マッサージ・セラピストが教える身体と健康 #13
ソチ五輪金メダリスト羽生選手専属のマッサージ・セラピストが教える身体と健康 #13
青嶋 正 RMT:カナダ公認マッサージセラピスト / 日本オリンピック委員会 日本スケート連盟の強化スタッフ
第13回 ストレッチが効かない理由???
今日は、ヨガクラスや、スポーツジムで体を整えているのに十分な効果が上がらないと言う人の為に、原因を考えてみたいと思います。1)正確な動作が解らない、2)十分な時間が無い、3)重要なポイントが解らない。など色々だと思いますが、解決策としてはどんな事が考えられるでしょうか?「短時間に出来て、気持ち良くて効果的、そして自分で出来る!!」などと言う“夢の様なストレッチ”について考えてみましょう。この条件を満たすには幾つかのポイントがあります。
A. 短時間にするポイントは、効率の良い方法を見つけることです。
痛みやコリの原因にアプローチして変化を確認する。最小限のストレッチで最大限の効果を生み出す様にします。これを、「足首が原因で腰が痛い」を例にして説明します。「足首と腰は無関係でしょ」という人もいるかと思いますが、次の様に考えてみてください。各関節は筋肉等によりつながっているので、1つの関節の不具合が他の関節に負担をかける。このネガティブな連鎖により体の下から上、右から左、表から裏と不具合が広がる。逆に、ポジティブな連鎖を起こせば、1つのストレッチがドミノ式に効果をあげる事ができます。と言われても、「そのポイントが解らないから困ってるんだ!!!」と怒られそうですが、答えはこうです。
- 右腕、左足、右肩といった具合に、気になる症状の存在するエリアを決定する。
- そのエリア内の小さな関節から大きな関節という順番でストレッチしていく。腕の場合(手首→肘→肩)、足の場合(足首→膝→股関節)
*最低限、小関節を緩めることによりエリア内の他の緊張も間接的に下がるので大関節にも効果が見込まれます。つまり、大関節のストレッチが簡単になる、もしくはスキップする事が出来る時間短縮アイディアです。
B. 気持ちよくするポイントは、ストレッチをする「スピード」と「刺激量」にあります。
早い動作で行うと効果が上がらないだけではなく、筋繊維を痛める原因になります。気持ちの良いスピードの目安としては、深呼吸をする様なリズムで、痛くなる少し前で止める事です。この様に丁寧に筋繊維の絡まりをほぐす動作が「気持ちE感」を生み出します。
この様に、A.短時間にするポイント、B.気持ちEポイントを意識して順番やスピードをコントロールするだけで、今までやっていたストレッチがより効果的になることが期待できます。
さて、今回ご紹介するエクササイズは、「ドアフレームを引っ張る」です。
- 家のドアフレームの中に立ちます(ドアを開けてドアフレームの中心に入る感じ)。
- 右肘を90度に曲げて肘を身体の横に付けた状態で、手でドアフレームをつかみます。
- 右足を1歩又は2歩前に出します(30-40cm足を前に出す感じです)。
- 同時に上半身(背骨)を伸ばしたまま45度位前に傾けます。
- 右手はドアフレームを掴んだまま、自然に肘が伸びて、右手・右腕でドアフレームを引っ張る様な形、横から見るとスキージャンプの滑空ポジションに似た形になります。
- 30秒ほどポジションを維持
肩の前辺りの深部を伸ばすストレッチアイディアです。ドアフレームを掴むポジションを高くしたり、低くすると肩の色々な箇所を緩める事が出来ます。






