどです。ロットマンの学部生限定のイベントや企業説明会、さらにはキャリア相談センターなどもあり、サポートシステムもしっかりしています。
ただ、その分競争率も激しく、他の学部とは違い一年生に受けた授業では、ある一定の点数を獲得しなければ他の学部に移動させられるというケースもあります。実際、その点数を意識しすぎて一年生の時は結構なストレスを感じました。ただ、カナダで就職したい場合は、ネームバリューも含めロットマン卒であることが有利になるのではないでしょうか。
心理学(Psychology): 世界ランキング2位
トロント大学では、集団ではなく「個」の人間や動物の行動に注目した自然科学の一分野である心理学を学ぶ専攻がある。心理学専攻が扱う内容は多岐にわたり、学生に心理学の基本法則や心理学の研究で使われる方法を紹介する。例えば、実験、観察、統計を使ったデータ分析などが基本的な研究方法である。
学生の声
心理学のプログラムはどれも過去の証拠や学問をもとに研究を行なっています。扱う分野も幅広いですが、私の一番のお気に入りは脳科学的観点から見た人間の行動についての研究です。私達の脳がどのように対人関係や計画性など日常の行動へ影響を及ぼすのかについて詳しく研究するのですが、生物学と哲学両方の視点から分析をするので視野が広がります。
教授との距離も近く、質問もしやすい環境です。ただ、読まなければならない教科書や論文などがたくさんあります。書くことも多いので出来るだけキャンパス内のライティング・センターなどを活用することがおすすめです。クラスメイトとスタディ・グループなどを作るのもとてもためになると思います。
社会学(Sociology): 世界ランキング8位
社会学の重要な法則は、既存の社会的関係が人間の行動の機会を作り、制約を加えるということ。個々の人の動機、目的、価値観、信念や感情を超えて、パターン化された社会的関係は私たちが何者であるかを探る手がかりになる。トロント大学の社会学専攻は、既存の社会的関係がジェンダー的役割や家族、健康、移民や民俗関係、労働市場、労働および社会的不平等、政治的構造やプロセス、犯罪、文化、都市、ネットワークやコミュニティにどのような影響を与えるのか、そしてそれらからどのような影響を受けるのかについて学ぶ。
そのほかランクインした専攻科目
・医療技術(Medical Technology): 世界ランキング4位
・ヒト生物科学(Human and Biological Sciences): 世界ランキング6位
・自動化と制御(Automation and Control): 世界ランキング7位
・公衆衛生(Public Health): 世界ランキング10位
人気が高い専攻科目
国際関係論(International Relations)
この学問の目的は、戦争の起源に関する探求や平和維持、国際関係の中での本質や力関係、そして国際関係の中の意思決定をする人の特性を探求することであり、このプログラムで学生は現代の国際関係のシステムの説明や歴史的な知識、そして政治的・経済的な分析方法を身につけることができる。
弁護士を目指す学生や将来国際的に活躍したい学生など、多くの学生が専攻している。様々な分野からの授業を選択することが可能で、歴史や経済、人文学までもが選択肢に含まれている。自分なりに専攻を「デザイン」することがこのプログラムの魅力の一つだ。
経済学(Economics)
学生に経済的思考の法則を身につけさせ、人間の行動をよりよく理解させる、そして現代の経済問題を知的に評価することを目的としている。経済は協力的かつ競争的であり、それは、経済を構成するメンバーが制限された生産資源の供給によって個々人の欲を満たすためにお互い競うからである。この考えを基盤に、経済学部の学生は財やサービスの需要とその需要を満たすための限られた資源の供給の対立に関する問題について議論する。受けられる授業の種類も幅広い。
学生の声
2年目までは授業内容も基礎的で幅広いので正直あまり面白みを感じられません。ただ、3年目になると授業内容もより専門的になります。
コンピューターサイエンス(Computer Science)
人工知能の研究でも最先端を走るトロント大学。インターネット上でコミュニケーションを管理したり、ロボットの動作をコントロールしたり、現実的なイメージを統合したり、コンピュータの様々な力を駆使し、探求する。学生にもとても人気な専攻であり、成績基準も高く、入るのも難しい。毎年この専攻に入るべく多くの学生が競争に挑んでいる。
ユニークな専攻科目
物質文化研究(Material Culture)
物質文化の専攻は、人間の影響を示す衣服、家庭用品、機械、造形などの物体の研究をするプログラム。文化や時間を超えて、人々が自分たちのものに投資する意味を調べ、発明、交換、使用、再使用、売却、処分、回収の瞬間を含む生産と消費のプロセスを考える。文化や社会の理解の一環として、物の社会的および文化的な関連性を分析している。
仏教学(Buddhist Studies)
宗教学は学生に世界の文化的な側面やその中での文化的交流を理解させる学問。この学問は、宗教信仰や実践、教義の発展を現在までの人々や文化を視野に入れながら学ぶ。トロント大学の仏教学では、宗教はもちろん、仏教学と心理学を融合させた「Buddhism, Psychology and Mental Health」という名の学際的なプログラムもある。
さらに、ローカルから国際的なレベルで幅広い分野でのキャリアにも応用することが可能。例えばソーシャルワーク、法学、政治、教育、医学、または、宗教団体でのリーダーシップにもつながる。
アジア系カナダ人研究(Asian Canadian Studies)
カナダにいるアジアの血を受け継いだ人々に影響を与える歴史的、社会的、文化的、経済的、そして政治的な力を理解する方法を探求する。
森林保全(Forest Conservation)
カナダは、世界の森林面積の10%、人が手を加えていない森林の25%を保有しており、森林保全と持続可能な森林管理において世界的なリーダーシップを発揮する選択肢と責任を担っている。
ここでは、伝統的な生態学(生物学、動物学)と物理学(土壌科学、水文学)を社会科学と組み合わせることによって、森林保全について学ぶ。
学生の声
森林保全といえど、授業の種類は様々です。主にカナダの森林保全について勉強するのですが、扱うトピックの幅も広いです。中でも私が一番面白いと思ったのは「森林と社会的価値観」という授業です。森林のことだけでなく、それを取り巻く経済状況や、森林保全のために社会が出来ることなど、いかに森林が社会にとって重要な役割を果たしているかを目の当たりにすることが出来ました。
このように様々な授業内容がありますが、一つ一つの授業が互いに関係してくるので、徐々に知識が深まっていく実感があり、とても面白いです。また、NGOに勤めていて実際に森林保全や天然資源などに関わっている人とも会話する機会があることも興味深いです。