People.22 vol.15「Oshawa Music Week」平山ななみさん|カナダで挑戦する若者
前回のイベント準備についてシェアしたコラムから光の速さでWorld Music Festival本番の日を迎えた。
Oshawa Music Week1発目のイベントだったため、当日の朝からグループチャットはやる気に満ち溢れていた。私もGo team!と盛り上げながらも、正直イベント前日はよく眠れず、緊張と怖さと楽しみと嬉しさと感情ごちゃ混ぜ状態だった。
今年は、カナダ、日本、韓国、インド、スリランカ、トルコからなる様々な国、文化や言語の音楽をフィーチャーしたアーティスト、アフロ・カリビアン・ミュージックのDJタイムなど、多彩なラインナップが披露された。全てのアーティストたちから自分たちの表現する音楽への愛が感じられ、力強くも優しいオーラに包まれていた。特に、私と同じ留学生のクラスメイトが自らのルーツや文化を誇りに思い、音楽を通じて表現しているのを見て、私もなんだか嬉しい気持ちになった。また、観客の楽しんでいる姿からもらえるパワーも凄まじく、自然と口角が上がってしまっていた。ただ、傍から見たら、ずっとにやにやしている変な人のように見えていただろう。
一番印象に残ったのはやっぱりJapanese City Popだった。日本の音楽を取り入れたいというぼんやりとした思いから始まり、奇跡的に話が上手く進んでいった。パフォーマンスが始まった途端、その場が日本に包まれているような、今までオシャワにいて一ミリも感じなかった感覚が急に訪れて身体がゾワッとした。さらに、Japanese City Popの人気の凄さに改めて気づいた。同じチームメンバーからも、最高すぎる、どうやって見つけたの、とたくさん言ってもらえた。観客の中には一緒に歌っている人もいて、自分の好きな音楽、文化をシェアできることの幸せを噛みしめていた。
すべての演目が終わった後、チームメンバーが笑顔で私の元に寄ってきて、「やったね!おわったよ!無事成功した!すごいよ!」と声をかけてくれた。その瞬間、泣くのを必死で我慢しながらも、感動が胸に溢れた。今でもその瞬間は鮮明に覚えている。私が最後までやり遂げることができたのは、チームメンバーや先生の支えがあったからだ。同時に自分自身にも誇りを感じ、この経験を通じて一気に成長することができた。