カナダの大学生は、今。「Hiroshima Day Commemoration in Kingston」| COVID-19パンデミックダイアリー
皆さんお元気ですか。日本は梅雨明けしましたね。エアカナダはいつになったらトロントからの直行便を再開するんでしょうか。
8月6日の午前中、私は進行中の演劇プロジェクトのオンラインミーティングに参加していました。みんなの近況をシェアしていて、メンバーの1人が今日Burney ParkのHiroshima Day Commemorationでドラムを叩く予定だよと話していてとても驚きました。日本人は語学学校の学生数人程度しか見かけないこの街で広島原爆の日を追悼するイベントが開かれるなんて思ってもいなかったからです。これは日本人として行かなくてはと思い開始時刻の夜7時に公園に行くことにしました。


例年であれば、和太鼓グループの演奏やランタンに文字や絵を描いたりするアクティビティもあったようですが、今回はコロナ下のため、physical distanceを保ちマスク着用のもと小規模で開催。
ドラムやギターなどの楽器や歌の演奏の後、広島の原爆についてのお話がありました。そこで印象的だったのは、カナダも原爆投下に加担していたという事実です。ノースウエスト準州のウラニウムが広島と長崎両方の原爆に使用され、当時の軍需大臣や大統領の非人道的な発言が記録として残っています。この日は2017年にノーベル平和賞を受賞した被爆者であるサーロー節子さんが戦後75周年を期に始めた嘆願書への協力も行われました。その内容は、カナダ政府は世界初の原子爆弾への関与を認め犠牲者への遺憾の意を表明し、国連核兵器禁止条約への署名を求めるものです。日本でしか歴史を学んでこなかった私にとってこのようなカナダの現状は衝撃的で、私たち日系コミュニティが取り組むべき課題の1つであると痛感しました。そして最後に一年後の世界に願うことを紙に書いて千羽鶴の横に吊るしました。カナダの視点からも原爆投下について考え学び、また遠いカナダの地から日本に想いを馳せることができ、大変良い機会でした。
周りを見渡したところ、同年代の姿も日系人らしき人の姿もありませんでしたが、日本国憲法9条が書かれたTシャツを着たクィーンズ大学の教授とお話しすることができました。いつでも遊びにおいでと言ってくれたので、新しい出会いもあり、とても有意義な1日になりました。
↑暗くなる前に終わってしまったのでわかりにくいですが、ランタンにろうそくの火が灯されてはいます。
<参考リンク>
Hiroshima Day Kingston
http://www.hiroshimadaykingston.ca
Ottawa must acknowledge its role in atomic bombings of Japan and sign ban
https://www.stcatharinesstandard.ca/ts/opinion/contributors/2020/08/05/ottawa-must-acknowledge-its-role-in-atomic-bombings-of-japan-and-sign-ban.html

渡邉千尋 Chihiro Watanabe
大学入学後、プリンス・エドワード島大学へ交換留学。翌年高円宮記念クィーンズ大学奨学生としてオンタリオ州へ。現在も同大学にて演劇を学ぶ。学内外の演劇活動にも積極的に参加。強くて美しい素敵な女性になるのを目標に日々奮闘中。